【TSUTAYA × SWITCH】Suchmos CDレンタルコラボフェア

TSUTAYA × SWITCH
Suchmos CDレンタルコラボフェア
@SHIBUYA TSUTAYA・TSUTAYA新宿店


「SWITCH Vol.35 No.2 Suchmos THE KIDS are Alright」の刊行を記念して、SWITCH誌面に掲載されたSuchmosメンバーによるプレイリストをTSUTAYAのCDレンタルコーナーにて展開(1月20日から)。 TSUTAYA限定のSuchmos入門アルバムや、TSUTAYA音楽チームのレコメンドなども同時展開。SWITCH本誌とあわせてSuchmosの魅力をご堪能ください。

詳細はT-SITEニュースをチェック!

★以下のTSUTAYA・蔦屋書店ではポスター付き。
*特典は数に限りがございます。無くなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。

函館蔦屋書店、代官山蔦屋書店、SHIBUYA TSUTAYA、TSUTAYA三軒茶屋店、中目黒蔦屋書店、二子玉川蔦屋家電、TSUTAYA桑野店、湘南蔦屋書店、梅田蔦屋書店、枚方蔦屋書店、TSUTAYA天神駅前福岡ビル店、TSUTAYA BOOK STORE TENJIN


【特典対象店舗】SWITCH Vol.35 No.2 Suchmos特集

ポスター付き特典対象店舗
SWITCH Vol.35 No.2 Suchmos THE KIDS are Alright



⬛︎タワーレコード:渋谷店、新宿店、札幌ピヴォ店、仙台パルコ店、横浜ビブレ店、池袋店、町田店、秋葉原店、名古屋パルコ店、名古屋近鉄パッセ店、京都店、梅田大阪マルビル店、梅田NU茶屋町店、難波店、神戸店、広島店、福岡パルコ店、アミュプラザ博多店、タワーオンライン

⬛︎TSUTAYA:函館蔦屋書店、代官山蔦屋書店、SHIBUYA TSUTAYA、TSUTAYA三軒茶屋店、中目黒蔦屋書店、二子玉川蔦屋家電、TSUTAYA桑野店、湘南蔦屋書店、梅田蔦屋書店、枚方蔦屋書店、TSUTAYA天神駅前福岡ビル店、TSUTAYA BOOK STORE TENJIN

⬛︎HMV:エソラ池袋店、ルミネクエスト新宿店、栄店、横浜ワールドポーターズ店、三宮店、京都カナート洛北店、立川店、パークプレイス大分店、札幌ステラプレイス店、イオンモール扶桑店、イオンモールつがる柏店、仙台E-BEANS店、イオンモール太田店、イトーヨーカドー宇都宮店、イオンモール与野店、イオンモールナゴヤドーム前店、イオンモール千葉ニュータウン店、イオンモール浦和美園店、ラゾーナ川崎店、ららぽーと豊洲店、イオンモール高崎店、ららぽーと柏の葉店、イオンモール武蔵村山ミュー店、ららぽーと横浜店、イオンモール各務原店、阪急西宮ガーデンズ店、イオンモール伊丹テラス店、イオンモール木曽川キリオ店、イオンモール成田店、イオンモール秋田店、イオンモール川口前川店、イオンモール羽生店、大宮アルシェ店、イオンモール浜松市野店、イオンモール八千代緑が丘店、イオンモール船橋店、イオンモール福津店、イオンモール直方店、イオンモール岡崎店、イオンモール高岡店、イオンモール水戸店、イオンモール春日部店、イオンモール高知店、グランフロント大阪店、イオンモール熱田店、広島本通店、record shop渋谷店、ららぽーと和泉店、イオンモール岡山店、ららぽーと富士見店、HMV&BOOKS TOKYO店、HMV&BOOKS HAKATA店、record shop新宿ALTA店、ローチケHMV(オンライン)

*特典数には限りがございます。限定数満了次第、終了とさせていただきます。 *特典は表紙A2サイズポスターです。
*デザインはスイッチオンラインストア含めすべて同じです。

恐竜がいた展@橙書店(熊本) & NEW ALTERNATIVE(鹿児島)

      会期:2017年1月7日(土)〜29日(日) 
      場所:熊本 / 橙書店 
        :鹿児島 / NEW ALTERNATIVE


雑誌[SWITCH]で全20回の連載をした、
詩人・谷川俊太郎さんと画家・下田昌克さんによる「恐竜がいた」。

本連載の書籍化を記念して2016年9月に ほぼ日刊イトイ新聞さん運営のTOBICHI2(東京・青山)にて開催された展覧会の九州巡回展というかたちで、熊本にある橙書店さんと2会場同時開催を致します。

各会場では原画をはじめ、谷川さんの詩、下田さん作のキャンパス生地で作られた 迫力のある恐竜たちを展示します。そして実際にその恐竜を被っての撮影もできます。

また、各会場の展示作品は全て異なります。
是非、両会場を行き来して悠久の時間旅行をお楽しみ下さい。
(橙書店は火曜定休、NEW ALTERNATIVEは月曜定休となりますのでお気をつけ下さい。)


*イベント開催も決定しております。詳細は追ってお知らせいたします。

橙書店 http://www.zakkacafe-orange.com/daidai/
NEW ALTERNATIVE http://newalternativegallery.com/news/


年末年始休暇のお知らせ

年末年始休暇のお知らせ


SWITCH PUBLISHINGをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

年末年始休暇時のお知らせをいたします。

 〈年末年始休暇〉
12月23日(金)〜1月9日(日)


【SWITCH PUBLISHING オンラインストア】につきましては12月27日(火)午前10時までのご注文分(この時点でご入金確認済みのご注文分に限る)までは12月27日発送、それ以降のご注文分は、1月5日(木)以降の発送とさせていただきます。

12月28(水)〜1月4日(水)の期間は発送業務をお休みさせていただきます。(ご注文は可能です。)


「金継ぎ」は何をつなげるのか?【ナカムラクニオ金継ぎ講座レポート】


「金継ぎ」は何をつなげるのか?
 Rainy DayBookstore & Café金継ぎ講座レポート

文:ナカムラクニオ


「ぱりーん!」大切な器が割れた時って、ショックを受けたり、落ち込んだ気分になったりしませんか? しかし、「金継ぎ」という魔法の技は、器を復活させ、さらに美しく仕立て直してくれます。西麻布のRainy Day Bookstore & Caféでは、11月26日に荻窪のブックカフェ「6次元」店主ナカムラクニオ「金継ぎワークショップ」を開催しました。今回はその技法とイベントの様子をご紹介します!


■ 「金継ぎ」って何?

割れたり、欠けたり、ヒビの入ってしまった陶磁器を金や銀などで装飾して仕上げる日本古来の修理方法「金継ぎ」。地震が多い最近の日本では需要が増え続け、全国でブームとなっているのです。

「金継ぎ」というと割れた器の欠片を「金」そのもので繋ぎ合わせるの?と考える人も多いと思います。しかし、接着に使うのは「漆(うるし)」。古代から接着剤として使われてきた木の樹液です。金は、最後の仕上げの時にだけ使います。 金継ぎは、室町時代以降日本で親しまれてきた伝統的な器の修理法。茶道の世界ではわざと器を割ってひびを景色として楽しんだり、「呼び継ぎ」という技法で別々の陶片をつなぎ合わせて、趣の異なる器を作り上げ、お客さまをもてなしたという逸話もあります。また、金継ぎが施された器は、所有していた茶人によって名前が付けられ、価値が高まることも多いのです。つまり、金継ぎとは修理しつつ、壊れた器を美しい景色に見立てるという日本独自の「美意識」そのものなのです。


■金継ぎはカンタン?

「漆」を使うってことは、かぶれますよね? 時間かかりますよね? とよく聞かれますが、今回のワークショップは、かぶれない「新うるし」を使った簡易的なやり方。材料は、東急ハンズやホームセンターなどで手に入ります。すべて揃えても3000円程度(本漆を使った金継ぎの10分の1程度)です。

【材料一覧】
◎ふぐ印の新うるし(金粉付)
◎ふぐ印うすめ液
◎アロンアルファ
◎合成樹脂(パテ)
エポキシパテ(セメダイン金属用)。
あるいは、Devconマジックボンド(食品衛生法規格適合)
◎紙やすり(耐水) →400番(荒)1000番(細)
◎筆(0号)
◎パレット

材料はこれだけ。簡易的な金継ぎは、身近にある道具で挑戦できるんです。
※食器は直接口に触れる可能性が高いため、食品衛生法に基づいた材料を選ぶようにしましょう。器全体が割れているものは、あまり向いていません。


■How to Kintsugi?

「金継ぎ」は、器だけでなく、自分の心の傷を修復する技術です。
傷を景色に見立て、壊れた器の中に新しい美を発見するのが重要なポイント!

<STEP  つなげる


2層に分かれたエポキシパテを指でこねて混ぜ合わせ、欠けた部分に埋め込みます。ひびには押し付けて表面を平らにするのがポイント。割れたものは接着剤で張り付け、マスキングテープで固定。乾いたら、接着面にエポキシパテを塗り込み平らにします。パテは速乾性なので、乾かないうちに、はみ出たパテを拭き取りましょう。

<STEP◆ みがく


すぐにパテが固まってくるので、耐水性のサンドペーパー(400番程度)に水をつけながら、こすって表面を滑らかにします。素焼きや磁器などは特に要注意。本体そのものを削ってしまわないように気をつけましょう。器の形に合わせて削りながら整えていきます。特にアウトラインの形の美しさを考えながら削るのがポイント。

<STEP> ぬる


新うるしと金粉(真鍮粉)を1:1の割合で小皿に入れて、少しずつ薄め液を加えながら混ぜます。粘り気が出てきたら、極細の筆(0号)を使って、パテの上に塗っていきます。ポイントは薄くぬるというより、置くような感覚で作業していきます。何度もベタベタと塗るとムラが出来てしまうため、一気に仕上げた方が美しく仕上がります。心を「無」にして、作業しましょう。ヒビ割れた箇所は、一本の線を塗るというよりも、点をつなぐような感覚で描いていくと味のあるラインが出来上がります。ひびは、川や木の枝を思い出しながら、絵画として描くと美しい線が引けます。その後、1〜2日置いてしっかり乾燥させます。つやを出すため金継ぎした部分にオリーブオイルなどの植物油を塗って、柔らかい布で磨けばピカピカになり完成。電子レンジや食器乾燥機などは使わないという配慮も必要です。


このような粉々に割れた器が……なんと!


こんな美しい器に蘇ります。魔法のような技法です。


今回のワークショップには性別を問わず、子どもから大人まで幅広い層の方々に参加して頂きました。持参した器と向き合い、作業に没頭するみなさんのまなざしは真剣そのもの。

完成後にはティータイムと発表会。お茶とお菓子を楽しみながら、それぞれの自信作の発表&講評タイム。参加者のみなさんからは「元の器より美しくなった」「大切な器だったので捨てなくてよかった」などいろいろな感想が聞けました。

スイッチ・パブリッシングでの金継ぎワークショップ第2弾も検討して頂けるとのこと。詳細が決まり次第、随時ホームページやSNSを通じて告知をしていくので、今回参加できなかった、次は参加してみたい!なんて方々は今しばらくお待ちください。

最近では、海外からの問い合わせも多く、被災地の金継ぎボランティア活動も行っています。
http://www.spoon-tamago.com/2016/04/22/kintsugi-the-japanese-art-of-repairing-broken-ceramics/

また世界にこの魅力的な日本文化を広めるべく、英語でも「kintsugi(金継ぎ)」普及活動中です。何か海外に紹介する機会があればぜひご連絡下さい。
http://asia.nikkei.com/Life-Arts/Arts/Japan-s-reborn-ceramics-that-weld-past-to-present

器は身近な存在であるとともに、日々の何気ない暮らしの思い出を受け入れてくれる大切な道具。もしあなたの戸棚の中に、割れてしまったけれど、思い出が詰まっていて捨てられない器が眠っているならば、「金継ぎ」で新たな生命を吹き込んであげてみてはいかがでしょうか?

何度も言いますが「金継ぎ」は、器だけでなく、自分の心の傷やひびを修復し、景色として見立てる技術。復習より修復することが大切なんです。


<プロフィール>
ナカムラクニオ
1971年東京生まれ。映像ディレクター/荻窪のブックカフェ「6次元」店主。著書は『人が集まる「つなぎ場」のつくり方―都市型茶室「6次元」の発想とは』(CCCメディアハウス)、『さんぽで感じる村上春樹』(ダイヤモンド社)、『パラレルキャリア』(晶文社)、責任編集短編小説集『ブックトープ山形』(東北芸術工科大学)など。金継ぎ作家としても活動し、全国でワークショップを開催中。




小島ケイタニーラブがNHK「みんなのうた」に書き下ろした新曲『毛布の日』絶賛放送中!


小島ケイタニーラブがNHK「みんなのうた」に
書き下ろした新曲『毛布の日』絶賛放送中!


小島ケイタニーラブ
「冬の寒い朝、あったかい毛布は誰にとってもオアシスです。家事をしたり、会社に行ったり、宿題したり、みんなそれぞれに忙しいからこそ、何もせず毛布にくるまって過ごせる一日はとても幸せですよね。時間に追われる日々の中ではなかなかそんな希望も叶えられませんが、この歌を聴いたり歌ったりしながら、子供も大人も、みんなの心が1枚のあったかい毛布に包まれるように、穏やかなひとときが訪れたらいいな、という気持ちから生まれた曲です」


2016年12月1日から毎日放送!
みんなのうた『毛布の日』の詳しい情報は
こちら

音源はiTunes、レコチョク、Music.jp、dwango.jp
mu-mo、NHK SOUNDで配信中
詳しくはこちら

*放送はNHKの総合テレビ、Eテレ、ラジオ第2で放送されます。
*番組編成の都合により放送が変更になる場合があります。

《 NEWS 》

1/29(日)18時開催!
ラブナイト@ヴィレヴァン下北沢

ラブナイツ(小島ケイタニーラブ・伊藤豊・朝岡英輔)がヴィレヴァン下北沢に登場! 在日ファンクの村上さんとヴィレヴァン下北沢の副店長・長谷川さんを迎え、ラブナイトはお店の手書きPOPと旅をします!

出演
小島ケイタニーラブ
伊藤豊
朝岡英輔
村上啓太(在日ファンク)
長谷川朗(ヴィレッジヴァンガード下北沢店)

お問い合わせ
ヴィレッジヴァンガード下北沢店
TEL:03-3460-6145



SWITCH VOL.34 NO.12に新曲『毛布の日』制作秘話を掲載!
小島ケイタニーラブを新たな境地へと向かわせた一通の手紙とは?




小島ケイタニーラブ3年半ぶりのニューアルバム
『Itʼs a cry run.』 好評発売中!


サウンドプロデューサーに田中佑司(bonobos、サンガツ)を迎え、バンドメンバーに村上啓太(在日ファンク)、千葉広樹(サンガツ)、平田崇、山田杏奈、きたしまたくや(kooreruongaku)、ゲストボーカルとして優河が参加。
音楽への愛に溢れた一夜を幾重にも重ねる中で深 みを増した、小島ケイタニーラブ史上最も力強くて優しい、至極の一枚!

『Itʼs a cry run.』の詳細は
こちら




小島ケイタニーラブ  シンガー/ソングライター
The Smiths、Pixies、Jeff Buckleyなどに影響を受けたソングライティング、独自の死生観をもとに紡がれる文学的な歌詞世界、唯一無二の中性的な声が特徴。 弾き語りの他、2011年ころより小説家・古川日出男、詩人・管啓次郎、翻訳家・柴田元幸とともに朗読劇『銀河鉄道の夜』の活動を開始。また、歌・朗読を中心に据えた主催イベント『ラブナイト』では、いとうせいこう、坂本美雨、黒田征太郎、近藤良平、安齋肇など多彩なゲストを迎え、音楽の枠を超えた表現を追求している。 2016年、初のスタジオアルバム「It’s a cry run.」を Rainy Day Recordsよりリリース。同年12月1日より翌年1月31日まで小島ケイタニーラブがNHK「みんなのうた」に書き下ろした新曲『毛布の日』放送中!
小島ケイタニーラブHP


西川美和インタビュー『映画と小説、物語を語ること』

西川美和インタビュー

映画と小説、物語を語ること

聞き手=柴田元幸

映画も監督し小説も書く人は少なくないが、西川美和さんほどその「二足のわらじ」を(映画のわらじに力点はあるにせよ)自然にはきこなしている人も珍しいのではないか。映画と小説、というテーマだったらぜひこの人だと思い、映画にまつわる小説を書いていただいた上にインタビューもお願いした。

(西川美和ロングインタビューの試し読みページです。続きは本誌にてお楽しみください。また西川美和書き下ろし短篇小説「我が心のデルフィーヌ」は本誌に掲載しております。あわせてお楽しみください)



映画監督を初めて小説で書いた


――西川さんは映画監督であり小説家でもいらっしゃるわけですが、映画や映画監督を主題とする小説はかえって避けておられるだろうと察して、今号ではあえてそのテーマで短篇執筆をお願いし、見事な作品を書いていただきました。

西川 今日、私は柴田さんに叱られる夢を見たんです。

――どうしてですか?

西川 夢の中で、今回モンキーに書いた「我が心のデルフィーヌ」の原稿を柴田さんが急いで読んでくださって、「やろうとしていることは分かるが、あなただったら最後のところでもう少し深いところに切り込めたんじゃないの」って言われて。

――そんな偉そうなこと、言えるわけないです(笑)。思ったのは、この話、もっとコミカルにもなれるし、もっと棘のあるものにもなれるけど、その中間を行っているところが西川さんらしいのかなと。

西川 私もよく分からないままに書き上げてしまって、お分かりになったと思いますけど、本当に悩んじゃいました。

――そうなんですか。ポール・オースターが「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」という「ニューヨーク・タイムズ」に掲載した短篇のなかで、「ニューヨーク・タイムズ」からクリスマスの朝刊に載せる小説を頼まれて引き受けたはいいがなかなか書けない作家というのを登場させていますけど、あれだって本当にオースターがなかなか書けずに悩んだかどうかはわからない。それと同じなのかと思ったんですけど。

西川 いえいえ、私は本当に悩みました。悩んだ末に、これしかないなと思いました。

――翻訳家S氏が出てきたので、来たか、と思いました(笑)。

西川 最初は作中に書いたようなストーリーを考えていたんです。でもそれだと、たとえそこそこのものが書けたとしても、映画監督だけどお題を出された小説もお上手ですね、で終わってしまうなと思いました。これまでは映画監督を主人公にして一人称で小説を書こうと思ったことは一度もなかったんです。ご想像の通り、それは避けて通るやり方でしたから。でもこれで書けば、他の小説家の方が書かないものを書くのかもしれないと思って。

――軽薄な警官に主人公が職務質問されるあたりの会話がリアルだなあと思いました。

西川 私は以前から職業を訊かれるとすごくまごつくんです。映画監督ですと答えるのは、なんとなく口幅ったいというか、現実感がない。冠は立派だけど、今の日本では社会貢献度が低くて、市民権が得られていない感じというか。一般庶民にまで本当にポピュラーだった映画監督は、大島渚さんくらいまでだったのではないかなあと。

――今回、小説の執筆ばかりかインタビューまでお願いしたのは、そもそも小説で物語を語ることと、映画で物語を語ること、どれくらい同じことなのか、あるいは違うことなのかということを誰かに訊ねるとしたら、西川さんほどふさわしい人はいらっしゃらないと思ったからです。

西川 いやいやいや。

――たとえばイタリア料理が上手な人はちょっとやればたぶん中華料理もうまくなるような気がする。どっちも「料理」ですよね。それと同じように映画も小説も物語芸術で、「物語」を語るということでは共通ですが、それとはべつに根本的に違うことがあるのか。そのあたり、どういう風に感じていらっしゃいますか。

西川 物語を作りたいという最初の時点ではきっと変わらないと思うんです。ただ私は映画の世界で、映画のフォーマットに乗って物語を作るということをやってきました。簡単に言うと、2時間で語りきる、そして予算に収まる展開でなければいけないという、ぼんやりとしてはいるけれど制約があって、描きたいことを描かないできたという気がしています。

――映画の中では語れないことがあった、ということですか。

西川 ええ。2時間で語りきるという制約の中で、ストーリーから脱線してしまうようなエピソードや、時間軸を過去に自由に遡るということはなるべく省略しなければいけなかった。書きたいのに書けないというフラストレーションを常に抱えてきたものですから、オリジナルの映画を4本撮った後に、一度自由になって、最初に書きたいものをすべて書いて、後から映画にするという発想で取り組んだのが今回の『永い言い訳』(公開中)でした。

――なるほど。『ゆれる』などのこれまでの小説はまず映画があって、その後にノベライゼーションでしたね。

西川 これまではストーリーの軸を最初に書いて、次に脚本を作っていました。脚本はページ数で尺が計られてしまうし、本当はもっと登場人物の心の内や長い台詞を書きたいけど、三行以上の台詞は長台詞という印象を与えてしまう。長いなら長いなりの確たる理由が必要になってくるので、書きたいけど削り、同じ言葉でもなるべく短い同義語で短いセンテンスを考えるということを脚本でやってきました。

――どんな映画作りの人も、映画では語れない部分があると感じていらっしゃるのでしょうか。それとも西川さんがそういう風に感じる度合いが大きい?

西川 自分で映画のために物語を作っている人は同じようなことを感じるのではないかと思います。

――脚本・監督というタイプの方は、ということですね。

西川 はい。後から小説を書く監督もいますし、それはとても自然なことだと思います。脚本上には書かなくても、人物を書く時は、履歴書的に過去にこんなことがあったとか考えていると思うので。

――「我が心のデルフィーヌ」の中にも、30秒のコマーシャルを作る時でもどういう履歴かを考えてしまう、というところがありましたね。

西川 あの場面のように、取材をしている中である芳醇なものが出てきて、それを記録したいけれど、どうしても記録できないということは実際にありますね。時間的な制約、文字数の制約がないという意味では、小説はとても豊かだと思います。
 後々に映画にしようと思って書くものと、そうしなくていいと思って書くものとは、小説の書き方も変わってくると思うんですけど、『永い言い訳』は映画にするつもりだったので、こういうシーンを撮ろうと思って書いていた場面がありました。でも「我が心のデルフィーヌ」はしない前提で書いていたから、たとえば最後に主人公が泣いている、泣いていないというやりとりは、映画だと主人公に本当に泣いているお芝居をさせるのか、泣いていないお芝居をさせるのかを決めなければいけない。でも、文字だけだと読者に委ねられるので、その実態を明かさなくていい。それは小説のいいところだなあって思う。

――なるほど。そういえば最後の一行の「すこし勃起していた」も映画にはしづらそうですね。

西川 そうなんです。あれは言葉だからいい。映画だったら、別のエンディングの付け方をするんでしょうね。あんな一行は脚本には書かないです(笑)。



*つづきは本誌でお楽しみください



西川美和(にしかわみわ)
1974生まれ。映画監督、作家。長篇映画に『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』がある。最新映画『永い言い訳』が全国公開中



MONKEY vol.10
特集:映画を夢みて

ポール・オースターが心打たれた映画とは?
カズオ・イシグロが新進作家だった頃に書いたシナリオとは?
西川美和さんが初めて映画監督を主人公に書いた短篇と、
スペシャルインタビューも掲載!
http://switch-store.net/SHOP/MO0010.html


対談 秋元康×古舘伊知郎「これからのテレビと僕らの進む道」

     
       PHOTOGRAPHY:SHINTO TAKESHI

 対談 秋元康 × 古舘伊知郎
これからのテレビと僕らの進む道

古舘伊知郎とは旧知の仲である秋元康は、
かつて古舘の「トーキングブルース」に
ブレーンとして参加していた戦友でもある。
同じテレビ屋として、
秋元は古舘の「報道ステーション」時代を
どう見ていたのか。
さらに視聴者という時代や世論と相対する
テレビの問題点と可能性や、
互いの展望までを大いに語り合う

 林檎を摂り易く出来ない“壁”

古舘 そう。昔を美化しちゃいけないし
昔だっていろいろあったけど、
いまはネットの炎上を恐れて
闇雲に自主規制する時代だから
余計に狭まってしまった。
例えばここ何年か報じられているニュースで、
対馬の仏像盗難事件(2012)がある。
対馬の神社や寺院に韓国人窃盗団が入って
仏像などを盗んで韓国に持っていった。
最近は返す風向きになりつつあるようだけど、
ともかく韓国は返還を拒否した。
そもそも豊臣秀吉まで遡れば
日本に略奪されたものだから返さないぞ、
という主張もわからないではない。
一方日本にしても、
長年ここに置いてあったものを持っていって
返さないはないだろう? となるのもわかる。
でも、その当時のニュースや
ワイドショーの扱いを見て、
僕は腹が立ったの。
それで「報ステ」で「問題の本質は
どちらに所有権があるのか。
これに関して僕は偉そうなことは言えません。
でもひとつ置いときます。
これ、置いときますよ」って
しつこく前置きした上で
「本質じゃないんだけども、
朝から晩までずっとテレビのニュースは
『あの仏像をお金に換算したら
これだけの価値がある』って、
そんな『なんでも鑑定団』みたいな
ことばかり伝えている。
盗まれた中には経典もあり、
そこには生きる上で大事な教えが記されてあるはずで、
それが海を渡ってしまったという話は一切せずに。
どうなんでしょう、
このテレビの伝え方って?」って言ったんです。
そしたらテレビ局から怒られるならまだしも
視聴者側が大炎上。「古舘、許すまじ」って。


秋元 えっ、なんで?


古舘 僕は韓国に何も特別な思い入れも
感情もないんだけど、
まず反韓の方たちが「古舘降ろせ」となり、
あとは「日本は無宗教の国なんだから
ガタガタ言うな」とか。
みんな怒りたくてしょうがないし、
自分たちの正義を振りかざしたくて
しょうがない時代なの。
まあシェイクスピアも複数説とか
いなかった説もあるけれど、
仮に実在したとして、
いまはストラトフォード=アポン=エイヴォンって
いうところに墓がありますけど……
あ、これは語感が好きだから
言いたかっただけなんだけど。
秋元 (笑)


古舘 シェイクスピアから500年あまり、
この世はずっと妬み、嫉み、恨みで出来ていて
全く変わっていない。
そしていまは昔よりもみんな
怒りたくてしょうがない時代なの。
だからテレビも無難になる一方なんだよね。
秋元 じゃあバラエティだったら? 
たとえば「ワイドナショー」とか。


古舘 ああいう包み方だと許される場合はある。
それでも松ちゃん(松本人志)は
相当苦しんでいるはず。
でも彼が凄いのは
「これだけ気ぃ遣っても
また(ネットに)やられんのや!
落ち込むでー! ここ使ってやー?」と言って
番組が終わっていくの。
で、翌日たしかに
ネットのニュースになっている(笑)。
あの番組はすごく勉強になるね。


秋元 炎上って、大抵騒ぐのは事の当事者ではなく
その周囲なんだけどね。


古舘 そう。それなのに今のテレビは
ネットの炎上をダシに使い過ぎる。
下手したら何十人かが仕掛けたことを、
さもものすごい人数で炎上したように
扱ってしまうケースもあるし。


秋元 でもこれは止められない流れだと思う。
昔は「みんな『この企画がつまらない』って
言ってるよ?」とか言われると、
「じゃあその“みんな”を連れて来いよ」
とか言っていた。
でも今はその“みんな”がネット民なの。
彼らの中には多分かなり限られた人数なんだけど、
「生かすも殺すも俺の指ひとつだ」みたいな
特権意識を持っている人間がいる。
「そろそろベッキーも許してやっても
いいんじゃないか」とか。
自分たちが正義であり神なの。
そしてすごく巧妙なんですよね。


古舘 その根底に僕は心理学で言うところの
ポジティブ・イリュージョンという、
ある種の幻想を前向きに持たないと
生きていけない考え方との関連を感じる。
いずれにせよテレビが委縮し過ぎるのは
いかがなものなのかと。

  続きは本誌でお楽しみください


    
        本の詳細は こちら



Flying Tiger Copenhagenより クリスマスを盛り上げるユニークなアイテムが登場!

Flying Tiger Copenhagenより
クリスマスを盛り上げるユニークなアイテムが登場!


11月も下旬にさしかかり、街の景色も徐々にクリスマスムードへと色づいていく中、北欧雑貨ストア『Flying Tiger Copenhagen』(以下、フライングタイガー)よりクリスマスに向けた新アイテムが登場。
クリスマスツリー、オーナメントはもちろん、フォトプロップスや仮装グッズなど、フライングタイガーらしいユニークなアイテムが揃う。
さらに11月25日(金)からは約100アイテムが追加でストアに並び、来るクリスマスに向け、よりいっそう充実したラインナップに。ぜひ、店頭に足を運んでみて。

また、普段中々会えない大切な人に向けて、メール、LINE、Facebookメッセンジャーなどを通じてフライングタイガーのお買い物券を気軽に送ることができる、ソーシャルギフトチケットというギフトサービスもおすすめ。
12月5日(月)から11日(日)までの期間中には、ソーシャルギフトチケットを贈ると、贈った人にも 500円分のチケットがプレゼントされる「SEND ONE GET ONE キャンペーン」が開催されるので、要チェック!


今年はフライングタイガーのアイテムを取り入れて、
大切な人と過ごすクリスマスをユニークに彩ってみては

http://www.flyingtiger.com/(公式HP)

対談 秋元康×古舘伊知郎「これからのテレビと僕らの進む道」

     
       PHOTOGRAPHY:SHINTO TAKESHI

 対談 秋元康 × 古舘伊知郎
これからのテレビと僕らの進む道

古舘伊知郎とは旧知の仲である秋元康は、
かつて古舘の「トーキングブルース」に
ブレーンとして参加していた戦友でもある。
同じテレビ屋として、
秋元は古舘の「報道ステーション」時代を
どう見ていたのか。
さらに視聴者という時代や世論と相対する
テレビの問題点と可能性や、
互いの展望までを大いに語り合う

 林檎を摂り易く出来ない“壁”

古舘 アッキーと初めて会ったのは
たしかラジオ局だった。
フリーになる直前くらいの局アナ時代に、
(石橋)貴明を以前から知っていた流れで
とんねるずのラジオに呼ばれた時。
夏場で、麻の生成りのスーツ着ていたよ。

秋元 本当に? 覚えていない(笑)。

古舘 そこで初めて二言三言話して、
その後に僕が40歳、アッキーが36とかの頃に、
本格的に番組で一緒に絡んで、
「トーキングブルース」も何年かお世話になった。
でも「報ステ」の間は全く会えていなくて。

秋元 たまたま久し振りに
食事をすることになったのが
「報ステ」を辞める発表の直前だった。
僕は古舘さんが「報ステ」に
ストレスを感じているんじゃないかと
ずっと思っていたから、
別れ際に
「古舘さん、そろそろ卒業を考えてるでしょ?」
って言いながら車に乗ったんだよね。
で、ひと月ぐらい経ったら
降板の報道が流れて(笑)。
あの時点でもう内々では
決まっていたんだろうけど、
僕は知らなかったから驚いて。

古舘 違うよ、
アッキーに引導を渡されたから辞めたんだよ?(笑) 
でも「報ステ」の間も、
渡辺満里奈さんと名倉潤さんの披露宴(2005)で
たまたま席が隣同士だった時の話が
印象に残っていてね。
あの時アッキーは僕に
「たとえニュース番組であろうとも、
テレビという箱の中から伝える以上は
仕掛けもギミックも必要だろうし、
視聴者には歯茎の弱い人も
お年寄りもいるんだから、
林檎をそのままボーンって放り込んじゃダメ。
食べ易いように切るとか、
飲み易いやすいように
ジュースにすることが 大事だと思う」
という話をしてくれて。
「わかっている。
それを狙ってジャーナリスト出身でもない
俺が行ったんだけど、なかなか難しいんだよ」
とか話したよね。

秋元 後からいろいろと聞いて
理解したけれど、
その時は報道畑の詳しい事情や流儀を
知らなかったから。
アメリカのニュースショーみたいに
アンカーマンが編集権も持っていて、
ああだこうだと作っていくものだとばかり
思い込んでいた。
でも古舘さんも
初めはそういうつもりだったんでしょ?

古舘 そうだね。
でもなかなか壁を打ち破れなかった。
これは「報ステ」に限らず、
ひとつにはやっぱり人の生き死が関わるということ。
これはデリケートの極みだから。
例えば何かのニュースのVTRや中継を
受けたアンカーマンがスタジオで発する一言で、
人が傷つく場合もある。
つまり生きている人も傷つく。
これがバラエティだと、
そこは娯楽ですからお互い仮想パーティに
参加しましょうという“お約束”の中にあるから、
厳しいことを言ってもあまり傷つかないし、
多くは“面白い”へと変換されていく。
報道はVTRも“抜き身”だから、
あまり意図的な編集をしたら
大変なことになる。
それで最近のニュースは
ざっくりとした編集で流して、
あとは「視聴者の方々に委ねますので
よろしく」という手法になってきた。
前にアッキーが話してくれたような
ギミックも必要だと思うし、
何なら本気で討論する時間尺が
あってもいいはずなんだけど、
突き詰めれば
「もはや新聞でもそこまでやっていますか?」
という話にまで及んでしまう。

秋元 そうなるとおちおちコメントもできないよね。
僕が「報ステ」に期待していたのは、
エッセイストとしての
古舘さんの魅力だったから。
かつて古舘さんが話した
「私はテレビを観ない人。
映画しか、しかも洋画しか観ないの」
「何言ってんだ? お前は洋画のファンじゃない、
戸田奈津子(字幕翻訳家)のファンなんだろ?」
っていう(笑)、
あの斬り口が僕はすごく好きだから。
でもそれは許されなかったわけで。

     対談その


    
        本の詳細は こちら



SWITCH SPECIAL対談 新海誠 × 川村元気 (後編)

   PHOTOGRAPHY:GOTO TAKEHIRO


SWITCH スペシャル対談
新海誠 × 川村元気


もはや説明不要の大ヒットを続けている映画『君の名は。』。その監督とプロデューサーとして制作を共にした、新海誠と川村元気の対談が実現。『SWITCH』12月号(Vol.34 No.12)掲載の記事では、映画『君の名は。』と川村による新刊小説『四月になれば彼女は』という2つの「恋愛」にまつわる作品を題材に、2人が「ラブストーリー」にどうアプローチしたのかを語り合ってもらったが、その記事には収まりきらなかった未掲載テキストをここに特別に公開


《 後編 》

場外ホームランは狙えない


新海 川村さんに一度お聞きしたかったんですけど、海外はともかくとして、国内で僕らが全然予想していなかったような数字(興行成績)になっているじゃないですか。それを川村さんはある程度予測していたんですか?

川村 お互いその質問は散々されていると思いますし、僕も百回ぐらいされたんですけど(笑)、わかっていなかったですよね。新海さんと最初に話したのが、今回新海さんが東宝で夏のアニメーション映画を作るとなったときに、作品の規模が大きくなったからといって、それまで普段Tシャツを着ていた人が、急にタキシードを着て出てきたら駄目だよね、ということ。ちょっといいTシャツぐらいにしておかないといけない。つまり普段の新海さんの世界観でやるということは決めていたんです。そうなったときに、前作の『言の葉の庭』を観た人たちが10万人ぐらいで、そのファンは絶対に来てくれると思っていたし、それが100万人になるぐらいはあり得るかなと思っていたんですけど……。

新海 それが1000万人ですからね……。

川村 まったく予想していなかったですね。プロデューサーとしてそれでいいのか、と思いますけど(笑)。

新海 僕が予想できないのは当然じゃないですか。でも川村さんは何本も映画を作っていて、『君の名は。』と並行して作っている作品もあった。その中で、この作品にだけ何か特別な手応えみたいなものを感じていたのかどうか。どうなんでしょう?

川村 ちょっと乱暴な話なんですけど、僕は作るときにはあまりお客さんのことを考えていなくて、一生懸命自分たちが「作りたい」とか「観たい」と思うものを作るしかないと思っていて。それが結果的にホームランになることもある。でも、僕は絶えず二塁打狙いなんです。大振りして三振するのもよくないし、コンパクト過ぎる振りでもよくない。二塁打ぐらいいけばいいと思ってスイングすると、たまにあるじゃないですか、真芯に当たって場外ホームランみたいなことが。それが今回のケースかなと思うんです。何か新しいサジェスチョンをすること、新海さんの今までの集積を型を崩さずにきちんとやること、それだけをやれば負けはないかなとは思っていました。でも確かに、映画が出来上がった頃はウチの宣伝部とかが異常に騒いでいましたよね。「これはスゴい!」って。

新海 東宝の内部での反響は確かにありましたね。昨年の12月の製作発表用に最初のトレーラーを出したときに、それを観た副社長の千田さんに「これは300館で公開しましょう」と仰っていただいて。

川村 そう、急に言い出して。それで公開館数を増やしたんですよね。

新海 今までの自分の作品からしたらそれまで聞いていた予定公開館数も既に十分大きな規模だったんですけど、あの1分のトレーラーでそう言っていただいたというのは、何かを感じてくださったんだなと思いました。そこから宣伝部さんの中でも徐々に熱が高まっていったような感じがあって、心強かったですね。




川村 でもこれだけヒットすると、いろんな人から「すごいプレッシャーでしょう!」とか「次、大変でしょう!」とかすごく言われませんか?

新海 言われますね(笑)。

川村 でも僕も新海さんも実感がなさすぎて、プレッシャーを感じようがないというか……。

新海 そうですね。でもそう言うと印象が悪いから、「ちょっとプレッシャーです……」と言ったりして(笑)。

川村 僕も同じです(笑)。「新海さんは恐いんじゃないですか?」って人におしつけたりして。

新海 でもプレッシャーとかを感じようがないですよね。

川村 そうですね。

新海 今回、コントロールして場外ホームランだったわけではないですし、再現性がありようがない。再現を狙った時点で、もう何かを間違えている気もしますし。ベストを尽くすしかない、ということはこの先も今までとまったく同じですよね。

川村 でも、映画の夢みたいなものを感じた、というのは綺麗事ではなく思いました。ディズニーみたいな人たちが何百億もかけて作る映画と、我々が日本で数億円で作る映画が、イーブンに映画館という場所で戦って、こういう大勝利になることもある。もちろん負けることもあるけど、わからないことが起き得る。だからこそ、より自分たちの作りたいものを丁寧に手を抜かずに作るしかないんだと改めて思いました。

新海 可能性があるんだ、というのを教えてもらった気がしますよね。今の川村さんのお話にもありましたが、例えばピクサーの作品よりも興行収入で上に行けるなんて想像もしていなかったですし、無意識のうちにも不可能だと思っていましたから。世界規模だとまた話は別でしょうけど。でもそうではないことが起こり得るというのは、それこそ夢でもあるし、またできるかもしれないという気持ちにもなるし、誇らしい気持ちにもなりますよね。

川村 ただ、最近知ったんですけど、どうやら『ズートピア』と似た作り方をしていたらしいんです。『ズートピア』は大量のラッシュリール(※制作途中段階での試写用の本編映像)を作って、ラッシュを観てはアニメーターが直して、という作業を何度も何度も繰り返していたらしいんです。ものすごくお金がかかるから普通はそんなことはできない。でも『君の名は。』チームもお金をかけないでそういう作業を行なっていましたよね。新海さんが自分で描いて自分で声を入れて、それを僕らが数人で観て、ああだこうだ言って、新海さんがまた自分で直す、という(笑)。回数だけで言えばそういう作業はピクサー以上にやっていたかもしれない(笑)。実はこれは日本の映画の中ではかなりユニークな作り方だと思います。

新海 かかるのは僕のリビング・コストだけですからね(笑)。

川村 お金はかからないけど、新海さんは消耗し続ける、というやり方(笑)。ただ、これは新海さんが一人でアニメを作ってきた人だからできること。ハリウッドの完成されたシステムの中で、すごいコストをかけてやっていることが、新海さん一人の力でできる。そのおかげでみんなで意見を出し合って、いろんな検証をして、という作り方ができた。この作品の強さを生んだ理由の一つだと思います。



《 前編に戻る 》

*対談本編はSWITCH本誌でお楽しみください


新海誠
1973年生まれ。アニメーション映画監督。2002年、個人制作の短編『ほしのこえ』でデビュー。その他の作品に『雲のむこう、約束の場所』。『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』など

川村元気
1979年生まれ。映画プロデューサーとして今年は『君の名は。』、『怒り』、『何者』を製作。『四月になれば彼女は』は、『世界から猫が消えたなら』、『億男』 に続く3作目の小説。他に対話集『仕事。』、『理系に学ぶ』など


<作品情報>



『君の名は。』
原作・脚本・監督:新海誠
作画監督:安藤雅司 キャラクターデザイン:田中将賀 音楽:RADWIMPS 声の出演:神木隆之介、上白石萌音 ほか
★現在公開中
http://www.kiminona.com/index.html
(C)2016「君の名は。」製作委員会




『四月になれば彼女は』
川村元気・著 文藝春秋
かつての彼女からの手紙を受け取った結婚間近の男が、失われた恋に翻弄される12カ月を描く。文藝春秋の特設サイトでは新海誠と星野源による推薦コメントを公開中。
★現在発売中
http://hon.bunshun.jp/sp/4gatsu



SWITCH Vol.34 No.12
古舘伊知郎
TALKAHOLIC
しゃべくる魂 テレビ屋の反乱

対談:新海誠 × 川村元気
『東京から恋愛が消えた?』
『君の名は。』と『四月になれば彼女は』掲載!
★現在発売中 http://switch-store.net/SHOP/SW3412.html


SWITCH SPECIAL対談 新海誠 × 川村元気 (前編)

   PHOTOGRAPHY:GOTO TAKEHIRO


SWITCH スペシャル対談
新海誠 × 川村元気


もはや説明不要の大ヒットを続けている映画『君の名は。』。その監督とプロデューサーとして制作を共にした、新海誠と川村元気の対談が実現。『SWITCH』12月号(Vol.34 No.12)掲載の記事では、映画『君の名は。』と川村による新刊小説『四月になれば彼女は』という2つの「恋愛」にまつわる作品を題材に、2人が「ラブストーリー」にどうアプローチしたのかを語り合ってもらったが、その記事には収まりきらなかった未掲載テキストをここに特別に公開


《 前編 》

海を越えた『君の名は。』現象



――公開後、国内では大ヒットが続いていますが、監督は海外の映画祭をいくつか回られています。スペインのサン・セバスチャン映画祭、韓国の釜山国際映画祭、イギリスのロンドン映画祭など。現地での反響をどのように受け止めていますか?

新海 何度か現地のお客さんと一緒に映画を観る機会をいただいたんですが、そこでのお客さんの反応には随分と勇気づけられました。笑って欲しいところで笑ってくれているし、「ここで笑うの?」というところでも笑ってくれて。国によって違いますが、例えば韓国では、三葉がお父さんのネクタイをぐっと掴み上げるところでなぜか笑いが起きて。

川村 そうでしたね。

新海 これは文化的なギャップで受けているケースだと思いますが、何よりも勇気づけられるのは、こちらが意図したところで笑ったり、泣いたりしてくれていること。例えば、三葉が瀧の手のひらに何かを書こうとした瞬間、ペンが落ちる、というカットがあります。お客さんがみんな息を飲むのがわかるんです。どの劇場でもそういう静かなザワつきが広がって。

川村 そのシーンはダビング(※制作終盤の音の仕上げ作業。画に台詞や効果音、劇伴などの音を組み合わせていく工程)でも悪戦苦闘したポイントですからね。ペンが落ちる瞬間のバサっと断ち切られた感じを音でどう表現するか。

新海 ダビングでもそうだし、その前段階の脚本会議やビデオコンテのやりとりでも大事にしたところでした。RADWIMPSの劇伴もバサっと切れる。それをどうやるかと試行錯誤しました。

川村 海外はお客さんのリアクションがはっきりしているから、反応してくれているかどうかは体感として伝わってきますよね。

新海 そうですね。ちゃんと考えて設計したことが伝わった喜び。それが実感できるのは嬉しいですね。




――川村さんは海外での反響をどう感じていますか?

川村 例えばスペインのサン・セバスチャン映画祭に行ったときに、物語の中に神道的な要素があったりもする作品なので、ヨーロッパの人がどう観るんだろうと思っていたんですけど、十二分に伝わっていたし、どこに行っても新海さんのサイン待ちの行列ができるんです。『秒速5センチメートル』を中心に過去作から新海作品を観てきた累積ファンがすごく多くて、海外でも人気者だなと思いました(笑)。

新海 ドサ回りじゃないですけど、そういうことはこの10年ぐらい国内外で繰り返してきたことなんです。何時間もサイン会をやって、お客さん一人ひとりと話をするのが喜びでした。今回は規模が大きくなってなかなかそういうことができなくなってしまいましたけど、やってきて良かったなと思います。

――台湾でも公開されて、大ヒットされているそうですね。

川村 聞きました?

新海 初週の週末1位だったみたいですね。

川村 歴代の日本映画で1位になるかもしれないそうです。今まで『リング』が1位だったんですけど、それを超える勢いだとか。

新海 それは嬉しいですね。海外で不安だったことの一つに情報量の多さというのがあって、新聞記事が一瞬映るカットなども、かろうじて文字が認識できるぐらいの短さでバサッとカットを切っているので、日本語が読めないと伝わりきらないんじゃないかと思っていました。RADWIMPSの野田洋次郎さんの歌もそうです。この場面でこの歌詞が聞こえないと十分には楽しめないんじゃないかと。でも台湾でのそういう状況を聞くと、たとえ言葉がわからなくてもエッセンスはきっと伝わっているんだと思えて、嬉しいですね。



《 後編へ 》

*対談本編はSWITCH本誌でお楽しみください


新海誠
1973年生まれ。アニメーション映画監督。2002年、個人制作の短編『ほしのこえ』でデビュー。その他の作品に『雲のむこう、約束の場所』。『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』など

川村元気
1979年生まれ。映画プロデューサーとして今年は『君の名は。』、『怒り』、『何者』を製作。『四月になれば彼女は』は、『世界から猫が消えたなら』、『億男』 に続く3作目の小説。他に対話集『仕事。』、『理系に学ぶ』など


<作品情報>



『君の名は。』
原作・脚本・監督:新海誠
作画監督:安藤雅司 キャラクターデザイン:田中将賀 音楽:RADWIMPS 声の出演:神木隆之介、上白石萌音 ほか
★現在公開中
http://www.kiminona.com/index.html
(C)2016「君の名は。」製作委員会




『四月になれば彼女は』
川村元気・著 文藝春秋
かつての彼女からの手紙を受け取った結婚間近の男が、失われた恋に翻弄される12カ月を描く。文藝春秋の特設サイトでは新海誠と星野源による推薦コメントを公開中。
★現在発売中
http://hon.bunshun.jp/sp/4gatsu



SWITCH Vol.34 No.12
古舘伊知郎
TALKAHOLIC
しゃべくる魂 テレビ屋の反乱

対談:新海誠 × 川村元気
『東京から恋愛が消えた?』
『君の名は。』と『四月になれば彼女は』掲載!
★現在発売中 http://switch-store.net/SHOP/SW3412.html


【イベントレポート 後編】MONKEY vol.10刊行記念 柴田元幸トーク&朗読会


【イベントレポート】
MONKEY vol.10刊行記念
柴田元幸トーク&朗読会


 西麻布のRainy Day Bookstore&Cafeで10月22日、「MONKEY Vol.10」の刊行を記念して、同誌の責任編集を務める柴田元幸さんによるトークイベントが行われた。節目となる10号目を迎えた同誌のテーマは「映画を夢みて」。映画と文学が今宵、一人の翻訳家を通して交叉する──。

【 後編 】
 
■映画史に多大な影響を与えた作家「エドガー・アラン・ポー」

映画の歴史が始まると文学、特にアメリカ文学との関連で興味深いのはなんと言っても「エドガー・アラン・ポー」だと話す柴田さん。映画の黎明期である19世紀末から20世紀初頭において、ポーは極めて著名な文学者であり、映画の主題をふんだんに提供した人物でもあった。また、「飲んだくれの酔いどれ詩人」という強烈なイメージがあったことから、その物語や詩だけでなく、人生すらも作中に組み込んだ映画が数多く撮られたという。

 そんなポーに関する世界中の映画作品を集めて解説した書籍『The Poe Cinema』によれば、初めてポーに関する映画が登場したのは1908年に作られた『Sherlock Holmes in the Great Murder Mystery』。ポーの代表作『モルグ街の殺人』を題材としながらも、シャーロック・ホームズが推理ではなくトランス状態によって犯人に辿り着くなど、ユニークなアレンジが加わっているという。残念ながらフィルムが紛失しており、現在では鑑賞することが出来ない幻の作品だ。

その翌年の1909年には文字通り『Edgar Allen Poe』という短編作品がD.W.グリフィスによって撮られている。この作品はポーの人生を題材としながらも、ポーの有名な詩である「大鴉」や、ポー作品では美女は高確率で死ぬといったポーの世界観をミックスした一作となっており、こちらは現在でも鑑賞することが出来る。

 この3年後の1912年には別の監督によって同作品の類似作品が撮られたり、短編小説「裏切り心臓(The Tell-Tale Heart)」を題材とした長編映画が前述のグリフィスにより撮られたりと、その後も数々のポー映画が生み出されることになる。特にまとまった形でポー作品を扱ったのが1960年代前半に活躍したB級映画の帝王、映画監督「ロジャー・コーマン」。中でも『赤死病の仮面』は傑作だと柴田さんは話す。

■形を変えて受け継がれるポーの作品

 多くの映画監督によって生み出された作品群は、当然のことながら後世にも影響を与える。その中には誰もが知るあの映画監督も……。

──ロジャー・コーマンが作った映画などを見て育った次の世代の一人として、ティム・バートンがいます。ティム・バートンはロジャー・コーマンのポー作品で数多くの主演を務めた俳優「ヴィンセント・プライス」の大ファン。ティム・バートンが1980年代に初めてプロとして作った短編のアニメがあるんですけど、それは『ヴィンセント』というタイトルです。一人のナレーターが朗読するだけのシンプルなアニメーションで、そのナレーターはヴィンセント・プライス本人がやっています。

 『ヴィンセント』は平凡な家庭に育つ猟奇的な妄想が大好きな男の子「ヴィンセント・マロイ」の物語。怪奇俳優のヴィンセント・プライスに憧れる彼は、何気ない日常も持ち前の妄想力で恐ろしい世界へと変えてしまう。独自の世界観で現実を見つめる男の子は、やがて自身の妄想の世界へとはまり込んで行く。ストップモーション技法で撮影され、ティム・バートンの敬愛するヴィンセント・プライスやポーの「大鴉」なども踏まえた同作品は、まさにティム・バートンの原点とも言える作品だ。


■映画を巡る小説

主に映画に影響を与えた小説をベースに進行した今回のトークイベント。後半で設けられた質疑応答の時間では、その逆の視点から一つの疑問が挙げられた。

Q.映画から影響を受けた小説にはどのようなものがあるのでしょうか。

──まず、スティーヴ・エリクソンの小説は全部そうだと思います。一作目からして、超大作「ナポレオン」を撮ったアベル・ガンスを明らかにモデルにした小説や、今年僕が翻訳を出した、映画しか頭になく映画で世界が構築されているような人物が主人公の『ゼロヴィル』とか、エリクソンは明らかにそうだと思いますね。すみません、あとは自分が関わったものがまず頭に浮かんでしまうんですが、ポール・オースター。

オースターと映画との関わりは必ずしも幸福ではない部分も多いのですが、オースターが映画作りに実際に関わったことによって、その後に書いた映画を巡る小説は素晴らしいものになっています。具体的に言えば『幻影の書』ですね。サイレントコメディを作っていて、突如失踪した男の物語なのですが、その小説の男が作ったサイレント映画の描写は本当に素晴らしいです。ああいったものはオースターが映画製作の現場の空気を吸ったことで書けるようになった、そういう力強さを感じます。

──映画を巡る小説として最高だと思うのはルー・リードが大学で教わっていたデルモア・シュウォーツの「夢で責任が始まる(In Dreams Begin Responsibilities)」という短編小説です。この作品では主人公が夢の中で古い映画を観ている、先ほどお話ししたグリフィスのようなゼロ年代の映画を観ているんです。そして、その映画の中でお父さんとお母さんの若い頃を観る、という仕掛けから始まります。これは素晴らしい短編小説ですよ。翻訳は1988年に僕が村上春樹さんや川本三郎さん、30代の若手アメリカ研究者ら5人で作ったアンソロジー『and Other Stories』の中で畑中佳樹君が訳しています。訳文も素晴らしいし、とても良い小説ですね。

■柴田さん好みのポー映画

 ポー映画の中でも、柴田さんが特に好みというのがこちら。

──1960年代後半にフランスの映画監督3人が集まって、ポーのオムニバス映画を作っています。日本語のタイトルは『世にも怪奇な物語』。監督はロジェ・ヴァディムとルイ・マル、そしてフェデリコ・フェリーニの3人で、このフェリーニの作品は特に素晴らしいです。

──実を言うと僕はポーの作品を一度も怖いと思ったことは無くて。むしろ怖さと笑っちゃう感じとの境界線上にあるところがポーの面白さだと思っています。そんな中、フェリーニはポーの作品の中では比較的マイナーな「悪魔に首を賭けるな」という短編を現代に舞台を置き換えて作っているんですが、これが本当に怖い。そして、良い映画です。ぜひご覧ください。


 終盤には短編映画に合わせて柴田さんがナレーションを加えるといった試みも行われ、イベントは大盛況のまま幕を閉じた。秋の夜長にはつい本を読もうか、映画を観ようか迷ってしまうこともあるだろう。そんなときはどちらも楽しむことが出来る「MONKEY Vol.10 映画を夢みて」をお手に取ってみてはいかがだろうか。


【前編にもどる】


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MONKEY vol.10 特集:映画を夢みて

ポール・オースターが心打たれた映画とは?
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Coyote No.60刊行記念 池田晶紀写真展『SAUNA』

    
Coyote No.60刊行記念
池田晶紀写真展『SAUNA』
11/23-12/11
@RainyDay Bookstore&Cafe


 今号の特集で北欧のサウナカルチャーを旅した 写真家・池田晶紀さんの写真展を11月23日から、RainyDay Bookstore&Cafeで開催いたします。
  今回の写真展では、フィンランド、エストニアなどを中心とした、自然あふれる風景写真を展示。サウナともに生きる人と自然との関係について、自身が体験したサウナを写真表現として、サウナの魅力をぞんぶんに感じられる写真展です。会場ではプリントの販売も行なう予定です。
みなさまのご来場をお待ちしております。

《 プロフィール 》
池田晶紀(いけだ・まさのり)
1978年神奈川県生まれ。写真家。株式会社ゆかい代表。雑誌、広告、CDジャケットなど幅広く活躍。さらに、水草プロレイアウター、シェアリングネイチャー指導員、かみふらの親善大使、FSC(フィンランドサウナクラブ)会員、サウナ・スパ健康アドバイザーなどの活動も行なっている。
11月15日に写真集『SAUNA』を刊行

●展覧会詳細
日程 2016年11月23日(水)〜12月11日(日) 休:月・火
※11月26日のみ16時オープン
営業時間:8:00〜19:00
会場 Rainy Day Bookstore & Cafe
東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F
入場 無料



Coyote No.60
特集:SAUNA for Beginners

サウナ、それは自然との新しい出会い方。
フィンランド、エストニア、リトアニア、日本、アメリカ、メキシコ……
世界のサウナカルチャーを徹底取材!

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【イベントレポート 前編】MONKEY vol.10刊行記念 柴田元幸トーク&朗読会


【イベントレポート】
MONKEY vol.10刊行記念
柴田元幸トーク&朗読会


 西麻布のRainy Day Bookstore&Cafeで10月22日、「MONKEY Vol.10」の刊行を記念して、同誌の責任編集を務める柴田元幸さんによるトークイベントが行われた。節目となる10号目を迎えた同誌のテーマは「映画を夢みて」。映画と文学が今宵、一人の翻訳家を通して交叉する──。

【 前編 】
 
■映画前史に名を残す謎の画家「ハーラン・クレーン」

──今回は映画の特集ですから、今日のイベントでは映画のお話をしたり、映像を観て頂いたりしますが、たぶんこの中で現代の映画について誰よりも知らないのは僕だと思います。宮崎駿監督の映画を一本も見たことないんです(笑)。多分そんな方はここには他にいらっしゃらないのではないかと思います。古い映画の話も詳しいわけではないですが、無知の差が少ないかなと思いまして、今日は主に古い映画の話をします。

 冒頭、少し意外とも取れる告白で会場を和ませる柴田さん。このイベントのために書き下ろしたという原稿をおもむろに取り出すと、マイクの前に立ち、朗読スタイルで語り始める。そこに描かれていたのは、映画前史に名を残す謎の画家ハーラン・クレーンの少し奇妙な話。約15分に及ぶ重厚な朗読の中から、ここではその一部を抜粋して紹介する。

“1890年代半ばに誕生した映画は、その前に様々な前史を抱えています。古代人がたき火の明かりを使って洞窟の壁に映した影絵にまで遡らずとも、19世紀の歴史は結果として映画の誕生に結びついた発明、結びつかなかった発明に満ちています。ここではその結びつかなかった発明に携わった一人「ハーラン・クレーン」についてお話します。

1844年、ブルックリンに生まれたハーラン・クレーンは二流の挿絵画家、発明家、天才、ペテン師等々さまざまなレッテルを貼られてきました。おそらく彼はそのすべてであり、またそのどれでもなかったと言えるでしょう。

20代末になるまで経歴はほとんど知られていませんが、30歳に至り「迫真派」と呼ばれる画家たちの一派に加わりました。迫真派というのは当時の最新テクノロジーである写真を強く意識し、写真よりももっと緻密に細部を描こうとする画家たちの集まりでした。1874年、クレーン30歳の年に開かれた「迫真派展」でクレーンの絵の緻密さは中でも注目を集めました。

当時の新聞記事の中には、そのあまりの迫真さ故に、絵の中に描かれた蠅がリンゴからリンゴへ移るのを複数の来館者が目撃した、といういささか不可解な記述が見られます。また「降霊会」という絵では暗い部屋に集まった8人が徐々に顔を上げるのが見えたうえに、天井近くの薄闇に何かが浮かぶのがぼんやり見えたと言います。

こうした現象を説明しようと、特殊な照明が仕掛けられているのだとか、幻覚を誘発する薬が絵画に塗られているのだとかいった説が唱えられました。クレーン本人は「自分は特殊な絵の具を発明したのであって、この絵の具においては個々の分子が自由に動きまわれるのだ」と主張しました。実際、この主張に基づいて、「アニメイトペイント」なる絵の具が製造され、販売されたりもしましたが、事実本当に分子が自由に動いて絨毯やテーブルを汚してしまうという話が広がり、じき製造中止になりました。

その後、クレーンは絵の中と外という概念を打ち破ろうとする、もっと過激な「侵犯派注1」に加わったり、あるいは食い扶持のために、凡庸な木版画を雑誌の依頼で作ったりもしました。が、やがて1883年10月4日、39歳の時に「ファントピックシアター」なる劇場をニューヨークに開きます。舞台には一枚の絵画が掲げられて、その手前にピアノがあり、ピアニストが出てきてワルツを弾き始めます。

すると、その憂い気味のワルツに誘われるようにして、絵の中の人々が踊り出し、じきに絵から外に、舞台上に出てくるように見えました。観客は舞台に上がるよう誘われ、絵の中の人々を間近に、しげしげと眺めました。じろじろ見られていることも知らぬ気に、絵の世界の人たちは物憂げなワルツをいつまでも踊り続けました──”

──以下、ハーラン・クレーンをめぐる不思議な話はさらに広がっていきました……

注1:絵の内と外という概念を根本から取り除こうと試みた一派。絵の中に実際の草を取り入れるなど、2次元の中に率先して3次元を持ち込んだ。


【後編へ】


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MONKEY vol.10 特集:映画を夢みて

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Slipknot主催ロック・フェス 【KNOTFEST JAPAN 2016】 チケットプレゼント



Slipknot主催ロック・フェス
 【KNOTFEST JAPAN 2016】
チケットプレゼント


日本初開催で5万人が熱狂した「ノットフェス」が再上陸!11月5日(土)・6日(日)の2日間にわたって幕張メッセ国際展示場で開催されるこのイベントには主催Slipknotをはじめ、MARILYN MANSON、 RIZEなど豪華アーティストが出演予定。Slipknotの世界観を完璧に実現した、熱く盛り上がること必至なイベントだ。また、その耐久性で世界に知られるライター、Zippoの参加が決定。Zippoと一緒に「ノットフェス」でロック魂を燃やそう!会場内に設置されるZippoのブースでは来場者が参加できるシャウトコンテストを開催。普段言えない思いをこの機会にシャウトしてみては?

Zippoより、このイベントのチケットを抽選で各日SWITCH読者1組2名様に(合計2組4名様)にプレゼント
・11月5日開催の KNOTFEST JAPAN2016 Day1:1組2名様
・11月6日開催の KNOTFEST JAPAN2016 Day2:1組2名様

《応募方法》
タイトルを【KNOTFEST JAPAN2016チケット応募●日開催】とし、氏名、ご連絡先、ご希望のお日にちを明記していただき、 info@switch-pub.co.jp までメールをお送りください(締切:10月31日)
当選者の方にのみ、11月1日中にご連絡させていただきます。

※5日、6日の両日ご応募いただいても問題ございません。その際はタイトルの希望日程を両日開催とし、ご応募ください。
※インビテーションチケットですので、当日は関係者受付にてリストバンドと交換していただきます。



   ©KNOTFEST JAPAN

【KNOTFEST JAPAN 2016】

日時:2016年11月5日(土)・6日(日)
OPEN 10:00/START 12:00
※リストバンド交換時間 8:00〜

場所:幕張メッセ国際展示場 9〜11ホール
千葉県千葉市美浜区中瀬2−1

イベント詳細はこちら
http://knotfestjapan.com

※6歳未満はご入場いただけません。6歳以上はチケットが必要になります。
※締め切り日の時点で応募資格を満たしている方が抽選対象となります。
※複数回応募された場合は、そのうち1回のみを有効とさせていただきます。

(賞品提供:Zippo Manufacturing Company)

KANDYTOWN × CARHARTT WIP 5大都市ツアーがスタート


                                        PHOTOGRAPHY: HAMADA SHIN
音楽、アート、スケートボードなどの多様なサブカルチャーシーンと共に歩む世界的ワークウェアブランドのCARHARTT WIP。SWITCH最新号(Vol.34 No.11 特集『みんなのラップ』)では、総勢16名が所属するヒップホップクルー・KANDYTOWNメンバーによる、CARHARTT WIPとのコラボレーション・ファッション・シューティングを掲載している。

また1stアルバム『KANDYTOWN』リリース前日の11月1日(火)より、CARHARTT WIPがサポートするKANDYTOWN初のワンマンツアー『KANDYTOWN 5CITY TOUR POWERED BY CARHARTT WIP』がスタート。渋谷SOUND MUSEUM VISIONでの公演を皮切りに、東京、福岡、広島、大阪、名古屋と5大都市をめぐる。また本公演の特典付きチケット(特典は未発表音源CD)が、10月22日(土)より全国のCARHARTT WIP Storeなどで、好評につき追加販売されることが決定。一般販売は既にスタートしているので、各種プレイガイドを要チェック。 ※10月15日(土) 10:00〜 のプレイガイド販売分にはCDは付きませんのでご注意ください。

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    ◼ツアー情報
    ツアー名:KANDYTOWN 5CITY TOUR POWERED BY CARHARTT WIP
    日程:東京 11/1(火)@SOUND MUSEUM VISION
       福岡 11/18(金)@graf
       広島 11/19(土)@BACK BEAT
       大阪 11/22(火)@心斎橋SUNHALL
       名古屋 11/23(水・祝)@club JB'S
    時間:OPEN:19:00 / START:20:00(全公演共通)
    主催・企画:CARHARTT WIP
    後援:WARNER MUSIC JAPAN / BCDMG / P-VINE, Inc.
    制作:CITTA'WORKS
    料金:オールスタンディング / 前売り3,000円 当日3,500円 ※ドリンクオーダー別

    ◼未発表音源CD付き前売りチケット限定追加販売
    販売開始日:10月22日(土)
    取扱い店舗:
    東京:Carhartt WIP Store Tokyo
    名古屋:Carhartt WIP Store Nagoya
    大阪:Carhartt WIP Store Osaka
    広島:HYBRYDS
    福岡:Carhartt WIP Store Fukuoka
    Carhartt WIP Store info: www.carhartt-wip.jp/stores
    HYBRYDS official blog:hybryds.blog.so-net.ne.jp
    チケット価格:3,000円
    ※各店舗への問い合わせはお控えください。
    ※各店舗取り扱い枚数に限りがございます。

    ◼チケット一般販売
    販売期間:10月15日(土) 10:00〜
    プレイガイド情報:
    ローソンチケット:http://l-tike.com(Lコード:72484)
    チケットぴあ:http://t.pia.jp(Pコード:312-775)
    イープラス:http://eplus.jp
    ※枚数制限4枚
    ※一般販売分には未発表音源CDは付きません。


    CARHARTT WIPとKANDYTOWNによる、
    スペシャル・ファッション・シューティングを掲載している
    SWITCH(10月20日発売号)の詳細はこちら
    www.switch-store.net/SHOP/SW3411.html


    TSUTAYA × SWITCH「みんなのラップ」コラボフェア開催!


    『SWITCH 11月号 みんなのラップ Hip Hop 〔We've Got〕』の発売を記念して、 全国のTSUTAYA・蔦屋書店約1,300店舗の書籍&レンタルコーナーが連動する、
    「TSUTAYA × SWITCH『みんなのラップ』フェア」を開催!
    本特集に登場したアーティストの中からTSUTAYA音楽チームが選んだ、おすすめHIP HOPアルバムをCDレンタルコーナーにて「SWITCH」とともに展開する。
    お得な10枚まとめ借りで、2016年の日本語ラップの波に乗ろう!

    開催期間:10月19日(水)〜11月23日(水・祝)

    T-SITEニュースURL: http://top.tsite.jp/lifestyle/magazine/i/31009590/



    Caran d’Ache × SWITCH ”LIVING with COLORS” 安齋肇 作品展覧会 Sunshine and Sky 東京・大阪にて開催

    Caran d’Ache × SWITCH
    ”LIVING with COLORS”


    安齋肇 作品展示会
    Sunshine and Sky





     この度、カランダッシュと雑誌SWITCH(10月20日発売号)のタイアップ企画『LIVING with COLORS』を記念して、イラストレーター・安齋肇さんによる描き下ろし作品の特別展覧会を10月20日よりカランダッシュ 銀座ブティックにて、11月17日よりホルベイン 大阪ギャラリーにて開催いたします。

     今回安齋さんが描き下ろした作品は、なんとも不思議でキュートな「絵本」。安齋さんが大好きだというマンモスをモチーフにした奇想天外でユニークな物語が、柔らかな色使いと温かみのあるタッチで描かれており、安齋さんらしいユーモア溢れる作品になっています。
     今展覧会では、SWITCH誌面の掲載作品9点に加え、未掲載作品も特別に公開。安齋さんの描き下ろした「絵本」の完全版をご覧いただけます。カランダッシュの画材ならではの、繊細な色表現もお楽しみください。

     なお作品制作に使用された画材は、「スプラカラー ソフト」「ネオカラー 供廖屮襯潺淵鵐 6901」「ミュージアム アクアレル」「フィブラロ」「フィブラロ ブラシ」の6種。また各作品のタイトルと絵本テキストには、カランダッシュの万年筆である「エクリドール レトロ」とインク6色「コスミック ブラック」「マグネティッック ブルー」「アイデリック ブルー」「ウルトラ バイオレット」「ヒプノティック ターコイズ」「ディバイン ピンク」が使用されています。

     カランダッシュと安齋肇さんによる、唯一無二のスペシャルコラボレーション。両者の織りなす色鮮やかな世界を、この機会にぜひお楽しみください。




    ●展覧会概要

    《 東京 》

    日程 2016年10月20日(木)〜11月8日(火)
    11:00〜19:00
    会場 カランダッシュ 銀座ブティック
    (東京都中央区銀座2-5-2)
    入場 無料
    《 大阪 》
    日程 2016年11月17日(木)〜12月6日(火)
    11:00〜18:00(最終日は16:00まで)
    会場 ホルベイン ギャラリー
    (大阪府大阪市中央区上汐2-2-5)
    入場 無料

    <プロフィール>
    安齋肇
    1953年東京都生まれ。イラストレーター、アートディレクター、ソラミミスト。広告、出版、音楽、テレビ等様々なジャンルでオリジナリティ溢れる活動を続けている。12月には初監督作品『変態だ』(企画・原作/みうらじゅん)が公開。

    <本人よりコメント>
    今回はいろんな種類の画材を使わせてもらえたので、「絵本」というコンセプトで描いていきました。僕、マンモスが好きなので、マンモスをキャラクターにした話を作りたいなとまず思ったんです。そこから、今はもういなくなってしまった哀しい動物の話にしていこうと思って。タイトルの「Sunshine and Sky」は邦題にすると「冷たい太陽と小さな空」。氷河期の空をイメージしています。


    カランダッシュの世界と安齋肇さんによる色鮮やかなコラボレーションを
    掲載しているSWITCH(10月20日発売号)の詳細は
    こちら



    『恐竜たちがいるところ 詩はどこから来るの?』 谷川俊太郎×下田昌克 特別対談 PART2

    PHOTOGRAPHY: IKEDA MASANORI,TADA

    恐竜たちがいるところ
    詩はどこから来るの?

    対談 谷川俊太郎 + 下田昌克


     画家の下田昌克さんと詩人の谷川俊太郎さんが紡ぎ出した一冊、『恐竜がいた』が発売になりました。
    恐竜に大いなるロマンを感じキャンバス生地で恐竜をつくり続ける画家・下田昌克さん。「ぼくは下田くんの作る恐竜に興味がある」そう言い切る詩人・谷川俊太郎さんの詩に励まされ、下田さんは次から次へと恐竜制作に勤しんできました。そんなお二人の創作の秘話とは?


    PART2


    いつも大事にしていることは?

    下田 常に他人のことを考えて仕事をしている。喜んでもらえることが一番大事。自分の作品は決してアートではないと思っているんです。

    谷川 ぼくも常に読者のこと、他人のことを考えて詩を書いています。

    下田 ある絵本の依頼があって一所懸命今までとは違った作風で描いたら、この絵だったら違う人にお願いしますと言われたことがあって。

    谷川 ほんと。

    下田 ぼくもすぐに納得して、そうだよねと描き直した。谷川さんは詩は何文字と指定された方が書きやすいと言われましたね。

    谷川 そうだね、束縛されると書きやすい。「恐竜仮面」をはじめて見た時からだんだん詩を書いていって、そして家に持ってきてもらって実際に被ってみたりするとまた違った世界が見えてくる。そして写真になるとさらに違ったものになる。

    展覧会を経てさらに濃厚になった。正直言葉なんて全然なくていいと思っていた。写真とほんものがあれば。




     下田さんと谷川さんの出会いは雑誌「コヨーテ」のアラスカ特集だった。詩人谷川俊太郎は二〇〇九年南東アラスカの旅に出た。詩人ってなんだろうとアラスカの旅で思った。悠久の森、手つかずの自然がアラスカにはかろうじて残っている。

    かつて二万年前のモンゴロイドの氷原の無氷回廊を渡った旅を詩人の目を通して想像することができるかもしれないと思った。その詩人の旅に下田さんの同行を願った。詩人は朝に一杯の珈琲を呑み、鳥の声に耳を澄ませ、夕に陽が落ちる海を眺めた。そして詩を書いた。

     下田さんはクリンギットインディアンの古老の似顔を描き、口承伝達されたインディアンの神話を一つひとつ形にしていった。

     ある朝下田さんは谷川さんに肖像を描かせてほしいと伝えた。そして大きなスケッチブックを開くと色鉛筆で点描のようにカキカキカキという音を立てて一気呵成に描いていく。緑色、赤色、黄色、青色と等高線のような年輪のような輪郭が形成されていく。なるほどこれは目だ、これは鼻だというように。このとき詩人はずっと沈黙を守っていた。一本の樹によらず、一羽の鳥によらず一語によらず。

    アラスカは彼らの夢の中で分かち合う時間だった。深くゆったりとした声で語られる理性の光の届かない物語、そしてその明るさに心ときめいた。そのとき私たちは風の言葉も熊の言葉も苔の言葉も雲の言葉も星の言葉も森の言葉も骨の言葉も聞くことができた。

     下田昌克さんがキャンバス地を駆使して恐竜を作ることは魔法の言葉を持って生きることだ。ふと口をついて出た言葉が不思議な力を起こすことがあると彼は信じた。アラスカ以来、彼の世界はそのようにできていった。

     好きなことを形にする。谷川さんの詩が励ましとして響くのは変わらない詩人の姿勢ゆえだ。アラスカで肖像画を描いた下田さんに興味を覚えたのも、好きなことを自由自在に描く画家の指先のほんの先にある人々の笑顔からだった。

    「前から下田さんに訊きたかったんだ」あるとき谷川さんが訊ねた。

    「なんですか?」

    「ゴジラは恐竜? 怪獣?」

    「恐竜です」下田さんはきっぱりと答えた。

    「なんで?」

    「なんでも。後で調べます」

     作中では古生物学者の山根恭平博士が「ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物の末裔」だと語っているとWikipediaには記されていた。

    「でもWikipediaだからな」下田さんは今も谷川さんに出典を告げずにいる。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    『恐竜がいた』
    詩:谷川俊太郎 絵:下田昌克

    悠久の時間旅行へーー
    全20回にわたる雑誌『SWITCH』での連載が、待望の書籍化!

    本の詳細はこちら



    『恐竜がいた』展
    谷川俊太郎(詩人)+下田昌克(イラストレーター)
    池田晶紀(写真家)+ただ(写真家)


    SWITCHで全20回の連載をした、詩人・谷川俊太郎さんと画家・下田昌克さんによる「恐竜がいた」。この度、本連載の待望の書籍化を記念して、ほぼ日刊イトイ新聞さん運営のTOBICHI2にて「恐竜がいた」展を開催します。

    原画をはじめ、谷川さんの詩、下田さん作のキャンパス生地で作られた迫力ある恐竜たちを展示します。
    会期中にはゆかいプロデュースによる「なりきりパシャり!勝手に撮れる写真館」や、谷川さん・下田さん・糸井重里さんによるトークイベントも開催。 下田さんのアトリエスペースもご自身と共にTOBCHI2に出張してきます。

    会期中、TOBICHI2では新刊をはじめ、「SWITCH」バックナンバー、恐竜グッズなどの販売も行います。みなさまのご来場、お待ちしております。


    <会期>
    9月22日(木・祝)〜10月2日(日)
    11:00〜19:00
    入場無料


    【なりきりパシャり!勝手に撮れる写真館】
    produced by ゆかい
    会場には下田さん作品の恐竜を身につけて
    自由に写真を撮っていただけるコーナーを設けます。
    「ゆかい」のみなさんによるプロデュースで、撮影現場を再現。
    下田さんの直筆イラストも効果的にセッティングし、
    本から飛び出したようなショットが撮れるかも。
    ご自身のカメラや携帯でご自由に撮影いただけます。
    撮った写真はご自由にSNSなどにアップしていただけます。
    できれば黒いTシャツでのご来場がおすすめです。
    *じっさいに身につけていただける恐竜は会場内で指定があるものに限ります。


    【谷川俊太郎+下田昌克+糸井重里トークイベント】
    10月1日(土)18:00〜
    募集開始は9月中旬より、ほぼ日刊イトイ新聞にて。
    抽選で当選された方をご招待します。

    <会場>
    TOBICHI2
    東京都港区南青山4-28-26

    <問い合わせ先>
    tobichi@1101.com


    <プロフィール>
    谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)
    1931年東京都生まれ。52年詩集『二十億光年の孤独』でデビュー、作詞、絵本、翻訳、映画脚本と幅広いジャンルで活躍し、82年『日々の地図』で読売文学賞受賞、10年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞受賞他、受賞も多数。下田昌克とはアラスカで出会い、クリンギットインディアン、ボブ・サムの絵本をはじめ、いくつものコラボ作品を発表し続けている。

    下田昌克(しもだ・まさかつ)
    1967年兵庫県生まれ。イラストレーター、世界を旅行しながら出会った人々の肖像画を描き続け、日本に持ち帰った絵で週刊誌での連載を開始した。現在東京新聞、週刊文春と連載多数。おもな著作は『ヒマラヤの下 インドの上』『くじらの歌』など多数。

    池田晶紀(いけだ・まさのり)
    1978年神奈川県生まれ。写真家。株式会社ゆかい代表。雑誌、広告、CDジャケットなど幅広く活躍。さらに、水草プロレイアウター、シェアリングネイチャー指導員、かみふらの親善大使、FSC(フィンランドサウナクラブ)会員、サウナ・スパ健康アドバイザーなどの活動も行なっている。

    ただ
    1981年神奈川県横須賀市生まれ。写真家。2007年写真家・池田晶紀率いる「ゆかい」に所属。主にポートレイト写真から物撮りまで、書籍、雑誌、広告、CDジャケットWebなどの分野で幅広く活躍している。また近年は、スチールだけではなく映像のカメラマンとしても活動を開始。

    糸井重里(いとい・しげさと)
    1948年群馬県生まれ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『さよならペンギン』(湯村輝彦との共著)『夢で会いましょう』(村上春樹との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)など多数。




    『恐竜たちがいるところ 詩はどこから来るの?』 谷川俊太郎×下田昌克 特別対談 PART1

    PHOTOGRAPHY: IKEDA MASANORI,TADA

    恐竜たちがいるところ
    詩はどこから来るの?

    対談 谷川俊太郎 + 下田昌克


     画家の下田昌克さんと詩人の谷川俊太郎さんが紡ぎ出した一冊、『恐竜がいた』が発売になりました。
    恐竜に大いなるロマンを感じキャンバス生地で恐竜をつくり続ける画家・下田昌克さん。「ぼくは下田くんの作る恐竜に興味がある」そう言い切る詩人・谷川俊太郎さんの詩に励まされ、下田さんは次から次へと恐竜制作に勤しんできました。そんなお二人の創作の秘話とは?


    PART1


    最初はことわられた

     連載のきっかけはモーリス・センダックの「かいじゅうたちがいるところ」だった。怪獣ならぬ、「恐竜たちのいるところ」。写真も人や風景だけではなく、オブジェとして恐竜の世界を受け止めることからページの構成がはじまった。


    下田 谷川さん、スイッチの連載「恐竜がいた」を最初は固辞されましたね。

    谷川 そうね、恐竜に合わせて書くのは「恐竜人間」で終わったと思ったんです。これ以上は退屈してしまって、書くのが難しいんです。

    下田 だから、谷川さんからリレー方式で次々に書き手が変わるという方法も提案された。ぼくが谷川さんだけというと、「夫婦ではないんだから」と谷川さんに言われました。「恐竜人間」の連載もだんだん回を重ねるごとに苦しくなって、いい形で終われたと正直思ったんです、と。

    谷川 下田さんが作った恐竜が面白いという事実がまず前提にありました。面白い発想、面白い素材、そのまま進んでいけばいいと思っているんです。にもかかわらずぼくの詩作への感情は違う。

    飽きるという感覚が年齢のせいか早くなっていることもあって、これ以上書き進めるのはどうも……。飽きると自分の詩の質が落ちているのが目に見えてくる。だんだんリズム重視になって想像力が広がらなくなっている。


     そこで谷川さんは考えた。一つだけアイデアが生まれた。
     恐竜以前、何もない世界で何ができるか、もしくは以後の世界、自分が恐竜を発掘するような感じならどうか、後者ならその行為を考えて四行から五行の詩ならできる。事が短いのがいい。自分が恐竜に出会う時。

     下田昌克恐竜制作、谷川俊太郎詩、写真は藤代冥砂による雑誌連載は一冊の写真集『恐竜人間』として昨年刊行、展覧会『大恐竜人間博』も大盛況だった。

     作って、撮って、書く。三人が生んだ恐竜たち。三人の恐竜への果てなき憧憬と好奇心にワクワクした。その後のスイッチの連載はライフワークとしてキャンバスで恐竜を作り続ける下田昌克さんの熱心な働きかけがあってこその企画だ。しかし詩というかたちで、いのちを授けた詩人・谷川俊太郎さんの参加がなくては実現は難しいと下田さんは思っていた。

    オトナもコドモもわくわくドキドキ。みんなの夢と憧れを乗せた一大恐竜スペクタクルの第二幕は沖縄を舞台にした写真ではなくオブジェとして撮影をして、その写真に手描きのイラストを乗せることで恐竜たちに息吹を与える。黒バックで恐竜を肖像写真のように撮る。そのアイデアは池田さん、たださんの“ゆかい”チームの発案だった。あたたかな家族写真を撮るように恐竜を撮る。




    持っていた恐竜

    谷川 ぼくが持っている恐竜、知っている?

    下田 なんで小出しにするかな?

    谷川 え、忘れてるんだよ。


     ある日、谷川さんは「どこで買ったのか、よく覚えていないけれど、たぶん中国かな」と言いながら、下田さんに恐竜の形のマグネットを見せた。掌サイズのシッポが割れた小さな木製のものだった。下田くんが「なぜこんなもの買ったの?」と問うと、「旅先で民芸品などの面白いものを買い求めるのが好きなんです」と、谷川さんは笑った。「どこかに止めておいたら落っこちて割れちゃった。粗悪品」


     マグネットの恐竜の顔を眺めるとなるほど目が悪い顔をしている。

    「ぼく、正直言うと恐竜には全く興味がないんです」

     谷川さんの爆弾発言で下田さんはのけぞるように椅子から転げ落ちた。けっして紋切り型の表現ではなく、下田さんはくずれ落ちた。

    「衝撃的な言葉です。頭真っ白になりました」

    「最初からそう言ってるよ」谷川さんはそのリアクションは不思議だといわんばかりに反論を加えた。

    「恐竜がいた」の連載は全二十回、二年近く。『恐竜人間』からは四年以上になる。

    「ですから、ぼくは恐竜ではなく下田さんの制作物に興味があるんだ」と谷川さんは言う。


    つづく



    『恐竜がいた』
    詩:谷川俊太郎 絵:下田昌克

    悠久の時間旅行へーー
    全20回にわたる雑誌『SWITCH』での連載が、待望の書籍化!

    本の詳細はこちら



    『恐竜がいた』展
    谷川俊太郎(詩人)+下田昌克(イラストレーター)
    池田晶紀(写真家)+ただ(写真家)


    SWITCHで全20回の連載をした、詩人・谷川俊太郎さんと画家・下田昌克さんによる「恐竜がいた」。この度、本連載の待望の書籍化を記念して、ほぼ日刊イトイ新聞さん運営のTOBICHI2にて「恐竜がいた」展を開催します。

    原画をはじめ、谷川さんの詩、下田さん作のキャンパス生地で作られた迫力ある恐竜たちを展示します。
    会期中にはゆかいプロデュースによる「なりきりパシャり!勝手に撮れる写真館」や、谷川さん・下田さん・糸井重里さんによるトークイベントも開催。 下田さんのアトリエスペースもご自身と共にTOBCHI2に出張してきます。

    会期中、TOBICHI2では新刊をはじめ、「SWITCH」バックナンバー、恐竜グッズなどの販売も行います。みなさまのご来場、お待ちしております。


    <会期>
    9月22日(木・祝)〜10月2日(日)
    11:00〜19:00
    入場無料


    【なりきりパシャり!勝手に撮れる写真館】
    produced by ゆかい
    会場には下田さん作品の恐竜を身につけて
    自由に写真を撮っていただけるコーナーを設けます。
    「ゆかい」のみなさんによるプロデュースで、撮影現場を再現。
    下田さんの直筆イラストも効果的にセッティングし、
    本から飛び出したようなショットが撮れるかも。
    ご自身のカメラや携帯でご自由に撮影いただけます。
    撮った写真はご自由にSNSなどにアップしていただけます。
    できれば黒いTシャツでのご来場がおすすめです。
    *じっさいに身につけていただける恐竜は会場内で指定があるものに限ります。


    【谷川俊太郎+下田昌克+糸井重里トークイベント】
    10月1日(土)18:00〜
    募集開始は9月中旬より、ほぼ日刊イトイ新聞にて。
    抽選で当選された方をご招待します。

    <会場>
    TOBICHI2
    東京都港区南青山4-28-26

    <問い合わせ先>
    tobichi@1101.com


    <プロフィール>
    谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)
    1931年東京都生まれ。52年詩集『二十億光年の孤独』でデビュー、作詞、絵本、翻訳、映画脚本と幅広いジャンルで活躍し、82年『日々の地図』で読売文学賞受賞、10年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞受賞他、受賞も多数。下田昌克とはアラスカで出会い、クリンギットインディアン、ボブ・サムの絵本をはじめ、いくつものコラボ作品を発表し続けている。

    下田昌克(しもだ・まさかつ)
    1967年兵庫県生まれ。イラストレーター、世界を旅行しながら出会った人々の肖像画を描き続け、日本に持ち帰った絵で週刊誌での連載を開始した。現在東京新聞、週刊文春と連載多数。おもな著作は『ヒマラヤの下 インドの上』『くじらの歌』など多数。

    池田晶紀(いけだ・まさのり)
    1978年神奈川県生まれ。写真家。株式会社ゆかい代表。雑誌、広告、CDジャケットなど幅広く活躍。さらに、水草プロレイアウター、シェアリングネイチャー指導員、かみふらの親善大使、FSC(フィンランドサウナクラブ)会員、サウナ・スパ健康アドバイザーなどの活動も行なっている。

    ただ
    1981年神奈川県横須賀市生まれ。写真家。2007年写真家・池田晶紀率いる「ゆかい」に所属。主にポートレイト写真から物撮りまで、書籍、雑誌、広告、CDジャケットWebなどの分野で幅広く活躍している。また近年は、スチールだけではなく映像のカメラマンとしても活動を開始。

    糸井重里(いとい・しげさと)
    1948年群馬県生まれ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『さよならペンギン』(湯村輝彦との共著)『夢で会いましょう』(村上春樹との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)など多数。




    SWITCH 特集:若木信吾 写真家の現在 発売記念イベントレポート


    SWITCH VOL.34 NO.9 特集:若木信吾 写真家の現在
    発売記念イベントレポート


    SWITCHは9月号で写真家・若木信吾さんを特集しました。今号の発売を記念して、若木さん、小島ケイタニーラブ(シンガー/ソングライター)、新井敏記(SWITCH編集長)のトークイベントを開催しました。
    イベントでは写真家として20年の節目を迎えた若木さんに、今号の見どころや写真表現についてお話いただきました。そのなかの一部をご紹介します。


    −−ポートレイトは普段どのように撮影されていますか。

    若木 その人がカメラを前にしたときどのような表情を見せるのか。その表情がそれぞれのキャラクターだと思っているので、僕は撮影するときにほとんど指示はしないんです。

    −−今号の『再会−−俳優の肖像』ではオダギリジョーさん、松田龍平さん、瑛太さんを撮影されていますが、そこでも指示は出されなかったのですか。


    若木 そうですね、ほとんど指示はしてなかったと思います。それぞれ事務所で顔を合わせてから一緒に外へ出て、ぶらぶらするうちになんとなく気に入った場所を見つけ、「ここで撮りましょう」という具合に撮影に入りました。

    普段は「どういう風に撮るんですか」とか、「どんなポーズをしますか」と被写体の方から質問をされることも多いんですが、彼らからはそんな問いかけもなく、すっと撮影を始められるんです。

    −−それは若木さんを信頼しているからですよね。

    若木 そうだと嬉しいですね。そして、僕が特に指示をしなくても、彼らは僕を少し驚かせたいなという気持ちで撮影に臨んでくれるんです。こういう撮影はとても面白いですね。



    −−少し驚かせたいとは?

    若木 きっと普段はあまりそんなことをしないんだけど、カメラを前にするとサービス精神が働いて、自然と動きが出るんじゃないかと思います。言葉にしなくてもその人の表現が滲み出てくるというか。また、そんな彼らがとてもかっこいいんですよね。





    −−先日100回の連載を経て完結した小泉今日子さんの『原宿百景』についてお聞かせください。

    若木 小泉さんが住んでいたこともある思い出の場所、原宿を舞台に約9年間にわたり小泉さんを撮影してきました。連載を始めたばかりのころは100回という数を想像できずにいましたが、終えてみるとこの9年間で原宿の建物や人の流れがどんどん変化したんだなとあらためて感じました。

    −−小泉さんはどのような方ですか。

    若木 とても自然体な方ですね。長くこの連載に携わりましたが、小泉さんはなにも変わっていないように思うんです。いつも変わらずカジュアルなトーンでありながら第一線で活躍し続けることは、なかなかできることではないと思います。



    −−今号で連載100回分の写真から12枚を選び掲載しています。これはどのように選ばれましたか。

    若木 シンプルに「僕が好きな小泉さん」という思いで選ばせていただきました。撮影する瞬間ってふたりだけじゃないですか。その一対一で向き合っているときに感覚的に「この瞬間好きだな」という顔があるんですよ。その感覚が特に強かった写真を選びました。

    今考えても、小泉さんは僕らが高校生の頃からアイドルで、しかも時代の先端を走り続けている存在でしたから、まさか自分がそんな方を撮れる日が来るとは思ってもいませんでしたね。

    (SWITCH)


    《 開催中 》



    企画展「若木信吾写真展~Come & Go~」

    デビュー20周年のタイミングで、若木のもつ多面体的魅力を展開する初の大規模な個展となります。これまで撮りためたポートレート作品から、日常の瞬間を切り取った人々の描写まで、幅広く若木信吾の写真世界を表現します。

    会期:2016年9月10日(土)〜10月7日(金)
    会場:浜松市美術館


    展覧会詳細はこちら

    * 関連イベント *
    スペシャルトーク&ライブ
    若木信吾(写真家)
    小島ケイタニーラブ(シンガー/ソングライター)
    新井敏記(SWITCH編集長)

    日時:9月17日(土曜日) 午後2時〜4時
    イベント詳細はこちら

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    《 
    谷島屋書店浜松本店イベント情報 》
    トーク&ライブ
    若木信吾 × 小島ケイタニーラブ


    写真家として 20 年の節目を迎えた若木と、フルアルバムをリリースした小島ケイタニーラブが、 学生時代に通い詰めた思い出の地・谷島屋書店にて、 それぞれの活動のこと、故郷のこと、そして未来について語りあいます。

    日時:9月18日(日曜日) 午後7時〜8時(予定)
    会場:谷島屋書店浜松本店
    イベントのお問い合わせ先▽
    谷島屋浜松本店 TEL:053-457-4165


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    SWITCH VOL.34 NO.9 特集:若木信吾 写真家の現在

    写真家若木信吾は旅をする。
    写真家として20年という記念すべき年、
    写真表現の可能性を改めて考える旅

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    10 days 行商日記 in New York #day 10


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    最終回 #10日目
    安西さんに連れて来てもらった場所。




    朝8時にUberでタクシーを呼んでニューアーク国際空港へ。結局、ニューヨーク滞在中にUberは使いこなせず、空港の往復に使用するのみだった。トランクはだいぶ軽くなっているはずが、行く先々でいろいろと本を買ってしまい、結局行きと変わらない重さ。オーバーバゲージは免れてほっとする。

    13年振りに訪れたニューヨークは、前回訪れた時よりもずっと身近に感じられた。それは『ON THE TABLE』を介してこの街の人と会話ができたからにほかならない。この8日間で出会った人の顔を思い浮かべると、感謝という言葉では到底追いつかない気持ちになる。ニューヨークに来てよかった。





    日記に書きそびれていたのだが、MoMAでマティスを観ることができたのもいい思い出になった。マティスは安西さんが好きだった画家。安西さんもきっとこの絵の前に立ったことがあるはずと思いながら眺めた。『手のひらのトークン』に出てくるルソーの《眠るジプシー》もいい絵だった。

    週刊NY生活の三浦さんからメールがあり、『ON THE TABLE』の記事はなんと一面だという!取り扱い書店の一覧も掲載されている。この本を取り扱おうと決めてくれた書店に反響があることを願う。




    最後に、これはMitsuさんから送られてきた、McNally Jackson Booksに並ぶ『ON THE TABLE』の写真。この青に誘われて、沢山の人が本を手にとってくれたらと思う。

    安西さんを追いかけてやってきたニューヨーク。この街の書店員さんが、安西さんの絵と出会う瞬間に立ち会えたことがなにより嬉しかった。誰もが安西さんの描くエンパイアステートビルやイエローキャブを愛おしそうに眺めてくれた。

    サンキュー、ニューヨーク! どうか追加注文が入りますように!


    END



    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント開催決定!

    『ON THE TABLE』刊行を記念して、トークイベントを開催します。
    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた雑誌『POPEYE』のアートディレクターとしても活躍中の前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。聞き手はニューヨークから帰国したBaci代表の内田有佳さんです。
    安西水丸さんの作品の魅力とは? なぜBaciが生まれたの? この新刊に込められた思いは?
    この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品について、内田さんのニューヨーク行商話も交えてじっくりと語っていただきます。みなさまのご参加お待ちしております。

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

    イベント詳細はこちら


    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

    インタビューはこちら

    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
    詳細はこちら


    10 days 行商日記 in New York #day9


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #9日目
    納品。そして、週刊NY生活編集部へ。




    書店営業、最終日。まずはDashwoodに納品に行った。対応してくれたのは女性スタッフのシャーロット。簡単な契約書を交わす。シャーロットは、昨日のデイビットと同じように隅々まで丁寧に本を見てくれた。
    “この青、いいわね!”と言ってくれた笑顔にほっとする。




    テキパキと働くシャーロット。さっそく納品分を店頭に並べるように準備してくれた。シャーロットの指示のもと作業してくれたのは、日本人スタッフの青年。名前は聞きそびれてしまった……。すごくシャイで、あまり話せなかったのが残念。

    持ってきた21冊は、4冊が書店へのサンプル、14冊が納品、1冊がお世話になった先輩編集Mさんへ、残り1冊はNY在住カメラマンGさんが個人的に購入してくれて、ほぼなくなった。




    Dashwoodで見かけたニューヨークアートブックフェアのチラシ。9月中旬からスタートするそうだ。そういえばデザイナーのウィルも参加すると言っていた。次はタイミングを合わせて来てみたい。




    続いて、RIZZOLIのブックストアへ。担当のMeganさんが出てきてくれる。昨日メールで、日本から持ってきた20冊がなくなってしまったこと、帰国後すぐに日本から発送することを伝えていたので、お礼だけを言いに伺った。

    写真を撮らせて!とお願いすると、この通り。RIZZOLI の新店舗には、店奥にトークショーなどができるロビーのようなスペースがある。ニューヨーク滞在中、以前の店を惜しむ声も聞いたけれど、新しいスペースも光が溢れるいい空間。ここに本が並ぶなんて……改めてミーガンさんに感謝を伝えて店を出た。




    最後に訪れたのは、タイムズスクエアの近くにある週刊NY生活編集部。ニューヨークに出発する前、安西さんの奥さまの岸田さんから、編集長の三浦さんをご紹介いただいたのだ。安西さんは2006年から8年間、週刊NY生活で連載「東京便り」を続けていた。




    編集長の三浦さんから、連載当時にやりとりをしていたFAXや、安西さんと初めてお会いした時にもらったというサインを見せてもらう。






    三浦さんは高校3年生の冬に『ガロ』に掲載された『青の時代』を読み、それ以来、安西さんのファンだったという。それから時が経ち、30年前にNYを訪れた安西さんと会う機会があり、連載に繋がったそうだ。

    残った1冊の『ON THE TABLE』を三浦さんにも見てもらった。週刊NY生活でも紹介してくださるという。取材を受け、私もこの連載のために何枚か写真を撮らせていただいた。

    最後に安西さんを知る三浦さんにお会いして、ニューヨークでの書店営業について話ができたのは本当によかった。なにか、三浦さんを通して、安西さんにその報告ができたような気がした。





    安西さんが好きだったエンパイアステートビルも今日が見納め。最後の夜はウィルがブルックリンの夜景を案内してくれた。

    明日は朝一でニューアーク国際空港だ。


    つづく。

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    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

    インタビューはこちら

    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    10 days 行商日記 in New York #day8


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #8日目
    再び、あの書店を訪ねる。




    昨晩、安西さんの『手のひらのトークン』を読み終わった。若き日の安西さんがニューヨークで感じた不安や葛藤。それらが率直に綴られたこの小説に、なぜか勇気づけられる日々だった。あとがきには、9割が真実の出来事だとあった。

    読み終わった本を鞄につめて、McNally Jackson Booksへ向かった。




    マクナリージャクソンでは、今日もたくさんの人が思い思いに過ごしていた。椅子に座って熱心に本を読む人、併設のカフェで勉強をする人……。ニューヨークは書店が減ったという話をいろいろなところで聞いたけれど、ここに来るとそんな空気は微塵も感じられない。平日でも本当に賑やかだ。

    担当のカーリーと初対面。もう一度検討してくれたことにお礼を言う。カーリーは安西さんの絵を以前どこかで見たことがあるという。造本も日本らしいミニマルな世界で気に入ってくれたそう。このくだりはMitsuさんが通訳してくれた。ただ、前回断ってしまったのは掛け率がネックになっていたとのこと。掛け率を相談し、3冊を納品した。そしてまたカーリーの写真を撮り忘れる……。




    最後にMitsuさんに安西さんの『手のひらのトークン』を渡した。この本をニューヨークに置いていきたいと思っていたので、Mitsuさんにもらってもらえてよかった。




    その後、MAST BOOKSを訪ねる。営業初日にサンプルを預けたまま、連絡をもらえてなかったのだ。半ば諦めつつ、店にいたMattという青年に尋ねると、オーナーから言付けがあるという。まずは1冊置いて、その動きをみて考えてみるとのこと。このサンプルをそのまま売るから預からせてほしいという。1冊でも置いてもらえることに感謝!Mattにお礼を言って、店をでた。

    MAST BOOKSもカウントすると、取り扱いは3店舗。出発前は1店舗でも見つかれば、と思っていたので万々歳ではある。が、残り1日半でもう少しできることがあるのでは?と思い、再びDashwood Booksに向かうことにした。




    二日続けてのDashwood。どうして訪れたのかというと、昨日は声をかけられなかった店主に、挨拶をしようと思ったのだ。今後、写真集を出版することもあるかもしれない。安西さんの本を純粋に見てもらいたいという思いもあった。

    “あなたにプレゼントしたい本がある”と切り出すと、店主のデイビットは快く応じてくれた。昨日と同じストライプのパンツを履いていたのもよかった。あぁ、昨日の君だね!と覚えていてくれた。

    『ON THE TABLE』を手渡すと、クロスや箔押し、印刷の調子まで舐めるように見てくれた。そして、あるページを指差して“この緑色を出すのは難しかっただろう?”と一言。その通りで驚いた。

    そしてデイビットは掛け率や納品数について次々に質問してくれた。驚きつつ答えると“それじゃあ、明日5冊持ってきてくれ”という。





    Dashwoodは写真集専門だと思っていたので、この展開には本当に驚いてしまった。持ってきた20冊はこれですべてなくなることになった。

    Dashwoodを出て、気持ちを落ち着けるためにコーヒーショップに入った。メールボックスを開くとRIZZOLIの担当者からメールが。本の取り扱いをしたいので、明日お店に来てほしいという。嬉しくて叫び出したい思いを堪えるのに必死だった。取扱店は一気に5店舗になった。


    つづく。

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    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

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    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    10 days 行商日記 in New York #day7


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #7日目
    日系書店のほうがハードルは高い!?




    二度寝、9時半起床。少し疲れが溜まっているのかもしれない。今日も地下鉄Lラインにのってマンハッタンへ。このルートもだいぶ慣れてきた。

    今日の吉報は、先輩ライターのMさんがRIZZOLIの担当者にアポイントを取ってくれたこと。Ms. Megan Hustonさん宛に本を届ければ検討してくれるという。実は、McNally Jackson Booksから届いた断りのメールにも、“RIZZOLIに持っていくことを薦めます”と書いてあったのだ。店を訪ねるとミーガンさん本人に直接、本を手渡すことができた。

    RIZZOLIは数年前にアップタウンにあった店を閉店。映画などに出てくるシャンデリアが美しい店内は以前のものだ。今回訪れたのは、去年、フロアをコンパクトにしてマディソン・スクエア・ガーデンの近くにオープンした新店舗。

    必死に英語で話していたため、RIZZOLIでの写真はなし……。ミーガンさんは穏やかな声で話すキャリアウーマンだった。




    その足でRIZZOLIから2ブロックほど上がった場所にあるブライアント・パークへ。今日の最大のミッションは、この公園の目の前にある紀伊國屋書店ニューヨーク店に行くこと。リノベーションをしたオフィスビルの、地下1階から地上2階までを占める大型書店だ。2階はマンガやアニメなどが充実した、ジャパニーズカルチャーのメッカとなっている。

    アポイントの前にブライアント・パークを歩く。ここは安西さんの小説『手のひらのトークン』にも登場する公園。安西さんが働いていたのは、ブライアント・パーク・ビルディングにあったデザインスタジオ。ビルは6th AVEと42Streetが交わる交差点にあったと書いてある。どうやら紀伊國屋書店が入っているビル群一体が、以前のブライアント・パーク・ビルディングのようだ。




    ブライアント・パークはオフィス街の憩いの場。のんびり読書をしたり、食事をする人の姿があった。





    公園の隣にはニューヨーク公立図書館。安西さんはよくこの階段で昼食を食べていたそうだ。私も階段に座って休憩。40年前はここからどんな風景が見えていたのだろう。






    紀伊国屋書店では店長の高野さんにご挨拶。店内は想像していたより外国人が多い。ニューヨークに暮らす日本人のための書店と思っていたのだが、洋書ももちろん置いてあるし、日本の雑誌は海外でも人気が高いそうだ。





    『ON THE TABLE』の取り扱いは、結果から言うと難しいとのこと。ニューヨーク店とはいえ、ここは日本の大型書店。取次を通す必要があるという。取引の手間や送料の面からしても、もっともな話だ。高野さんは4200円の本を海外で売ると、大体65$程度になるのでは? とも話してくださった。

    安西さん縁の地ということもあって、本を置いていただきたかったが、仕方がない。日系の書店さんだから……と甘く考えていたことを反省。





    それから数日前に行って定休日だったBook/Shop NYC店Dashwood Booksへ。Book/Shop NYCは、実際に行ってみるとアパレルショップの一角にあるポップアップストアだった。本の量は少ないけれど、実物を見てみたかったシェルフやブックスタンドがあって満足。ただ、Book/Shopのスタッフは基本的に店にはいないという。




    というわけで、この店のオーナーに本を預けることに。9月の半ばにオークランドにある本店からスタッフがやってくるので渡してくれるという。ありがたい。



    そこから徒歩3分の距離にあるDashwood Booksは写真集専門の有名店。今回の行商リストには入れていないが、一度は来てみたかった書店だ。半地下にあり、ガラス張りで店の中が伺える。カウンターには雑誌などで見かけたことのある店主の姿が。深呼吸して扉を開ける。そこからはめくるめく時間。本棚は隅々まで気が行き届いていて、とても気持ちのよい店だった。1時間ほど滞在して写真集を一冊購入。店主が、履いていたストライプのパンツを褒めてくれた。




    夕方、Wifiをキャッチしてメールを確認すると、マクナリージャクソンのMitsuさんからメッセージが。なんと、バイヤーのカーリーが取り扱いをOKしてくれたという! 今日はもう店を出てしまうので、明日の夕方までに本を持ってきてほしいとのこと。

    感謝の気持ちと興奮をどうにかメールにまとめて、送信。その後は気持ちが落ち着くまで、何も考えずに街を歩いた。今でもこの時のメールを読み返すと言葉にならない。

    ニューヨーク滞在も残すところあと2日だ。


    つづく。

    ◁◁ #day 6 へ   ・    #day 8 へ ▷▷



    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

    インタビューはこちら

    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    10 days 行商日記 in New York #day6


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
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    #6日目
    Mr.Mitsuとの出会い。




    昨日の夜、Printed Matterから取り扱いOKのメールが来ていた。
    まずは5冊から始めたいということと、掛け率など諸条件が書かれていた。とにかく嬉しい。ニューヨーク取り扱い一号店が決まったのだ! 5冊を梱包して、朝一でチェルシーへ向かった。





    Printed Matterでは契約書にサインをして、あっという間に納品完了。契約書といっても内容は最低限で、掛け率や、送料をどちらがもつか、最初に何冊納品したかを記入するだけ。持ち込みをした時も思ったけれど、Printed Matterはどのステップもとてもスムーズ。受け入れ体制が整っているので話も早い。受付の彼女にお礼を言って、一昨日訪ねた192BOOKSへ再び行くことに。




    今度はアート系のバイヤーに会うことができた。気さくな彼は、本を見ながら“すごくいいね!”と言う。ならば……と期待するも、ディストリビューターがいないと取り扱いは難しいとのこと。気を落とす私に、親切にアメリカの代表的なディストリビューターの名前を教えてくれた。〈D.A.P.〉というそうだ。これについては日本に帰ってから調べてみようと思う。

    そうこうしているうちに、先輩ライターのMさんからLINEが届いた。McNally Jackson Booksの担当者から連絡があったが、今回は取り扱いが厳しいという。サンプルをカウンターに置いておくから、ピックアップしてとのこと。追い打ちをかける悲しい知らせ。自分でプレゼンせずに、本を預けてきたことを後悔する。直接話していれば何か変わったかも……と思いつつ、店へ向かった。





    マクナリージャクソン到着。カウンター裏に置いてあった本を受け取る。担当バイヤーのカーリーにはこの日も会えなかった。せめて……と、日本人スタッフのMitsuさんを呼び出してもらうことにした。




    Mitsuさんは代官山蔦屋書店の三條さんに紹介してもらった方で、もちろんお会いしたことはない。昨日はMitsuさんも退社後で、挨拶しそびれていたのだ。バックヤードから出てきてくれたMitsuさんは安西さんの本をじっくり見てくれた。そして「もう一度僕から話してみます!」と言う。Mitsuさんはもともと六本木ヒルズのTSUTATAで働いていて、去年ニューヨークへ来たばかりだそう。Mitsuさんの提案に何度もお礼を言って、本を預けて店を出た。





    書店営業を初めてまだ3日目。まさかこんな出会いがあるとは思ってもみなかった。簡単に諦めてはいけないのだな、と思う。夕暮れのビル街を歩きながら、じわじわと感動が押し寄せてきた。


    つづく。

    ◁◁ #day 5 へ   ・    #day 7 へ ▷▷



    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

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    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    高橋愛 with CHAMPION/LEVI'S® 2016 A/W


     1919年創業のチャンピオン。1853年創業のリーバイス®。ともに長い歴史を誇り、時代を越えて、世界中で愛されてきたブランドだ。
     「チャンピオンのパーカに、リーバイス®のデニム。間違いない! という感じの鉄板コーデですね」
     そう語るのは女優・モデルの高橋愛。ともに大好きなブランドであり、普段からコーディネートにもよく取り入れている、という。
     『SWITCH』VOL.34 NO.10では、そのチャンピオンとリーバイス®の新作アイテムをまとい、高橋愛がファッション・シューティングに登場。さらにメンズのコーディネートにも挑戦し、この秋のファッションを提案している。 下記特設サイトでは、その誌面掲載カット+αを期間限定で公開中!

    高橋愛 with CHAMPION/LEVI'S®
    特設サイト http://www.switch-aitakahashi-for-champion.com

    *高橋愛のインタビューは、『SWITCH』VOL.34 NO.10 本誌にてお楽しみください。

    PHOTOGRAPHY: ISOBE AKIKO
    STYLING: OYAMADA KOJI
    HAIR & MAKE-UP: TOYODA YOUSUKE
    MEN'S MODEL: PATRICIO

     

    10 days 行商日記 in New York #day5


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #5日目
    ブルックリンの書店を巡る。




    8時起床。晴天。湿気もなく、過ごしやすい。今日はブルックリンの書店をいくつか巡ることにした。最初に訪れたのはGreenLight Bookstore。オリジナルグッズの可愛さでも知られる有名店だ。






    クリーンな店内。ガラス窓から外光が入って気持ちがいい。窓際にはニューヨーク関連本のコーナー。インデペンデント系の本を集めたコーナーもあった。内容は主に詩や小説。入って正面のいい位置にコーナーが作ってあった。




    これはオリジナルグッズコーナー。犬のイラストのTシャツをお土産に買った。結局、本を選んでいたわけではないのに1時間近く滞在してしまった。でも、安西さんの本が置いてもらえそうなコーナーは残念がながら見つからなかった。ブルックリンでこの本を売るのは少しハードルが高いのかもしれないと思い始める。




    続いて、バスと徒歩で20分程の距離にあるBOOKCOURTへ。メインストリート沿いにあって、誰でもウェルカムな雰囲気。ベンチには真剣に電話をかけるおじさまとおばさまの姿。おばさまの大声に圧倒されつつ入店。





    中は外観から想像する以上に奥まっていて、広い。絵本コーナーが充実。その他は、小説、料理本、雑誌、ビジネス書などバランスよくコーナーがある感じ。





    書店員さんのおすすめコーナー。ここもストランドと一緒で写真付き。英語ができたら店員さんに話しかけて、店の成り立ちなど聞くのに…と自分の英語力が恨めしい。

    いい店だけれど、ここも安西さんの本を置いてもらえそうなコーナーはなかった。




    最後はBOOKCOURTから57番のバスでアクセスできる、POWERHOUSE ARENA。1995年創業の出版社powerHouse Booksが運営する書店で、ブルックリン橋を間近に眺められるDUMBOというエリアにあり、観光客も多かった。ポストカードなど洒落た文房具や雑貨も充実。






    置いてあるのはアートブックが主だけれど、デヴィッド・ボウイやバンクシーなどメジャーなアーティストの本や、料理本、インテリアのスタイルブックなど分かりやすい本が多い。いきなりここに置いてもらっても売れるのか……。日本の書店のようにポップもないし……。なにかしっくりこないものがあり、POWERHOUSE ARENAでも営業はせずに店を出た。

    他にもSpoonbill & SugartownMellow Pages Libraryにも行きたかったのだけど時間切れ。バスを乗り間違えたのが痛かったなぁ。

    夕方は電車でマンハッタンへ渡り、先輩ライターMさんと一緒にMさんがアポイントを取ってくれたMcNally Jackson Booksへ向かう。が、到着が少し遅れてしまい、担当のカーリ・ダシエルさんは既に帰宅……。遅れてしまったのが悪いのだけど、1、2分のことだったので落ち込む。仕方ない! と本とリリースをレジに預け、翌日出直すことに。




    一日終わってみて、これが営業と呼べるのか不安が募る。ただ、ニューヨークの書店ならどこでもいいという訳ではないので、やはり一度行ってみて、相性がいいと思った店にだけ声をかけたい。明日はマンハッタンの書店をもう一度巡ってみよう。


    つづく。

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    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

    インタビューはこちら

    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
    詳細はこちら


    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

    イベント詳細はこちら


    10 days 行商日記 in New York #day4


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #4日目
    営業初日、ずんずん歩く。




    いよいよ今日から書店営業スタート。そこに早速、強力助っ人が現れる。ニューヨーク在住の編集者Oさんが一緒に書店を回ってくれるというのだ。目的のためなら手段は厭わない! ということで素直についてきてもらうことに。Oさんは「安西さんをイメージして」とレモン柄のバッグで来てくれた。




    トライベッカのレストランでOさんとランチミーティング。その後、歩いてハイラインへ。営業1軒目の192BOOKSへ向かう。





    192BOOKSには事前に日本からメールを送っていた。が、返信はなし。実際に来てみると、いい意味でラフな空気がある、居心地のいい店だった。アートやデザイン関係の本や写真集も多い。よし!と決意して、店主らしき男性に話しかけてみることに。“Do you have a moment?”と私。Oさんも助け舟を出してくれて、本とリリースを手渡すが、どうやらこの日はアート担当のバイヤーがいないとのこと。残念……。




    担当者の名前を書いたショップカードをもらって出直すことに。ここで気づいたのだが、英語で営業をしているときに写真撮影をする余裕はないし、営業前に店内をパチパチ撮影する気にもなれない。話し終わったら“thank you. I will come back!”といって笑顔で店を出るのがスマート。行商レポートって実はかなりハードルが高いのかもしれない……。





    続いて徒歩10分の距離にあるPrinted Matterへ。今回の行商リストの大本命だ。チェルシーのギャラリー街にある、ZINEや小規模出版の印刷物をメインに扱うスペースで、母体はNPO。ホームページには持ち込みのための申し込み用紙も整っていて、ウェルカムな雰囲気。記入してきた申込用紙を渡すとスムーズに話が始まった。




    写真の彼女はなんと安西さんのことを知っていた! 本を一冊持っているという。タイトルは忘れてしまったみたいだけど、好反応でほっとする。「4人のディレクター全員が本を見て、それから取り扱いを決めるの。だからこの本を預からせて」とのこと。造本や印刷もしっかり見てくれて嬉しい。写真をお願いすると照れながらOKしてくれた。

    実は192BOOKSからPrinted Matterに移動中、Oさんから貴重なアドバイスがあった。「ニューヨークの人は片言の英語でもちゃんと聞いてくれる。そうゆう歴史の下地がある街なんだよね」と。192BOOKSでは片言の自分が話すよりOさんに話してもらったほうが店主の人も煩わしくないのだろうと思い、発言をためらってしまう場面があったけれど、そんなことはないんだと思い直す。Printed Matterではたどたどしい英語ながら自分で話すことができてよかった(もちろん、聞き取れないところはOさんに通訳してもらったのだけど)。

    この後、Oさんの友達でニューヨーカーの青年ウィルと合流。デザイナーでもあるウィルは、安西さんの本をすごく気に入ってくれる。そして英語のリリースを確認してくれるという。渡すとこの通り……。ウィル、ありがとう!





    この日はBook/Shop NYCDashwood Booksに行くも定休日。明日、アポイントを取っているMcNally Jackson Booksも下見する。 夕方にOさんとウィルと別れ、夜はひとりでMast Booksへ。サンプルとリリースを預けて検討してもらうことに。

    営業初日はよく歩いた一日だった。近所のスーパーマーケットでヨーグルトを買って帰るも、家に着くとすぐ寝てしまった。


    つづく。

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    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

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    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    10 days 行商日記 in New York #day3


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #3日目
    大型書店を視察。

    時差ボケで6時に目覚めてしまった。ブルックリンからマンハッタンへ、地下鉄Lラインで移動。今日は週末でお店も忙しいだろうということで、書店営業はやめて、売り込みリストに入れていない大型書店をリサーチすることに。





    最初に訪れたのはMoMAのブックストア。ミュージアムショップに併設された1階のブックコーナーと、本だけを扱う2階のブックストアとがあり、物量はさすが。日本の美術館にあるブックコーナーの何倍もの量があった。ほしい画集が決まっているなら、効率よく探せそう。ここはさらっと見学するにとどめて、次の書店へ。





    続いてRizzoliのブックストアへ。ニューヨークの大手出版社というだけあって、店内はクラシックで貫禄あり。日本の出版社の本もちらほら。平野太呂さんの『POOL』(リトルモア刊)は中央の平台に置かれていた。でも、全体の印象としては日本の本は少なめ。もっとあるかと思っていた けれど……。




    海外への本の流通については知識がゼロなので、そこから勉強し直す必要があると再認識。そのままダウンタウン方面に下って、次は一度行ってみたかったSTRAND BOOKSTOREへ向かった。





    STRAND BOOKSTOREといえば、この1ドルワゴン! 雑誌やウェブでこの様子を見過ぎていて、STRAND BOOKSTORE=カジュアルな街の大型書店というイメージが出来上がってしまっていたが、来てみてこのお店がどうして注目されるのか、よく分かった気がする。とにかく密度と熱量がすごいのだ。




    例えば2階のアートフロアの写真集コーナーはこんな感じ。こんな棚が1ジャンルにつき数ライン続いている。ABC順で検索性もよし。あぁ、時間が足りない……。





    美術書コーナーに行くと、店内にも5$ワゴン。展覧会の図録やギャラリーのカタログがどっさり。レコードを掘る感覚で、端からすべてチェックしている人の姿も。いいなぁ。




    さり気なく飾られていた、歴代スペシャルゲストの写真。

    ニューヨークに住む友人曰く、STRAND BOOKSTOREのスタッフはとてつもなく本に詳しいそう。確かに店内の至るところで、お客さんが店員さんに話しかけて、本探しを手伝ってもらっていた。
    この後、BOOKMARCのニューヨーク店に立ち寄るも、既に閉店。窓越しに見た感じでは、表参道店とラインナップはほぼ同じよう。そのままハドソン川まで歩いて、この日は終了。いよいよ明日から書店営業……と思うと、改めて自分の英語が不安になってきた。


    つづく。

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    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

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    《プロフィール》
    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    インタビュー (後編) 「没後20年 特別展 星野道夫の旅」に寄せて 写真家・石塚元太良さん

    「没後20年 特別展 星野道夫の旅」に寄せて

    写真家・石塚元太良さん

    (後編)


    8月24日から松屋銀座を皮切りに全国4箇所を巡回する「没後20年 特別展 星野道夫の旅」がスタートし、連日多くの来場者で賑わっている。
    この展覧会の写真監修のお手伝いをされた写真家の石塚元太良さんに、展覧会の経緯や見どころ、そして星野道夫さんへの思いを訊いた。


    −−連続した組写真の展示もありましたね。

    組写真の展示は、星野さんの被写体に対する姿勢みたいなものを感じてほしいという意図で作りました。星野さんは決定的な一枚を撮るために、とにかくしつこいくらい同じ被写体を撮影していました。

    例えば鯨のジャンプを撮影するとき、デジタルカメラであればその場で撮影内容を確認できるため、いい写真が撮れたら撮影を終えると思うんですが、フィルムカメラだとそれができない。いいショットが撮れたと思っても、それでもなお確信が持てるまでしつこく撮り続けていたんじゃないかと思います。その職業意識、徹底的なこだわりをこの組写真で知ってもらえればと思います。
    星野さんの代表作を展示している「マスターピース」のセクションが1枚1枚を見せる空間だとしたら、ここは撮影にかけた時間の広がりを感じてもらえる空間だと思います。




    −−実際に現物のポジフィルムを見られる展示もありますね。

    はい。今回僕は展示用の写真をセレクトするために、7万点以上におよぶ星野さんのポジフィルムをほぼ全て拝見しました。それは来る日も来る日もライトテーブルでポジフィルムを覗き込み、1点1点くまなく見つめていく作業でした。

    そのフィルムを見る過程で、星野さんはとても光の扱いに繊細な方だったんだなと気づきました。デジタルカメラと違ってフィルムカメラは撮り直しがきかないこともあり、光を捉えることが非常に難しいんです。デジタルのように後で少し修正しようということができない。おそらく星野さんは絶妙な瞬間の光を捉えるために、長い時間をかけて光を待ちながら撮影していた。それは僕にとっては新しく発見した星野道夫像でした。

    このような行為が展覧会場でも実現できないものかと思い、実際のポジフィルムより少し大きくはしましたが、覗き込むように写真を見ることのできる体験を展示のなかで再現したんです。








    −−「Coyote」最新号に寄せていただいたエッセイにある、星野さんのシーカヤックも展示されています。

    「星野道夫の部屋」のセクションで星野さんの愛用品を展示することになり、アラスカで保管されている星野さんのカヤックを星野さんのセルフポートレートと一緒に並べたいと考えました。数ある星野さんの愛用品のなかでも、アラスカ先住民族のアイデンティティでもあるシンボリックなシーカヤックをこの空間で展示したいと思いました。
    シーカヤックの展示許可は出ましたが、30kg以上もあるそれをアラスカからどうやって運ぶのかという問題が持ち上がり、それなら僕が持ち帰りたいと志願し、アラスカへ行くことになりました。

    そして恐れ多くも星野さんのシーカヤックを使って、アラスカの海で少し旅に出かけました。大切な遺品とはいえ、シーカヤックは使用されていないと劣化し、道具としての機能を果たさなくなってしまいますから。そして、アラスカの海で使用するということに星野さんもシーカヤックも喜んでくれるかなと思ったんです。




    −−実物を見て本当に美しいカヤックですよね。

    本当に美しいですよね。そしてこのシーカヤックには男心をくすぐる機能が満載で、とにかく感動しました。星野さんも、憧れていたこのドイツ製のシーカヤックを購入した時はすごく興奮してウキウキしていたと直子さんが教えてくれました。


    −−星野さんは没後20年経った今も幅広い層に愛されていますよね。

    そうですよね。没後20年を経てもこんなに大きな回顧展ができる写真家は、他になかなかいないような気がします。「悠久から続く人間と自然の営み」というシリアスなテーマであっても、星野さん、そして星野さんの撮られた写真はユーモアやチャーミングさで人の心にすっと入っていける。このことが、たくさんの人から愛される理由なのかなと思います。


    −−最後に展覧会にご来場いただく方へメッセージをお願いします。

    この展覧会は星野さんの作品をただ並べただけの展覧会ではなく、ひとりの写真家の人生を丸ごと展示したものだと思っています。見る人によって受け取り方は様々だと思いますが、印象的な言葉や写真など、心を揺さぶられるものを少しでも持ち帰っていただけたら嬉しいなと思っています。





    前編にもどる


    ※各会場によって展示内容が変わる場合があります。

    《プロフィール》
    石塚元太良
    1977年生まれ、写真家。 写真集『Pipeline Alaska』で東川写真新人作家賞受賞。最近の共著に『アラスカへ行きたい』(新潮社)など。「没後20年 特別展 星野道夫の旅」では写真監修に参加。2017年1月には〈Gallery 916〉で個展を開催予定。
    http://nomephoto.net


    没後20年 特別展 星野道夫の旅

    2016年8月で没後20年を迎えるのを機に、星野道夫の「写真家」としての取り組み、 新しい挑戦、葛藤、心の内面を伝える展覧会を開催。

    松屋銀座:2016年8月24日(水)〜9月5日(月)
    大阪高島屋:2016年9月15日(木)〜9月26日(月)
    京都高島屋:2016年9月28日(水)〜10月10日(月)
    横浜高島屋:2016年10月19日(木)〜10月30日(月)

    展覧会詳細はこちら



    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


    Coyote No.59 特集:星野道夫の遥かなる旅

    北の地に魅せられた星野道夫。
    そこには悠久の自然と、その土地に生きる人々がいた。
    彼らには厳しい自然と寄り添って生きるための、
    智慧としての物語が数多く伝承されている。
    星野道夫が亡くなって20年、
    北の地の自然と神話の世界に分け入った彼の旅の軌跡を辿る。

    本の詳細はこちら


    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


    インタビュー(前編) 「没後20年 特別展 星野道夫の旅」に寄せて 写真家・石塚元太良さん


    「没後20年 特別展 星野道夫の旅」に寄せて

    写真家・石塚元太良さん

    (前編)


    8月24日から松屋銀座を皮切りに全国4箇所を巡回する「没後20年 特別展 星野道夫の旅」がスタートし、連日多くの来場者で賑わっている。
    この展覧会の写真監修のお手伝いをされた写真家の石塚元太良さんに、展覧会の経緯や見どころ、そして星野道夫さんへの思いを訊いた。


    −−この展示の写真選定を監修された経緯を教えてください。

    今回の展覧会の制作に携わる、編集者の松家仁之さんと星野直子さんから声をかけていただいたのがきっかけでした。星野道夫さんと僕の写真活動はアラスカというフィールドこそ同じですが、撮影対象やテーマはかなり異なります。そのため、星野さんの写真を相対的に見ることができるのではないかと思い、今回、展示の写真監修をさせていただくことになりました。

    当初、僕は星野さんが「日本を代表する動物写真家」としてだけではなく、芸術面でも世界的な評価を受ける写真家のアンセル・アダムスやエリオット・ポーターにも比肩する「自然写真家」として捉えてもらうことができないかと考えていました。

    そのため、今回僕の目指した方向性は、たとえ動物写真としては逆光で表情がよく見えない写真であっても、芸術性の高い写真を中心に据えた展覧会というものでした。つまり、写真1枚1枚が単独の芸術写真として成り立つものを第一に考えていたんです。

    しかしこの方向のみで進めてしまうと展覧会の写真のセレクトが偏ってしまうと思い、松家さんや星野さんの奥さまの星野直子さんといった方々と幾度となく意見のすり合せを行いました。そうやっていろいろな話を聞くにつれ、星野さんの写真は見る人によって感じ方が大きく異なり、それが作品の深さや間口の広さに繋がっているのだと思うようになりました。その過程を経て、展示構成のバランスを取りながら写真のセレクトを進めていきました。




    −−展覧会の章立てはどう決めていったのですか?

    「イントロダクション」「マスターピース」「神話の世界」「星野道夫の部屋」の4つのセクションは比較的スムーズに決まりましたが、中盤の「生命と人の繋がり」については、どの写真をどう組み合わせて表現すればいいのか、非常に難航しました。

    試行錯誤するなか、ある打ち合わせで「このセクションは作品をぐるりと見渡せる円筒空間にしてはどうか」という案が出ました。それによって、それまでバラバラだった写真と空間の構成が噛み合い、一気にこのセクションが動き始めました。展覧会のプランニングを振り返るとき、ここが大きなターニングポイントだったと思います。







    後半へつづく

    ※各会場によって展示内容が変わる場合があります。

    《プロフィール》
    石塚元太良
    1977年生まれ、写真家。 写真集『Pipeline Alaska』で東川写真新人作家賞受賞。最近の共著に『アラスカへ行きたい』(新潮社)など。「没後20年 特別展 星野道夫の旅」では写真監修に参加。2017年1月には〈Gallery 916〉で個展を開催予定。
    http://nomephoto.net


    没後20年 特別展 星野道夫の旅

    2016年8月で没後20年を迎えるのを機に、星野道夫の「写真家」としての取り組み、 新しい挑戦、葛藤、心の内面を伝える展覧会を開催。

    松屋銀座:2016年8月24日(水)〜9月5日(月)
    大阪高島屋:2016年9月15日(木)〜9月26日(月)
    京都高島屋:2016年9月28日(水)〜10月10日(月)
    横浜高島屋:2016年10月19日(木)〜10月30日(月)

    展覧会詳細はこちら



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    Coyote No.59 特集:星野道夫の遥かなる旅

    北の地に魅せられた星野道夫。
    そこには悠久の自然と、その土地に生きる人々がいた。
    彼らには厳しい自然と寄り添って生きるための、
    智慧としての物語が数多く伝承されている。
    星野道夫が亡くなって20年、
    北の地の自然と神話の世界に分け入った彼の旅の軌跡を辿る。

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    10 days 行商日記 in New York #day2


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #2日目
    初めてのブルックリン。




    ニューアーク・リバティ国際空港、到着。現地時間は夕方5時。まだ日が高い。機内では一睡もできなかった。おかげで『手のひらのトークン』を読み進めることができたけれど半分のところでお預け。残りはニューヨークで読むことにした。

    ニューアーク空港から宿をとったブルックリンへは、マンハッタンを横切って行くことになる。空港からはUberを使ってタクシーを呼んでみることに。日本ではまだ使っている人をあまりみないけれど、ニューヨークではUberがないと不便なんだそう。で、使ってみるとすごく簡単。本当に迎えが来て、なんだか感動する。





    トルコ人のタクシーのおじさんはお喋り好きで、気づけば遠景だったマンハッタンを通り過ぎ、ブルックリンはもう目の前に。雑誌や本でブルックリン特集を見かけるけれど、私の中では映画『SMOKE』の印象が一番強い。今のブルックリンに、あんなタバコ屋は残っているのだろうか。





    今回の宿はAirbnbで選んだ。Uberといい、Airbnbといい、初めてニューヨークに来た2002年には想像もできなかったこと。家主はカナダ人とニューヨーカーの気さくなカップル。部屋には人懐っこいこんな子もいた。




    『ON THE TABLE』20冊をクローゼットの引き出しにしまう。損傷がなくてほっとする。

    ベッドルームは大通りに面していて、隣の店から爆音のクラブミュージックが流れ込んでくる。時折、ブルルルルーンと豪快なバイク音。ここがブルックリンだということは部屋にいても感じられそうだ。書店巡りは明日から。とにかく今日は寝ます。


    つづく。

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    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

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    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    《関連イベント》
    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
    Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    10 days 行商日記 in New York #day1


    10 days 行商日記 in New York

    今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
    Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
    届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

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    #出発前日
    安西さんが暮らしたNYへ。




    安西水丸さんの作品集『ON THE TABLE』をニューヨークの書店に売り込みに行くことにした。この連載はおよそ1週間の滞在を記録する行商日記だ。

    なぜニューヨークなのか? 安西さんのファンの方には説明する必要もないと思うが、安西さんは20代後半に、2年間マンハッタンに住んでいた。勤めていた日本の広告代理店を辞めてニューヨークへ渡り、現地で見つけたデザインスタジオで働いていたのだ。イラストレーター“安西水丸”が誕生するずっと前のことである。なので『ON THE TABLE』を制作しながら、この本がニューヨークの書店に並んでいたら……とぼんやり思い描くようになったのだ。

    ちなみに、安西さんの小説『手のひらのトークン』(新潮社刊)には、ニューヨーク暮らしの様子が綴られている。どこまでが事実か曖昧なトーンなのだが、全編に漂う孤独感は、安西さんが本当に感じたことなのだろう。




    さて、行くと決まったら下準備が必要だ。英語版のリリースを作って、10軒ほどの書店にメールでアポイントメントを取ることにした。ちなみに、私の英語は中学1年レベルなので、作品集で翻訳をお願いした知人と、Google翻訳に頼りっぱなしだった。

    メールの返事が来たのはそのうち2軒。1軒は「Printed Matter」といって、ZINEや自費出版の本を取り扱っている書店だ。ホームページには「SUBMIT YOUR BOOK」という売り込み方法をまとめたページもある。メールを送ると「ここをみて」という短いメッセージとともに、このページのリンクが送られてきた……。なるほど、この通りに書類を持ってきてね、ということか。事前のアポイントメントは受け付けていないようだ。

    もう一軒は紀伊國屋書店ニューヨーク本店。担当者さんから丁寧なお返事をいただいた。もちろん、やりとりは日本語だ。日時を相談して、こちらは無事にアポイント完了。
    さらにNYに住む先輩ライターさんが「McNally Jackson」を紹介してくださるという! マクナリージャクソンはノーホーにあるおしゃれなブックショップで、いくつかの店舗も持つ人気店。詳しくは訪れた回で話すとして、このアポイントを取っていただけたことは本当にラッキーだった。




    そんなことをしているうちに、日付はもう出発前日だ。スーツケースには20冊の『ON THE TABLE』と、現地の書店員さんに見せるために村上春樹の『夜のくもざる』(平凡社刊)も持っていくことにした。




    トランクは完全に重量オーバー……! このトランクが帰りは軽くなっていることを願いながら、機内食に全く期待できない、ユナイテッド航空の飛行機に乗り込んだ。

    つづく。

    #day2へ ▷▷

    《 INTERVIEW 》
    -- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
    Baci 内田有佳さん

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    内田有佳  うちだ・ゆか
    1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
    http://bacibooks.com/




    安西水丸
    『ON THE TABLE』
    2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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    『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

    <出演>
    前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
    山杉夫(イラストレーター)
    内田有佳(編集者・Baci代表)

    ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

    <日程>
    2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
    <会場>
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    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

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    「恐竜がいた」展 谷川俊太郎+下田昌克+池田晶紀+ただ

    『恐竜がいた』展
    谷川俊太郎(詩人)+下田昌克(イラストレーター)
    池田晶紀(写真家)+ただ(写真家)


    SWITCHで全20回の連載をした、詩人・谷川俊太郎さんと画家・下田昌克さんによる「恐竜がいた」。この度、本連載の待望の書籍化を記念して、ほぼ日刊イトイ新聞さん運営のTOBICHI2にて「恐竜がいた」展を開催します。

    原画をはじめ、谷川さんの詩、下田さん作のキャンパス生地で作られた迫力ある恐竜たちを展示します。
    会期中にはゆかいプロデュースによる「なりきりパシャり!勝手に撮れる写真館」や、谷川さん・下田さん・糸井重里さんによるトークイベントも開催。 また、下田さんのアトリエスペースもご自身と共にTOBCHI2に出張してきます。

    会期中、TOBICHI2では新刊をはじめ、「SWITCH」バックナンバー、恐竜グッズなどの販売も行います。みなさまのご来場、お待ちしております。


    <会期>
    9月22日(木・祝)〜10月2日(日)
    11:00〜19:00
    入場無料


    【なりきりパシャり!勝手に撮れる写真館】
    produced by ゆかい
    会場には下田さん作品の恐竜を身につけて
    自由に写真を撮っていただけるコーナーを設けます。
    「ゆかい」のみなさんによるプロデュースで、撮影現場を再現。
    下田さんの直筆イラストも効果的にセッティングし、
    本から飛び出したようなショットが撮れるかも。
    ご自身のカメラや携帯でご自由に撮影いただけます。
    撮った写真はご自由にSNSなどにアップしていただけます。
    できれば黒いTシャツでのご来場がおすすめです。
    *じっさいに身につけていただける恐竜は会場内で指定があるものに限ります。


    【谷川俊太郎+下田昌克+糸井重里トークイベント】
    10月1日(土)18:00〜
    募集開始は9月中旬より、ほぼ日刊イトイ新聞にて。
    抽選で当選された方をご招待します。

    <会場>
    TOBICHI2
    東京都港区南青山4-28-26

    <問い合わせ先>
    tobichi@1101.com

    <プロフィール>
    谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)
    1931年東京都生まれ。52年詩集『二十億光年の孤独』でデビュー、作詞、絵本、翻訳、映画脚本と幅広いジャンルで活躍し、82年『日々の地図』で読売文学賞受賞、10年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞受賞他、受賞も多数。下田昌克とはアラスカで出会い、クリンギットインディアン、ボブ・サムの絵本をはじめ、いくつものコラボ作品を発表し続けている。

    下田昌克(しもだ・まさかつ)
    1967年兵庫県生まれ。イラストレーター、世界を旅行しながら出会った人々の肖像画を描き続け、日本に持ち帰った絵で週刊誌での連載を開始した。現在東京新聞、週刊文春と連載多数。おもな著作は『ヒマラヤの下 インドの上』『くじらの歌』など多数。

    池田晶紀(いけだ・まさのり)
    1978年神奈川県生まれ。写真家。株式会社ゆかい代表。雑誌、広告、CDジャケットなど幅広く活躍。さらに、水草プロレイアウター、シェアリングネイチャー指導員、かみふらの親善大使、FSC(フィンランドサウナクラブ)会員、サウナ・スパ健康アドバイザーなどの活動も行なっている。

    ただ
    1981年神奈川県横須賀市生まれ。写真家。2007年写真家・池田晶紀率いる「ゆかい」に所属。主にポートレイト写真から物撮りまで、書籍、雑誌、広告、CDジャケットWebなどの分野で幅広く活躍している。また近年は、スチールだけではなく映像のカメラマンとしても活動を開始。

    糸井重里(いとい・しげさと)
    1948年群馬県生まれ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『さよならペンギン』(湯村輝彦との共著)『夢で会いましょう』(村上春樹との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)など多数。


    首藤康之 × 操上和美 [DEDICATED to 美しい身体]


    首藤康之 × 操上和美 [DEDICATED to 美しい身体]

    SWITCH最新号(Vol.34 No.7)では首藤康之 × 操上和美[DEDICATED to 美しい身体]と題し、写真家・操上和美さんとダンサー・首藤康之さんの対談を掲載しています。こちらではその対談の一部ををご紹介します!

    魂の在処

    首藤 今、ぼく自身の関心事は自分の身体に負荷がかからない生活とはどんなものなのか、ということです。少し前はグルテンに気をつけていたんです。特に輸入の小麦の摂取には気をつけていた。操上さんも長くジムに通われて身体の維持管理に気をつけられていますね?

    操上 しなやかな筋肉をつけて理想の姿にコントロールしたいと思っているんです。人は歳を取ると理想とはかけ離れた肉体になっていく。時間というのは時には残酷なものなんです。

    首藤 操上さんにとって理想の身体とはなんですか? 

    操上 自分の中にあるんです。贅肉をいかにそぎ落とすか、それとぼくは写真家という職業上、敏捷性、動くということが不可欠なんです。その能力の維持ですね。歳取ってきたからダメなんだということを理由にあげたくない。スタジオでもロケでも現場はいつも過酷なんです。また写真を撮るということでもっとも大事なことは対象自体だけではなく場の空気を感知しなくてはいけないと思う。

    ぼくはその感知する能力は肉体と関係あるような気がするんです。愚鈍な肉体では写真家はいけないと思っているんです。 首藤 動けなくなることを潔しとはしないんですね。対象と肉薄するという緊張感でしょうか。改めて操上さんに肖像写真を撮られてその切迫感を強く感じました。

    操上 ダンサーの方は一番切実だと思うけれど、老いって時間と引力の戦いなんです。地球の引力からの離脱というのがダンサーの究極の美ではないですか?

    首藤 重力に虹を描くことですね(笑)。ぼく自身も理想の美しい身体は漠然とあるんです。自分の身体は嫌なんです。常に変化をしたいと思っている。これじゃない身体をいつも求めているような気がします。ぼくの写真を操上さんに最初に撮っていただいたのが一九九六年のことです。ファッション雑誌の仕事で、海外から帰国したときで今でもよく覚えています。できあがりの写真を見て、違う自分が見えたと思った。

    今までもいろいろな写真家の方に撮られたけれど、初めて自分の肉体が自分に語りかけてきたんです。自分の肉体はこういうメッセージを持っているんだと思った。たえずダンサーは自分の肉体に語りかけているのだけど、写真を通してはそれが初めての経験でした。いつも写真はこの部分に筋肉つけて直したいと思うような嫌な部分ばかり見えるんです。

    操上さんの写真には仮面性というものを感じたんです。素敵な経験でした。満足感ではなくほんの少し自信を持ったのです。見かけだけでなく肉体のその先が表現されていた。そのことは自分自身では見えなかったものです。撮影中は緊張して何も覚えていなかった。写真の上がりを見てそう感じたんです。

    操上 最初の出会いはとても印象的でした。首藤さんから肉体そのものの光を感じて、すごいと思ったんです。もっと撮りたいと思った。首藤さんにオファーして一冊の写真集を作らせていただいた。それが『POSSESSION』です。若くみずみずしいだけではなくすごみさえある肉体です。それが今、さらに研ぎすまされた肉体の存在をぼくは表現したいと思ったんです。

    つづきは
    本誌(SWITCH vol.34 No.7) でお楽しみください。

    ※ 掲載内容は本誌からの抜粋です

    操上和美写真展 「DEDICATED ― 首藤康之」
    2016年6月17日(金) – 7月22日(金) 13:00 – 19:00 月・火曜休
    art space AM 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ302
    TEL 03-5778-3913
    URL: http://am-project.jp


    操上和美写真集 『DEDICATED』
    2016年6月17日発売  定価 3800円+税  発行 赤々舎
    B5変型・128ページ・写真67点掲載・ソフトカバー(スリーブケース付)





    操上和美写真展「DEDICATED ―― 首藤康之」

    操上和美写真展 「DEDICATED ―― 首藤康之」


          全てになりきる卓越したテクニック。
          そう…それ自体で全部である存在。

          と、モーリス・ベジャールに言わしめた
          Shutoの――進化する肉体。

          少年、青年、壮年、老年へと…

          肉体に宿る魂を追って
          ダンサーの旅は続く。

          恐れていることがあるか。

          腐蝕への旅。

          操上和美


    写真への熱い情熱と人間愛に穿たれた操上和美の視線が、公私ともに親交をあたため見つめ続けてきたダンサー・首藤康之の肉体と精神を射抜き、圧倒的な力強さにあふれる作品群を生み出しました。
    撮影は、2015年11月の、首藤のバースデーに行われました。
    その日のため、ベストの状態に仕上げてきた首藤は、幼い頃から踊ることに心身を捧げ培ったすべてを、操上のカメラの前に差し出し操上はそれを、広く深い愛情で受け止め、美事なシャッターチャンスを導きだしています。


    操上和美写真展 「DEDICATED ― 首藤康之」
    2016年6月17日(金) – 7月22日(金) 13:00 – 19:00 月・火曜休
    art space AM 東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ302
    TEL 03-5778-3913
    URL: http://am-project.jp


    操上和美写真集 『DEDICATED』
    2016年6月17日発売  定価 3800円+税  発行 赤々舎
    B5変型・128ページ・写真67点掲載・ソフトカバー(スリーブケース付)


    レセプション+BOOK SIGNING
    6月17日(金) 19:00 – 21:00

    操上和美 アーティスト・トーク
    7月22日(金) 19:00 – 20:00 
    (ゲスト:首藤康之)



    【期間限定スペシャルページ】
    首藤康之 × 操上和美[DEDICATED to 美しい身体


    SWITCH最新号(Vol.34 No.7)では首藤康之 × 操上和美[DEDICATED to 美しい身体]と題し、写真集『DEDICATED』の一部と、操上和美さんと首藤康之さんの対談を掲載しています。こちらではその対談の一部をご紹介します!

    首藤康之 × 操上和美[DEDICATED to 美しい身体]
    スペシャルページはこちら




    SWITCH × KEEN | LET’S HANG OUT! PLAY with KEEN

    LET’S HANG OUT!
    PLAY with KEEN



    KEENが「フジロック'16」オフィシャルサポーターに!

    日本におけるフェスカルチャーの礎を築いてきたフジロックフェスティバルの開催が近づいてきました。記念すべき20回目となる今年は、シガー・ロス、ベック、レッド・ホット・チリ・ペッパーズを筆頭に、国内外から豪華なアーティストが登場予定。そんなフジロックフェスティバル’16に、アウトドアフットウェアブランドのKEENが、オフィシャルサポーターとして参加することが決定しました。

    SWITCH最新号(Vol.34 No.7)では、長年、アメリカのフェスカルチャーを牽引してきたKEENの歩みを紐解く記事をはじめ、ブランドの公式アンバサダーを務めるペインティングユニット・Gravityfreeと、ジャムバンド・Dachamboという2組のアーティストへのインタビュー、フェスで履きたいKEENのシューズ紹介なども掲載しています。その記事のPDFを期間限定(6月20日〜9月20日)で無料配布いたします。

    ダウンロードはこちら

    フジロック開催まで1カ月、苗場に参戦予定の方はもちろん、フェスやアウトドア好きな方たちにもこの記事を通して、ぜひKEENというブランドの魅力を知ってもらえたらと思います。

    KEEN in フジロックフェスティバル’16の情報の詳細はこちら
    KEEN公式ブログ
    http://blogjp.keenfootwear.com/?p=10944





        








    猿からの質問特別編


    MONKEY vol.9 特別企画

    猿からの質問特別編


    【質問】

    もしあなたが一本の映画を撮れるとしたら、
    どんな映画を作りますか?

    あなたの回答を200字以内でお送りください。
    ストーリー、撮り方、雰囲気、どういう点を答えてくださっても結構です。
    MONKEY編集部が面白いと思った答えを次号MONKEYで掲載します。
    刺激的なアイデアをお待ちしております!

    【回答方法】
    タイトルを「猿からの質問」とし回答を下記アドレスまでお送りください。
    info@switch-pub.co.jp

    ※締め切り:2016年7月31日まで


    *こちらの件に関するご質問にはお答えできませんのでご了承下さい。
    *原稿料は発生いたしません。


    イラストレーター 安西水丸 展  美術館「えき」KYOTO 

    安西水丸「口笛のきこえる」 1985年  ©Kishida Masumi


    イラストレーター 安西水丸 展

     2016年6月17日(金)〜7月10日(日) 会期中無休

    美術館「えき」KYOTO
    (京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
    開館時間:10:00〜20:00 (入館締切:閉館30分前)
    ※ただし、6月20日(月)、21日(火)、27日(月)、28日(火)は10:00〜19:30


    書籍の装画や雑誌の挿絵、小説やエッセイの著書、漫画や絵本の執筆、また翻訳家としても活躍していた安西水丸氏(1942−2014)。本展は、「小さい頃よりずっと絵を描くことが好きだった」と語る氏の幼少期から晩年に至るまでの足跡を、イラストレーションの作品を軸に辿ります。公私にわたり親しい嵐山光三郎氏、村上春樹氏、和田誠氏の三氏との仕事、愛用品の数々もご覧いただきます。(公式HPより)


    さらにスイッチ・パブリッシング刊行の「Coyote 安西水丸特集」をはじめとし、和田誠さんイラストレーションが表紙の文芸誌「MONKEY」 最新号、また安西水丸さんイラストレーションが表紙の「MONKEY VOL.7」も販売いたします。

    安西水丸さん初の大規模個展となる今回の展覧会。
    この大変貴重な機会にぜひ美術館「えき」KYOTOを訪れてみてはいかがですか。


    <プロフィール>
    安西水丸(1942-2014)
    東京生まれ。日本大学芸術学部美術学科造形コース卒業。電通、ADAC(ニューヨークのデザインスタジオ)、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレーターになる。1985年朝日広告賞、毎日広告賞、1987年日本グラフィック展年間作家優秀賞、1988年キネマ旬報読者賞など受賞多数。 小説「アマリリス」、「荒れた海辺」、エッセイ「青山の青空」、「バードの妹」、絵本「がたんごとんがたんごとん」、「ピッキーとポッキー」など著書多数。

    展覧会の詳細はこちら
    美術館「えき」KYOTO 『イラストレーター 安西水丸 展』





    ゴールデンウィーク休暇のお知らせ、およびオンラインショップの発送について

    ゴールデンウィーク休暇のお知らせ

    休業期間:4月29日(金)〜5月8日(日)

    【SWITCH PUBLISHING オンラインストア】の発送について

    ご注文は可能ですが、ゴールデンウィーク期間中のご注文内容により
    お届けが遅れる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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    →4月28日(木)発送予定

    ■4月28日(木)午前10時以降〜5月2日(火)午前10時までのご注文分確定分
    →5月2日(火)発送予定

    ■5月2日(火)午前10時以降〜5月6日(金)午前10時までのご注文確定分
    →5月6日(金)発送予定

    それ以降のご注文分は、5月9日(月)以降の発送とさせていただきます。

    *4月29日(金)〜5月1日(日)、5月3日(火)〜5月5日(木)、5/7(土)〜5月8日(日)の
    期間は発送業務をお休みさせていただきます。(ご注文は可能です)
    *お問い合わせにつきましては5月9日(月)以降からのご対応となりますため、回答にお時間がかかることが予想されます。順次対応させていただきますので、あらかじめご了承ください。
    *お問い合わ先 TEL:03-5485-2100 Mail:store@switch-pub.co.jp(平日10時〜18時)


    ご迷惑をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。


    SWITCH×PANDORA×小松菜奈 スペシャルブック配布中

    SWITCH×PANDORA×小松菜奈
    スペシャルブック配布中


    SWITCH最新号(Vol.34 No.5)では、ジュエリーブランド“PANDORA”による
    女優・小松菜奈を迎えたファッションページを掲載しています。
    また同号掲載のファッションフォトによる“KOMATSU NANA with PANDORA”
    スペシャルブックが、現在、全国のPANDORAの店舗で無料配布中です。
    (※予定冊数が無くなり次第終了)

    なお、上記SWITCHの155ページ及びスペシャルブックに掲載されている
    パンドラ表参道店のオープン日が下記に変更となりました。
    2016年4月29日(金)→ 2016年5月14日(土)

    詳細はPANDORAのFacebook(https://www.facebook.com/PANDORA.Japan)をご覧下さい。

    読者の皆様には何卒ご了承いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。


    熊本県を中心とする地震による配送への影響について

    熊本県を中心とする地震による配送への影響について


    いつもSWITCH PUBLISHING をご愛顧いただきありがとうございます。

    4月14日(木)に発生した、熊本・九州地方を震源とした地震により、
    亡くなられた方々やそのご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、
    被災され怪我や事故に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

    この度の地震の影響により、スイッチオンラインストアでご購入ただいた
    商品配送の遅延が発生する可能性がございます。

    大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご了承の程よろしくお願い申し上げます。

    Caran d’Ache × SWITCH|”LIVING with COLORS” トータス松本 作品展開催

    Caran d’Ache × SWITCH
    ”LIVING with COLORS”


    トータス松本 作品展示会
    CATS, DOGS & TORTOISE



    2016.4/20〜5/8 @カランダッシュ 銀座ブティック2F

     このたび、カランダッシュと雑誌SWITCH(4月20日発売号)のタイアップ企画『LIVING with COLORS』を記念して、ウルフルズのトータス松本による描き下ろし作品の特別展覧会をカランダッシュ 銀座ブティックにて開催いたします。
     今回展示されるトータス松本の作品は全7点。動物好きとしても知られるトータス松本が、現在共に暮らしている大切な家族の一員である猫と犬の姿を、柔らかく、温かみのあるトーンで描き出した愛情溢れる作品が中心となります。またSWITCH誌面の掲載作品に加え、未掲載作品も特別に展示いたします。作品の繊細なタッチや鮮やかな発色は、一見の価値あり。(制作に使用された画材は、「ネオカラーI」「ネオカラー供廖屮好廛薀ラーソフト」。また各作品のタイトルには、カランダッシュの万年筆である「レマン バイカラーブラック」「バリアス ラブレーサー」とインク「クロマティクス」が使用されています。)
     カランダッシュの世界とトータス松本による色鮮やかなコラボレーションを、この機会にぜひお楽しみください。


    ●展覧会概要
    日程 2016年4月20日(水) 〜5月8日(日)
    11:00〜19:00
    会場 カランダッシュ 銀座ブティック2F
    (東京都中央区銀座2-5-2)
    入場 無料

    <プロフィール>
    トータス松本
    1966年兵庫県生まれ。ミュージシャン。1992年にウルフルズのボーカリストとしてデビュー。数多くのヒット曲を発表し、現在まで精力的に活動中。最新作は昨年9月リリースのアルバム『ボンツビワイワイ』。今年8月27日には毎年恒例のウルフルズ野外ライブ「ヤッサ!」が大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で開催される

    <本人よりコメント>
    「今回こうして何点か絵を描いてみて、あらためて自分は絵を描くのが好きなんだなと実感しました。これだけ集中して取り組めることって音楽以外は絵を描くことくらいだから。自分の中では、音楽と同じくらい好きなことなんだなって。僕は今年50歳を迎えますが、これを機にもう一度ちゃんと絵を描き始めるのも悪くないと思いました」(雑誌SWITCH(4月20日発売号)抜粋)


    カランダッシュの世界とトータス松本による色鮮やかなコラボレーションを掲載しているSWITCH(4月20日発売号)の詳細はこちら
    http://www.switch-store.net/SHOP/SW3405.html


    小泉今日子エッセイ集『黄色いマンション 黒い猫』刊行記念 J-WAVE公開収録イベント開催!

    小泉今日子エッセイ集『黄色いマンション 黒い猫』刊行記念
    J-WAVE公開収録イベント開催決定!

    このトークイベントに、25組50名様をご招待いたします。
    ※募集を締め切りました

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    小泉今日子エッセイ集『黄色いマンション 黒い猫』
    (スイッチ・パブリッシングより4月15日発売)

    今だから書けること、今しか書けないこと。

    1982年のデビュー以来、歌手、女優として、映画、舞台、テレビ、CM、そして執筆と活動の幅を広げながら、そのすべてを支持され、圧倒的な存在感を放つ、小泉今日子。幼い日々の記憶、中学時代の友人、アイドル時代に住んだ原宿、そして、父と姉の死……。本書は、さまざまな場所や人に出合いながら原宿の今昔を知り、自身の思い出に触れていく小泉今日子が、2007年から2016年まで9年間にわたって綴ったエッセイ集です。小泉今日子、待望のエッセイ集、この春刊行。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ■日時:2016年4月24日(日)
    ■開場:14時30分/開演:15時00分/終了:16時30分
       (時間は予定につき、変更になる場合がございます)
    ■会場:ラフォーレミュージアム原宿
    ■出演:小泉今日子・糸井重里
    ■ゲスト:和田誠
    ■MC:クリス智子
    ■招待数:ペア25組 50名様
    ■締め切り:4月14日(木)
    ■申込方法:タイトルを「【4/24小泉今日子イベント応募】」とし、
         氏名・住所・ご連絡先を下記アドレス宛にお送りください。
         info@switch-pub.co.jp
    ■問い合せ:スイッチ・パブリッシング 03-5485-1321(平日 10:00-18:00)
    ■協賛:株式会社紀伊國屋書店

    【イベントに関する注意事項】
    ※受付時間、イベント開始などの詳細は当選者にお知らせいたします。ご当選された方は、ご招待状の記載をご確認の上、ご来場ください。
    ※トークイベントのご招待です。
    ※満員の際は消防法によりご入場をお断りします。
    ※開演後のご入場は堅くお断り致します。
    ※当日は会場にマスコミの取材が入る予定です。ご了承の上、ご来場ください。
    ※都合により、ゲストは予告なく変更、イベントが中止、日程変更となる場合があります。予めご了承ください。

    【注意事項】
    ※当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
    ※賞品の譲渡はご遠慮ください。
    ※応募状況、当選結果に関するお問い合わせにはお答えしかねますので、あらかじめご了承ください。
    ※郵便事情により賞品到着が遅れる場合がございます。予めご了承ください。
    ※賞品の紛失、破損による交換は致しかねますので予めご了承ください。
    ※お一人様各イベントにつき1回限りのご応募とさせていただきます。


    J-WAVE SPECIAL
    YELLOW APARTMENT, A BLACK CAT〜
    小泉今日子、原宿ストーリー放送決定!

    放送局:J-WAVE 81.3FM 
    放送日時:2016年4月29日(祝) 18:00〜19:55

    4月24日におこなわれる小泉今日子エッセイ集『黄色いマンション 黒い猫』
    刊行記念J-WAVE公開収録の模様をオンエアーいたします。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


    小泉今日子エッセイ集『黄色いマンション 黒い猫』
    (スイッチ・パブリッシングより4月15日発売)
    本の詳細はこちら
    http://www.switch-store.net/SHOP/BO0071.html


    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


    『レヴェナント:蘇えりし者』特別試写 with 坂本龍一

       ©2015 Twentieth Century Fox
    本年度アカデミー賞で監督賞・撮影賞、
    さらにレオナルド・ディカプリオが悲願の主演男優賞を受賞。
    音楽を坂本龍一が手掛ける超話題作!!

    commmons10 / J-WAVE SPECIAL INVITATION

    『レヴェナント:蘇えりし者』特別試写
    with 坂本龍一

    50組100名様をご招待
    ※ご応募を締め切りました

    4月22日(金)『レヴェナント:蘇えりし者』全国一斉公開に先立ち
    開催されます特別試写に、抽選で50組 100名様をご招待いたします。
    当日は坂本龍一さんも出演します。是非ともご応募ください。

    ■日  時:2016年4月7日(木)
          開場:18時00分/開演:18時30分/終了:21時50分予定
          (時間は予定につき、変更になる場合がございます)
    ■会  場:ザ・ガーデンホール(東京・恵比寿)
    ■出  演:坂本龍一
    ■M   C:サッシャ
    ■招待者数:50組 100名様
    ◼︎申込方法:タイトルを「【4/7レヴェナント試写応募】」とし、
    氏名・住所・ご連絡先を下記アドレス宛にお送りください。
    info@switch-pub.co.jp
    ■当選発表:招待状の発送をもって代えさせていただきます。
    ■締め切り:3月28日(月)正午
    ■問い合せ:スイッチ・パブリッシング 03-5485-1321(平日 10:00-18:00)

    【注意事項】
    ※詳細は当選者にお知らせいたします。
    ご当選された方は、ご招待状の記載をご確認の上、ご来場ください。
    ※お一人様各イベントにつき1回限りのご応募とさせていただきます。

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    commmons10 健康音楽(コモンズテン ケンコウオンガク)
    坂本龍一を中心とし、アーティストのゆるやかな連携を標榜しスタートしたプロジェクト『commmons (コモンズ)』が、設立10周年を迎え4月9日と10日の2日間、東京・恵比寿ガーデンプレイスで10周年記念イベントを開催。
    4月8日(金)前夜祭 18:30開場/19:00開演
    4月9日(土)12:00開場/13:00開演
    4月10日(日) 12:00開場/13:00開演
    www.commmons10.com

    映画『レヴェナント:蘇えりし者』
    2016年4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
    http://www.foxmovies-jp.com/revenant/

    出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、
       ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラック
    監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
    脚本:マーク・L・スミス、アレハンドロ・G・イニャリトゥ
    撮影:エマニュエル・ルベツキ
    音楽:坂本龍一、アルヴァ・ノト、ブライス・デスナー

    仲間の裏切りで最愛の息子の命を奪われた男、ヒュー・グラス。瀕死の重傷を負ったまま極寒の荒野に置き去りにされた彼は、激しい怒りを力に変え、奇跡的に死の淵から蘇える。復讐の執念のみを武器とした、容赦な極寒の地での300キロにおよぶサバイバルの旅が始まる。究極のリアリティを追い求めるアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、大自然が猛威をふるう極寒の地で、自然光のみでの9か月間のロケーションを敢行。主演のレオナルド・ディカプリオの鬼気迫る演技は、格闘シーンで鼻の骨を折るなど既に伝説的なエピソードが数多く語られている。臨場感を極めた圧倒的なスケールの映像で綴る、唯一無二の鮮烈且つ壮大な映画体験がここにある。本年度アカデミー賞(主演男優賞・監督賞・撮影賞)受賞作品。



    オリジナル・サウンドトラック盤
    「The Revenant(蘇えりし者)」

    音楽:坂本龍一、アルヴァ・ノト、ブライス・デスナー
    好評発売中!!





    写真展「A Scene Of Life Gallery」開催!

    A Scene Of Life Gallery

    presented by 999.9 feelsun & SWITCH
    2016.4/1 – 4/3@DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY


    雑誌SWITCHにて、2012年12月からスタートした連載「A Scene Of Life」。
    俳優、女優たちが999.9 feelsunのサングラスとともに過ごす日常のワンシーンを紹介してきたこの連載の、過去掲載分を一度に楽しめる写真展「A Scene Of Life Gallery」を開催いたします。
    第一線で活躍する俳優、女優たちが見せる飾らない表情を切り取った、ポートレイト作品全16点が揃うこのスペシャルな写真展へ、ぜひお越しください。

    《写真展出演者》
    村上淳、椎名桔平、二階堂ふみ、伊藤歩、池内博之、水川あさみ、
    新井浩文、小島聖、濱田岳、市川実日子、菅田将暉、大竹しのぶ、
    ピエール瀧、井浦新、満島真之介、りょう

    《999.9 feelsunとは》
    メイド・イン・ジャパンのアイウェアブランド、999.9(フォーナインズ)のサングラスライン「999.9 feelsun」。
    “陽射しを、ここちよく。”という999.9 feelsunのコンセプトには、サングラスの本質は、陽射しを防ぐことではなく、ここちよくすることであり、毎日の暮らしのなかで、より快適に、より身近にサングラスを楽しんでもらいたい、という“サングラスの新たな価値”の創造への思いが込められています。

    ●写真展内容
    日程 2016年4月1日(金) – 4月3日(日)
    11:00-18:30 (初日のみ13:00 open)
    会場 DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY
    (東京都渋谷区猿楽町16-15)
    入場 無料
    オープニング
    イベント
    4/1(金)19:00より
    小島ケイタニーラブのオープニングライブ開催!

    観覧無料・ぜひお越しください!
    主催 株式会社スイッチ・パブリッシング
    TEL:03-5485-2100
    “俳優・村上淳トークショー開催!”

    2016.4.3 14 : 00 START@DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY

    4月1日〜3日に開催される写真展「A Scene Of Life Gallery」。
    写真展期間中の4月3日(日)に、俳優として活躍中の村上淳をゲストにお招きし、「A Scene Of Life Gallery」スペシャルトークショーを開催いたします。ドラマや映画などに忙しい日々を送る村上淳の、普段は見ることのできないプライベートな表情を、クリス智子をナビゲーターに紐解いていきます。
    事前予約制、入場無料のこちらのトークショーへ、ぜひご参加ください。

    ●イベント:村上淳トークショー
    日程 2016年4月3日(日) 14:00〜
    会場 DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY
    (東京都渋谷区猿楽町16-15)
    入場 無料(先着順)
    ※応募受付を終了いたしました。

    『SWITCH Vol.34 No.3 特集:ももいろクローバーZ 』 編集後記


    『SWITCH』2月20日発売号
    「特集:ももいろクローバーZ」編集後記


    外側から見えてくるもの

    SWITCHでは初となるももいろクローバーZの表紙、巻頭特集。
    先日2作同時発売となった新作『AMARANTHUS』『白金の夜明け』が世間では反響を呼んでいますが、この2作についての情報を編集部が最初に聞いたのは昨年秋のことでした。

    女性アイドルグループとしては初となる2014年の国立競技場でのライブや、KISSとのコラボレーション、国民的アニメシリーズの主題歌、主演映画『幕が上がる』など、ここ数年決して勢いを弱めることなく意欲的な活動を続けてきた彼女たちですが、オリジナルアルバムとなると前作『5TH DIMENTION』から早3年近くの時が経過しています。

    そんな「満を持して」の新作、しかも3作目と4作目を同時にリリースするというのだから、そこに込められた作り手たちの熱量も半端なものではないだろう。その「熱量」を丁寧にひとつひとつすくい上げることで、1冊の特集を作っていく。それがこの号のスタートでした。そしてこの時ひとつ決めたこと、それは、この特集は確かに「ももいろクローバーZ特集」ではあるけれど、ももいろクローバーZ=百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れにの「5人」の特集ではない、ということ。前述の一文で、主語を「彼女たち」ではなく「作り手たち」としたのはそうした理由です。

    ももいろクローバーZが2016年現在これほど大きな存在となり得たのは、もちろん彼女たち5人の、多くの人を魅了する様々な力(努力そして才能)があってこそですが、一方では彼女たちに関わる様々な一流のクリエイターやスタッフたちのももいろクローバーZに掛ける多大な熱意とクリエイティビティがなければ、今のような状況とはなっていなかったかもしれません。

    そんな思いから今回の特集には、デビュー前から彼女たちを支え続ける敏腕マネージャー川上アキラ氏をはじめ、音楽ディレクター、楽曲を手掛ける音楽家、作詞家、パッケージデザインを担当するアートディレクター、映像ディレクター、ヘアメイク、スタイリストといった面々に登場いただき、彼らの視線を通して「ももいろクローバーZ」というものを紐解いていきました。また、それらすべてを踏まえたうえで最後にあらためて5人の今現在の生の声を聞くと、これまでとはまた違った新たなももいろクローバーZが見えてくるのではないでしょうか。

    2016年、彼女たちはまた新たな一歩を踏み出しました。その一歩を記録した特集として、また5年後、10年後にも読み返して楽しんでもらえればと思います。

    (SWITCH 編集部)



    『SWITCH』3月号「特集:ももいろクローバーZ」 

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    朝岡英輔 「It's a cry run.」写真展



    朝岡英輔写真展

    「It’s a cry run.」

    2016.3/9 – 3/24@Rainy Day Books & Cafe


    It’s a cry run.

    歌はどこだ。
    未知なる世界へと旅に出る。
    そう、ここではないどこか他へ。
    人知れず始まっては終わっていく朝焼けのような美しい時間をもとめて


    小島ケイタニーラブの新アルバム「It’s a cry run.」ジャケット写真をはじめ、
    風景写真を中心に約20点を展示いたします。ぜひお越しください。



    朝岡英輔
    写真家。1980年 大阪府生まれ、埼玉県育ち。中央大学理工学部卒業。松濤スタジオ勤務後、藤代冥砂氏に師事。東京を拠点に、音楽、人物、旅、舞台などを撮影している。2014年よりミュージシャン・小島ケイタニーラブによる朗読・音楽・旅・写真などをクロスオーバーさせたイベント「ラブナイト」に参加。制作チーム「ラブナイツ」の一員として、小島が歌を生む旅に毎月同行し写真を撮影。ラブナイトでは、写真スライドによる音楽とのセッションや記録撮影など行う。SWITCH 2015年5月号より、小島ケイタニーラブとラブナイツによる「歌はどこだ」を連載中。

    ●写真展内容

    日程 2016年3月9日(水) – 3月24日(木)
    11:00-19:00 
    月火(祝は除く)、および3/11(金)、3/16(水)休
    会場 Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F
    イベント 朝岡英輔 「It's a cry run.」写真展トークイベント
    ゲスト:藤代冥砂(写真家)
    3/12(土)14:00 START
    イベント詳細はこちらをご確認ください。
    http://www.switch-store.net/hpgen/HPB/entries/154.html


    若木信吾写真展「表面」



    若木信吾写真展「表面」

    2016.2/10 – 2/28 @代官山ヒルサイドテラス

    2月10日より代官山ヒルサイドテラスにて若木信吾さんの写真展「表面」が開催されます。 作品集「Takuji」「TIME AND PORTRAITS」「英ちゃん 弘ちゃん」などのシリーズから数々の印象的なポートレートをのこしてきた若木信吾さんの自身初となる「ブツ」撮りに焦点をあてた展覧会です。ぜひご覧ください。

    「表面」 若木信吾
    僕は人物写真を撮ることを主に仕事にしていて、「ブツ」を撮影することはあまりないのだが、向き合う撮影という点では同 じだと思う。撮影者が「ものと向き合う」といっても作家が五感をめぐらせ体を使って素材から形を創り出す工程とは違う。写真は目を使うことが中心だ。目で 見て、ものの醸し出す雰囲気を感じて、この形を生み出すことができた作家のインスピレーションを想像しながら撮影する。実際は表面を観察するにすぎないの だが、そこから想像しうるものをできるだけ写真に表せたらと思う。見えていないものは写らないが、目に見えなくても頭の中にその存在があれば写る=伝わる という場合もある。

    若木信吾(わかぎ・しんご)
    静岡県浜松市生まれ。ニューヨークロチェスター工科大学写真学科卒業後、『The New York Times Magazine』『SWITCH』など国内外の雑誌や広告、音楽媒体で活躍する。そのほか映画製作や出版レーベル「youngtree press」、書店「books and prints」の経営など、幅広く活動している。


    展覧会情報

    若木信吾写真展「表面」

    会期:2016年2月10日(水)〜2月28日(日)
    日時:11:00〜20:00(最終入場は閉館の30分前まで/最終日は17:00閉館)
    会場:代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドフォーラム
       http://www.hillsideterrace.com/art/160210.html
    主催:ヤングトゥリー・プレス
    協賛:  丸八不動産  SCOPE
    協力:ヒルサイドテラス on the hill 株式会社イーストウェスト
      
    料金:入場無料
    お問い合わせ:info@youngtreepress.net   担当:清水
    ※会期中のみ会場までのご案内等はヒルサイドインフォメーション03-5489-3705

    【同時開催】
    「英ちゃん 弘ちゃん」
    15年間幼なじみを撮り続けたドキュメント

    【若木信吾アーティストトーク】
    ゲストに角田純氏(アートディレクター/画家)をお迎えしてトークイベントを開催いたします。
    日時:2月21日(日)14:00〜16:00
    場所:代官山ヒルサイドフォーラム
    参加無料・予約不要

    ※最新情報は 若木信吾さんのFacebookページ「若木信吾写真展情報」で検索。
     https://www.facebook.com/shingowakagi.photoexhibition/

    ※若木信吾さんの公式instagramアカウントはこちら。
       https://www.instagram.com/shingowakagi/



    赤井稚佳 展覧会「BOOKWORM HOUSE」




    赤井稚佳展覧会
    「BOOKWORM HOUSE」

    2016.2/24 – 3/6@Rainy Day Books & Cafe


    私は小さなアパートメントでひとり暮らしを始めた。
    その名はブックワームハウス、つまり「本の虫荘」だ。
    入居の条件は、「本が好き」なこと・・・
    昨秋発刊されたビジュアルストーリーブック「Bookworm House & Other Assorted Book Illustrations」には奇妙な、しかし愛すべき「本の虫」たちが登場します。彼らの本棚にも並んでいるに違いない、素敵な本の数々を描いたブックイラストレーションを展示します。
    Rainy Dayがブックワームハウスになる12日間、お楽しみください。


    赤井稚佳
    イラストレーター。
大阪市生まれ。インターナショナル美術専門学校卒業。京都市在住。第9回HBファイルコンペ大賞(藤枝リュウジ賞)他受賞。雑誌「Coyote」のブックイラストレーションで注目を集める。新聞・雑誌の挿絵やエッセーなど、エディトリアル分野を中心に活躍。
    主な仕事:宮本輝氏の新聞連載小説「三十光年の星たち」「草花たちの静かな誓い」の挿絵。書籍の装画は、沢木耕太郎著『246』、宮本輝著 『三千枚の金貨』『真夜中の手紙』、夏井いつき著『伊月集−龍』など多数。


    ●展覧会内容
    日程 2016年2月24日(水) – 3月6日(日)
    11:00-19:00 月火休
    2月27日(土)はイベント開催のため14:00 CLOSE
    会場 Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F
    イベント トーク・イベント「本をめぐる」赤井稚佳 vs 平松洋子
    2/27(土)17:00 START
    イベント詳細はこちらをご確認ください。
    http://www.switch-store.net/hpgen/HPB/entries/151.html


    高橋愛 with Champion 2016 S/S



    “春スウェット”という言葉をご存知ですか? アメリカンスポーツカジュアルの王道であり、近年一層注目を集めているブランドChampionでは、2年ほど前より、春先のまだ少し肌寒いシーズンに軽く羽織れるスウェットを“春スウェット”という呼称で提案してきました。 『SWITCH』VOL.34 NO.3では、その“春スウェット”とTシャツをまとってのファッションシューティングに、SNS時代の新たなファッションアイコンとして活躍している女優・モデルの高橋愛が登場しています。 下記特設サイトでは、その誌面掲載カット+αを期間限定で公開中。Champion 2016 S/Sの新作アイテムを着こなす彼女の姿をチェックしてみよう!

    高橋愛 with Champion 特設サイト

    *高橋愛のインタビューは、『SWITCH』VOL.34 NO.3 本誌にてお楽しみください。

    PHOTOGRAPHY:ISOBE AKIKO
    STYLING:OYAMADA KOJI
    HAIR & MAKE-UP:TOYODA YOUSUKE

     

    野村佐紀子写真展『Another Black Darkness』



    野村佐紀子写真展
    Another Black Darkness


    2月26日(金)〜3月13日(日)まで銀座・AKIO NAGASAWA Gallery | Publishingで
    写真家・野村佐紀子さんの写真展 『Another Black Darkness』が開催されます。
    そして、2月26日(金)に同タイトルで写真集も発売されます。
    みなさまこの機会にぜひご覧ください。


    野村佐紀子写真展
    Another Black Darkness
    会期:2016年2月26日(金)〜3月13日(日)
    オープン:11:00-19:00  月・火曜休廊
    場所:AKIO NAGASAWA Gallery | Publishing
    www.akionagasawa.com
    〒104-0061
    東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
    Tel / Fax 03-6264-3670
    http://www.akionagasawa.com/jp/information/


    写真集
    Another Black Darkness
    発売日:2016年2月26日(金)
    予価:18000円(税抜)
    B5変形 128P 600部




    【SWITCH Vol.34 No.2 特集:藤原新也 新東京漂流】 編集後記


    『SWITCH』1月20日発売号
    「特集:藤原新也 新東京漂流」編集後記


    2016年の「東京漂流」

    SWITCHが初めて写真家・藤原新也さんの特集を組んだのは1990年。
    それから25年――2010年代の折り返しとなる2016年に再び藤原さんの特集を組むことになりました。1970年代から常に「時代」と「人間」を見つめながら創作活動をしてきた表現者の目に映る“今”を記録したいと考えたのです。
    1983年、藤原さんは当時の東京、日本の様々な側面を写真と言葉によって浮き彫りにする著書『東京漂流』を発表しました。今回の特集はその『東京漂流』の2016年版とも言える内容となっています。
    東日本大震災の被災地、沖縄辺野古、時代の寵児となったアイドルの素顔、国会議事堂前でデモをする若者、ハロウィンの狂騒……。
    藤原さんは2010年代の東京、そして日本という国の現状と、そこに生きる私たちのリアルな姿を30ページに及ぶフォトストーリーで紡いでいきました。 タイトルは「新東京漂流」。
    2016年、私たちは何処に向かっていくのか。そのヒントがこの特集には隠されていると思います。

    また、「新東京漂流」のひとつのテーマとしてあったのが、“若者のすべて”というキーワードであり、今回の特集の制作過程で藤原さんは様々な若者たちと出会いました。今号の表紙を飾った指原莉乃さんもそのひとりです。
    毎日のようにテレビ番組に出演し、HKT48やAKB48のメンバーとして何万人もの観客を前に笑顔で歌い踊る彼女ですが、藤原さんが撮り下ろした表紙写真に写る指原さんの表情は私たちが知っている彼女の顔とは違います。
    撮影時間はたったの20分でした。その限られた時間の中で藤原さんはどうしてこのような写真を撮ることができたのか。
    その秘密も誌面では解き明かされていますので、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

    (SWITCH 編集部)



    『SWITCH』2月号「特集:藤原新也 新東京漂流」 

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    加治枝里子写真展「島ブルー」


    加治枝里子写真展「島ブルー」

    2016.1/27 – 2/7@Rainy Day Books & Cafe

    Coyote 特別編集号「冬こそ沖縄」で、宮古島や来間島、伊良部島、西表島などの島々を巡った写真家の加治枝里子さんによる写真展を、1月27日より開催します。この機会にぜひご覧ください。

    「この集落より先は見てはいけませんよ。」
    大神島という小さな島に着くと、島民に静かに忠告された。
    神様が時々降りてくるという島では入ってはいけない聖域があり、
    奇妙な伝説も多い。
    強く鋭い力を放つ自然、それとは逆にどこまでも穏やかで優しい島民たち。
    少しの恐怖と、不思議な心地よさに戸惑いながら、
    “見てはいけない”境界線を歩いた。 --加治枝里子




    加治枝里子
    1981年生まれ、写真家。アメリカの美術大学で写真を学んだ後、2006年、フランス•パリを拠点に独立。2010年より東京を拠点に移し、旅やライフスタイルに関する雑誌や書籍、広告を中心に活動。主な仕事に沖縄の魅力を紹介するサイト「オキナワーズ」などがある。

    ●写真展内容

    日程 2016年1月27日(水) – 2月7日(日)
    11:00-19:00 月火休
    会場 Rainy Day Bookstore & Cafe
    東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F
    イベント オープニング•パーティー
    1/29(金)19:00-21:00
    泡盛と沖縄料理と共にお待ちしております。


    【SWITCH Vol.34 No.1 特集:ゲームの30年】 編集後記



    『SWITCH』12月20日発売号
    「特集:ゲームの30年 1985-2015」編集後記


     1985年『スーパーマリオブラザーズ』が発売され、本格的なファミコンブームの到来とともに現在に繋がる「テレビゲーム」の歴史が始まりました。それから30年が経過し、ゲームの世界は、CG、インターネット、スマホなどのテクノロジーの進歩とともに進化してきたわけですが、今回の特集では、その歩みをゲームクリエイターたちのインタビューによって振り返ります。

     2015年を象徴するヒット作『Splatoon(スプラトゥーン)』からこの特集を始めたのは、他でもない『スーパーマリオブラザーズ』、ひいては任天堂のゲーム作りのエッセンスが、見事にアップデートされているからです。
     さらには、30周年を迎えた『スーパーマリオブラザーズ』シリーズの最新作『スーパーマリオメーカー』や、来年2016年に大きな注目を集めるであろう『ポケットモンスター』シリーズ最新作『Pokemon GO』、そして今回の特集で、ミュージシャンの星野源さんとのスペシャルな対談が実現したゲームデザイナー上田文人さんの待望の新作『人喰いの大鷲トリコ』など、まさに「現在」と「過去」のゲーム史を繋ぐようなタイトルがひしめき合う特集になりました。

     そして、その30年の歴史を紐解く軸となったのは、「それぞれのタイトルがゲーム史にどんな「動詞」や「名詞」を持ち込んだのか」という質問です。
     たとえば『スーパーマリオブラザーズ』なら「跳ぶ」「踏む」「大きくなる」、『モンスターハンター』なら「狩る」、『Ingress』なら「歩く」、『ポケットモンスター』なら「交換する」・・・。そう、このゲームの「動詞」にスポットライトを当てたのは、かつて、ポケモンの生みの親である田尻智さん(今回の特集には、田尻さんの貴重なインタビューも収録されています)が、さまざまなゲームの「動詞」に注目してその特徴を解析していったことにヒントを得ています。

     結果としてこの特集は、「インタラクティブな遊び」としてのゲームが、これまでどのように発展し、現在これだけの隆盛を迎えているのか、その秘密をすこし覗くことのできる内容になりました。

     表紙は、昨年のゲーム特集に続いて漫画家・浅野いにおさんの描き下ろし。「ゲームの30年」という特集タイトルをお伝えしたところ、かつてゲーセンの前にたむろしていたような少年少女をイメージした『スプラトゥーン』のキャラクターを描いていただきました。
     また、特集内には『スプラトゥーン』『スーパーマリオメーカー』のキャラクターステッカーも特別収録。年末年始にふさわしい、華やかなゲーム特集に仕上がったのではないかと思います。

    (SWITCH 編集部)



    『SWITCH』1月号「特集:ゲームの30年 1985-2015」 

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    年末年始休暇のお知らせ

    SWITCH PUBLISHINGをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

    年末年始休暇時のお知らせをいたします。

     〈年末年始休暇〉
    12月23日(水)〜1月3日(日)


    *【SWITCH PUBLISHING オンラインストア】につきましては12月28日(月)午前10時までのご注文分(この時点でご入金確認済みのご注文分に限る)までは12月28日発送、それ以降のご注文分は、1月4日以降の発送とさせていただきます。
    *12月29(火)〜1月3日(日)の期間は発送業務をお休みさせていただきます。(ご注文は可能です。)


    【SWITCH12月号 特集:山田洋次】 編集後記――発想する筋肉

    編集後記――発想する筋肉

    『SWITCH』11月20日発売号「特集:山田洋次 映画という夢に出会うために」


     リチャード・ギアが“寅さん”に扮したサントリーの炭酸飲料「オランジーナ」のテレビCM。数年前に放映がはじまった時、意外すぎる組み合わせに驚いた人も多いのではないでしょうか?

     この斬新なCMを生み出したクリエイティブ・ディレクターの盧蠡酣呂気鵑蓮∪作にあたって山田洋次監督と何度も打ち合わせを重ねたそうです。その打ち合わせのたびに、盧蠅気鵑六嚇調篤弔痢箸垢瓦機匹剖辰されたと言います。何時間もぶっ続けでさんざんアイデアを出し尽くし、「今日はここまで」と解散しても、数時間経つと山田監督からまた電話がかかってくる。「いいアイデアを思いついた」と。「発想する筋肉がここまでついている人を僕は知らない」と盧蠅気鵑聾世い泙后

     盧蠅気鵑JR東日本「行くぜ、東北」シリーズや、サントリー・オールフリー「これでいいのだ」シリーズなど、私たちが普段よく目にする広告をたくさん作ってきたクリエイターです。その盧蠅気鵑鬚靴討修Ω世錣靴瓩襪里任垢ら、よほど“すごい”のでしょう。

     今回の特集のコンテンツの一つ、山田監督に半世紀の映画作りを振り返ってもらったロングインタビューでは、盧蠅気鵑縫ぅ鵐織咼絅◆爾鬚願いし、盧蠅気鵑感じた“驚き”を質問に変えて投げかけてもらいました。企画、脚本、演出、役者など、映画作り全般に話が及ぶ、貴重なインタビューとなりました。

     1961年に『二階の他人』で映画監督デビューした山田監督は、その後半世紀にわたり、80以上もの映画を作り続けてきました。12月12日に公開する新作『母と暮せば』に続き、来年3月にはその次の新作『家族はつらいよ』の公開も控えています。84歳となった今もなお、現役で、しかも第一線で映画を作り続けている。世界の映画界を見渡しても、そんな映画監督はほとんどいません。

     なぜそうやって映画を作り続けることができるのか。そして、なぜその映画を確実に観客に届け続けることができるのか。その創作の秘密の核に、盧蠅気鵑慮世Α嵌想する筋肉」があることは間違いありません。思えば、今回の特集に登場した吉永小百合、坂本龍一、二宮和也、黒木華、瀬戸内寂聴、森本千絵、立川志らく、そのすべての人の言葉の端々に、それを裏書きする言葉が散りばめられていました。

     発想する筋肉。それは何も映画に限ったことではなく、すべてのものづくりの原動力となりうるはずです。

    (SWITCH 編集部)




    『SWITCH』12月号「特集:山田洋次 映画という夢に出会うために」 

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    アニエス・トゥルブレ監督作品 映画『わたしの名前は…』試写会プレゼント


    © Love Streams agnès b. Productions


    現在発売中のSWITCH VOL.33 NO.10に、ファッション・デザイナー、アニエスベーのインタビューが掲載されています。 ただし、それは映画監督アニエス・トゥルブレとしてのもの。
    いよいよ10月31日から日本で公開される、公開長編映画としては初監督作となる『わたしの名前は…』についてのインタビューです。

    この映画の試写会に抽選でSWITCH読者10組20名様をご招待します。

    タイトルを【10/28試写会応募】とし、氏名、ご連絡先を明記していただき、 info@switch-pub.co.jp までメールをお送りください。 (締切:10月20日)

    【試写会詳細】
    日時:2015年10月28日(水) 開映:18:30
    場所:アンスティチュ・フランセ東京
    〒162-0826 東京都新宿区市谷船河原町15

    ※ 未就学児童はご入場いただけません。
    ※ 締切日の時点で応募資格を満たしている方が抽選対象となります。
    ※ 複数回応募された場合は、そのうち1回のみを有効とさせていただきます。



    『わたしの名前は…』

    監督・脚本・撮影・美術・アニエス・トゥルブレ(アニエスベー)
    ゲストカメラマン:ジョナス・メカス
    10/31より渋谷アップリンク、角川シネマ有楽町ほかで全国順次公開

    映画詳細はこちら
    http://www.uplink.co.jp/mynameis




    【ピーター・バラカン WEB連載】 LIVE MAGIC vol.1 Gurrumul



     毎日色々な音楽を聴いていて、いい声が沢山ありますが、ときに他とは次元が違う特別な響きを持った声と出会います。聞く人の心を一瞬にして穏やかにする声。グルムルがその一人です。

    彼はオーストラリア先住民のシンガー・ソングライターです。盲目で生まれた彼は右利き用のギターを左利きで弾きながら、主に部族語で歌いますが、グルムルの歌には言葉の壁が存在しないのです。どこかハワイ辺りの雰囲気も連想させるポリネシア的な空気が漂う彼の声を聞くと、いつの間にか溜まってくる都会のストレスはたちまち消えてしまいます。

    「癒し」という言葉は使われすぎて、陳腐に感じることがありますが、グルムルの声はまさにそんな効果を持っています。

    Geoffrey Gurrumul Yunupingu - Wiyathul (動画)


    2008年にオーストラリアで発表された彼のアルバム「神秘なる大地」(邦題)が大きな話題になり、グルムルはイギリスではエリザベス女王の前で、アメリカではオバマ大統領の前で歌い、またクインシー・ジョーンズが彼のことを絶賛するコメントを発表しています。


    アルバム「神秘なる大地」(邦題)

    多くの人に聞いて欲しいと思って、10月に開催する第2回のLive Magicに呼びました。



    Peter Barakan’s LIVE MAGIC! 2015

    日程 2015年10月24日(土)・25日(日)
    会場 恵比寿 ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルーム
    開場/開演 12:00 / 13:00

    Sat. 10/24:
    I’m With Her (Sara Watkins – Sarah Jarosz – Aoife O’Donovan) / Boukou Groove / Gurrumul / Dayme Arocena / Jonathan Scales Fourchestra / ランキン・タクシー+ノダチン(ランチン) / 濱口祐自 / David Ralston / Delehei / Eire Japan

    Sun. 10/25:
    Tin Pan / I’m With Her (Sara Watkins – Sarah Jarosz – Aoife O’Donovan) / Gurrumul / Dayme Arocena / Jonathan Scales Fourchestra / Oki Dub Ainu Band / Marewrew / Rei

    詳しくはこちら→http://livemagic.jp/


    間部百合写真展 Yosemite



    Coyote No.56の特集取材で、カリフォルニアのヨセミテ国立公園を訪れた写真家・間部百合さんの写真展を開催します。
    「ヨセミテにはおおきな優しい風が吹いていました。本当に素晴らしいっていうのはあるんだなと無条件に思った旅でした」と間部さん。
    文化の秋を一足先に、美味しいコーヒーと写真とともにお待ちしています。


    間部百合写真展 Yosemite

    【開催日時】
    2015年8月27日(木) – 9月10日(木)
    11:00-19:00 月火休
    【会場】
    レイニーデイ・ブックストア&カフェ
      東京都港区西麻布2-21-28 B1
    TEL:03-5485-2134
    http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/



    Coyote Vol.56 Yosemite for Beginners はこちら


    『職業としての小説家』の流通に関して

    『職業としての小説家』の流通に関して


     今年度、弊社はインタビューカルチャーマガジン「SWITCH」が創刊30周年、旅の雑誌「Coyote」が10周年を迎えました。その記念の年に、村上春樹氏の自伝的エッセイ『職業としての小説家』を発売することは、この上ない光栄なことだと思っています。
     『職業としての小説家』は文芸誌「MONKEY」の創刊から連載を重ね、新たな書き下ろしも加わって、単行本として結実しました。誰のために書くのか、どのように書くのか、そしてなぜ小説を書き続けるのか。『職業としての小説家』は村上春樹氏の小説家としての強い志を示す一冊です。

     連載時から『職業としての小説家』は、全国の書店から注目され、単行本が待ち望まれていました。その関心の高さを示すものとして、発売の9月10日を前に、全国の書店販売に関して紀伊國屋書店さまが幹事となって、取次各社、並び他社の書店の配本部数をとりまとめていただけることになりました。
    『職業としての小説家』は、紀伊國屋チェーンに限らず、全国チェーンの大きな書店から個人経営の小さな書店まで、十分に配本されることになります。
     ネット書店でも、『職業としての小説家』は今年下半期のもっとも力を入れる書物のひとつとして大きな展開が期待されています。
     弊社は国内の書店はもとより、ネット書店とも流通の協力を得て、今後も雑誌、単行本の発行発売を続けていく所存です。どうかよろしくお願いします。

    2015年8月23日
    株式会社スイッチ・パブリッシング代表
    新井敏記



    現在開催中!  「バケモノの子展」レポート

     興行収入27億円、観客動員約212万人突破という(7月28日時点)、前作を大きく上回るハイペースでのヒットが続いている『バケモノの子』。現在発売中の「SWITCH」7月号(特集:細田守 冒険するアニメーション)でも特集したこの作品の世界観を体感できる展覧会「バケモノの子展」が、東京・渋谷ヒカリエで開催中だ。




    絵コンテエリアの様子

    「細田守監督作品をみる・しる・あそぶ!」をコンセプトに、原画や絵コンテ、背景美術などの作品制作にまつわる貴重な資料が約300点展示されているほか、「渋天街」の巨大なモニュメントを忠実に再現したセットや、刀匠によって製作された「熊徹の大太刀」なども展示。“面白法人カヤック”や“チームラボ”とコラボした体感型展示もあり、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる展覧会となっている。










    原画エリアの様子

     中でも、とにかく必見なのが「原画」展示エリアだ。『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の数々の名場面の「原画」が大量に展示されており、鉛筆の線の繊細なタッチや、余白に書き込まれた指示書きを間近で鑑賞することができる。
     特に貴重なのが青い用紙に描かれた「演出修正」と呼ばれる原画。「演出修正」とは細田守監督自らが描いたもので、余白の指示書きからそのカットに対する細田監督の演出意図をうかがい知ることができる。





    『時をかける少女』の演出修正。真琴の表情のニュアンスに対する繊細な要望が書き込まれている 
    (c)2006 TK/FP






    『サマーウォーズ』の演出修正。必死で計算する健二の横顔のカット。「狂気入りはじめます」との文字が
     (c)2009 SW F.P.






    『おおかみこどもの雨と雪』の演出修正。雪が告白するカット。細田監督が髪の毛の作画を重視していたことがわかる 
    (c)2012 W.C.F.P.


     ここで紹介したのはごく一部。他にも普段は見られない原画が多数展示されているので、このエリアを鑑賞するためだけにでも、十分に足を運ぶ価値がある。





    背景美術の原画
    背景美術の原画も多数展示されており、まるで写真のようなクオリティの高さを実感することができる。




    絵コンテエリア。『時をかける少女』の直筆絵コンテ。
     絵コンテエリアに展示されている『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の絵コンテ“原版”も貴重だ。『時かけ』と『おおかみ』の絵コンテはコピーではなく細田監督直筆のもの。壁面にはアニメーション評論家・氷川竜介氏による細田監督の演出技法の解説が掲示されている。





    絵コンテエリア。氷川竜介氏による演出解説
    他にも子どもでも楽しめるような細田作品の世界観を“体感”できる展示も充実。



    会場入口に設置されている『バケモノの子』の巨大パネル




    キャラクターデザインのエリア。
    キャラクターのパネルと写真撮影ができる





    『サマーウォーズ』のOZ空間の世界観を再現したエリア




    本職の刀鍛冶が制作した『バケモノの子』の熊徹の大太刀




    ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」制作によるインタラクティブアート「熊徹道場」。
    『バケモノの子』の世界に入って太刀さばきの修行ができる







    ================================
    細田守監督作品 『バケモノの子』展
    時をかける少女|サマーウォーズ|おおかみこどもの雨と雪


    会期:2015年7月24日(金)〜8月30日(日)
    休館日:会期中無休
    開室時間:10:00〜19:00 ※入場は18:30まで
    会場:渋谷ヒカリエ 9F ヒカリエホール ホールA
        〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1
    観覧料(税込)
    大人(大学生以上)      当日1,700円/前売1,500円
    小人(高校生以下)        当日 900円 /前売 700円
    親子ペア券(大人券+小人券) 当日2,400円/前売2,000円

    『バケモノの子展』公式サイト http://www.ntv.co.jp/bbe/
    ================================

    《好評発売中!!》
    SWITCH Vol.33 No.7 細田守 冒険するアニメーション





    『バケモノの子』をはじめ『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』という過去3作品も含め、90ページという大ボリュームで、細田守という次世代を担う作家を特集しています。

    詳しくはこちらをクリック→ 細田守 冒険するアニメーション


    【From Editor】 SWITCH Vol.33 No.7 特集:細田守 冒険するアニメーション 

     『SWITCH』6月20日発売号では、ここで監督が語っている『バケモノの子』をはじめ、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』という過去3作品も含め、90ページという大ボリュームで、細田守という次世代を担う作家を特集しています。

    『バケモノの子』の制作過程を追った「MAKING OF “THE BOY AND THE BEAST”――『バケモノの子』ができるまで」では、“贅沢な布陣”と監督が言う主要スタッフ陣に取材。

    『告白』『悪人』『モテキ』『寄生獣』などヒット作を次々に手掛ける映画プロデューサー・川村元気と、数々の映画衣装を手掛け、『おおかみこどもの雨と雪』に続き2度目の細田守作品への参加となったスタイリスト・伊賀大介には、『バケモノの子』の世界観、ストーリー、キャラクターが作られていく過程を、そのイメージソースとなった数々の名作映画を挙げてもらいながら語ってもらいました。

    細田監督の東映アニメーション時代からの盟友である作画監督の山下高明、そしてその山下と共同で作画監督を務めた西田達三には、『バケモノの子』の作画について、「アクション」と「表情・日常芝居」という観点から語ってもらいました。会見で監督が語っている“アニメーター陣の豪華さ”についても触れられています。

    『バケモノの子』の美術監督、大森崇、眈祥諒拭∪樟醉琉譴裡蛙佑砲蓮∈作の舞台となった「渋谷」と「渋天街」という2つの世界の描き方について聞きました。
    バケモノの世界である「渋天街」に、渋谷や原宿の街の雰囲気が落とし込まれている(!?)、といった興味深い発言も登場します。

    『おおかみこどもの雨と雪』に続いて音楽を担当した高木正勝には、音楽を作っていく過程での監督とのやりとりを聞きました。特にバケモノたちのバトルシーンに関する、卓見とも言える高木正勝の独自の解釈は必読です。

    日本映画界を代表する豪華な顔ぶれが揃ったキャスト陣からは、役所広司、宮あおい、染谷将太、広瀬すず、大泉洋の5人が登場。それぞれの立場から『バケモノの子』への作品愛を語ってくれています。大泉洋が披露してくれたアフレコ終盤のある出来事は、キャスト陣のこの作品への思い入れの強さを象徴する名エピソードです。

    その他、細田監督がすべてを注ぎ込んだ『バケモノの子』の直筆絵コンテ12ページや、過去3作品を“出発点”“名場面”“日本美術”“タイトルデザイン”“シンボルマーク”というキーワードで振り返る「RETROSPECTIVE OF HOSODA FILMS――キーワードで観る細田守の映画」など、『バケモノの子』と細田守作品をより深く観るためのコンテンツが盛りだくさん。『バケモノの子』公開に向けて、是非手にとっていただきたい一冊です。

    (SWITCH編集部)

    ▼SWITCH Vol.33 No.7 細田守 冒険するアニメーション 
    【WEB特典】染谷将太・広瀬すず×映画『バケモノの子』オリジナルキャラクター コラボポスタープレゼント!
    http://www.switch-store.net/SHOP/SW3307.html


    Posted on 2015/6/20

    『バケモノの子』完成披露会見レポート


    2015年6月15日@東京国際フォーラム
    『バケモノの子』完成披露会見
    細田守監督コメント



    『SWITCH』6月20日発売号で特集した、細田守監督の新作アニメーション映画『バケモノの子』(7月11日公開)。
    その完成披露会見が、6月15日、東京国際フォーラムにて行われた。細田守監督をはじめ、声を担当した豪華な俳優陣が登壇。作品への思いを語った。
    ここではその中から、細田守監督のコメントを紹介。


    「みなさん、本日はようこそお越しいただきました。監督の細田でございます。『バケモノの子』、ようやく完成いたしました。スタッフ、キャストともに、ほんとうに考え得る限りのすごいメンツが揃って、この夏の映画を作れることの幸せを改めて噛み締めております。今日はどうぞよろしくお願いします」


    ――監督の作品は、2006年の『時をかける少女』から、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』と、すべて3年おきの夏休みに公開されています。そして、必ずどの作品にも「青空に入道雲」が描かれています。監督が“夏休み”にこだわる理由は何なんでしょうか?


    「入道雲というのは、成長していくんですよね。小さい状態からムクムクと立派になって、成長していく。映画の方も、主人公が、ささやかな一歩かもしれないけれども、何かちょっと成長するとか、前に進むとか、そういうものを描いている。そういうことを、入道雲が大きくなっていくさまに象徴的に託している、ということが一つあります。

    あと、夏休みにアニメ映画を観るということは、子どもにとってすごく重要なことじゃないかと思うわけです。子ども時代の思い出の一つとして。自分自身もそうなんですけど、子ども時代に観た作品たちが、単に面白かったというだけではなくて、子ども時代を彩るものであった。いま、巡り巡って自分が映画を作ることになった時に、子どもたちの夏の思い出を、大きくなってからも思い出すような夏の思い出を、ちゃんと映画の中で彩ってあげたいなという、そういう気持ちで作っているところがあります。

    夏休みに子どもが何か冒険をして一皮むける、成長するというは、絶対になくてはならないものだ、というのかな。そういうものを体現した映画は絶対になくてはならなくて、できれば子どももそういうものを観るべきで、と思うんです。自分自身がそういう夏休みのアニメーションの名作から得てきたものがあるので、それは巡り巡って“お返ししなきゃ”という気持ちがすごくあります」



    ――今回、渋谷を舞台に描かれていますが、なぜ渋谷だったのでしょうか?


    「一番の理由は、画になる街だということですね。渋谷はすり鉢状の街で、谷になっていて、その谷にあらゆる丘から道がつながっている。映画の画作りでは、坂道がすごく重要だったりする。『時をかける少女』なんかでもそういうところがありました。あの時は、新宿の中井という場所をモデルにしたんですけれども。魅力的な坂道をロケーションすることができれば、映画の画作りはすごく良くなる、そういう見込みで渋谷にした部分があります。

    それと、渋谷はいろんな人が集まって、そこで何かが起こっていて、いろんなものを生み出すバイタリティというか、パワーみたいなものがある。この10年20年はもちろん、90年代ぐらいからすさまじいパワーを発している街だと思うんです。そういう、人間たちがバイタリティを発揮して住んでいる、そこで生きているという部分が、バケモノたちが表裏一体に住む世界であるということとリンクするんじゃないかと思いました。そういうところから渋谷を改めて捉え直して、映画の世界として描いてみようと思ったわけです」



    ――なぜいまこの時代に「師匠と弟子」を描いた作品を作ろうと思ったのでしょうか?


    「これは私事なんですけれども、前作の『おおかみこどもの雨と雪』ができてから、我が家に子どもができまして。男の子なんですけれども。その子が生まれた時に、子どもというのは現代において、誰が育てていくんだろう、どうやって大きくなっていくんだろうと、親ながら考えてみたわけです。そうすると、『おおかみこどもの雨と雪』は、要するに、子どもは母親が大きくしていくんだ、という映画だった。

    それに対して、父親は子どもに対して何ができるんだろう、そう思った時に、ほんとうの父親だけじゃなくて、いろんなかたちをとった父親たちが世の中にたくさんいて、そういうたくさんの父親たちが一人の子どもを育てていくんじゃないか、と思ったんです。先生のような年上の人だけじゃなくて、同年代の同級生だって、ある人にとっては師匠たり得る。だから、今回、広瀬(すず)さんが演じる“楓”という登場人物がいるんですけれども、楓は(九太にとって同年代の)女の子ですけれども、映画の役割的には師匠の一人なんです。

    例えば、中学に上がると、同年代に鉄道にめちゃくちゃ詳しい奴とか、洋楽にすごく詳しい奴とかがいたりする。そういう同い年なのにものすごく先を行っている人がいて、そういう人の影響も僕らは小さい時からいっぱい受けているんじゃないか。そうやっていろんな人たちが寄り集まって、ようやく一人の人間が大きくなるんだ、という、そういうことを映画にしてみようと思ったわけです」


    ――監督にとって、フリーになってちょうど10年目の年だと思います。今回これだけスケールの大きな『バケモノの子』を作られて、新たなステージに立たれたという時に、これからの映画作りにかけるお気持ちを教えていただけますでしょうか。


    「10年ということで一つ思うのは、さきほども言いましたけれども、『バケモノの子』はものすごく贅沢なスタッフで作っているんですね。スタッフルームで、原画のアニメーターさんたちのコーナーがあるんですけど、『こんなにすごい人たちが一つの場所に結集するのか』と思うぐらい、すごく贅沢な布陣で映画を作ることができた。作画監督の山下(高明)さんとも、我々はすごく恵まれているよね、幸運だよね、恵まれすぎじゃないかと話していたんですけれども。

    キャストの皆さんに関しても、ものすごい実力と才能を持った方々と一緒に映画を作ることができた。ずっといろんな映画を観て憧れていた皆さんですよ。これは、ただ映画を作ろうとしてもこうはならない気がしていて、一種の運がないとここまでのメンツで映画を作れるという幸運はありえないんじゃないかと思います。そういう方々と映画を作れて幸せです。

    映画のスケールが大きくなると、映画を作るのと同じくらいに、観てもらうための努力をしなければいけない。そういう時に、いろんなチーム、いろんな人たちの協力があるんですが、それは『時をかける少女』が人知れず新宿の片隅で上映していた時からのつながりがすごく多いんです。あの頃からお付き合いさせてもらっている人たちとのつながりが、今につながっていると思うので、すごくありがたいな、幸運だなと思います」

    (SWITCH 編集部)



    ▼SWITCH Vol.33 No.7 細田守 冒険するアニメーション
    【WEB特典】オリジナルA2ポスタープレゼント!
    http://www.switch-store.net/SHOP/SW3307.html



    Posted on 2015/6/18

    ジャズでなければ


     「スイッチ」のジャズの特集は1989年2月クリント・イーストウッド監督による『バード』を中心にすえたものが最初だった。「クールヘの献辞」と題してナット・ヘントフやノーマン・メイラーが寄稿、ジャズに魅せられたクリント・イーストウッドへのインタビューが印象的だった。

    「ジャズはジャズであって、他のいかなる表現手段にも代えられはしない。にもかかわらずある者はステージを写真におさめ、ある者はジャズをテーマに小説を書き、ある者はジャズメンの人生を映画で描こうとする。ジャズは耳だけではなく、目に見える何かを通して現される

    ジャズとの出会いが幸福である時に、ジャズは形を得て別な事柄を想起させ、演じる者をさらに深みに導いてくれる。
    人間の思想には二つに分かれるとタモリは言う。「平地」の思想と「坂道」の思想。平地の思想は存在を時間で考えようとする。タモリはその例としてハイデガーを挙げた。そして坂道の思想は崖の上に立って自由意思が死を選ぶこともできるという、不安と隣り合わせで生きることを選ぶ、キルケゴールを挙げた。ノーマン・メイラーはこれをヒップとスクエアという言葉で分け、アップダイクは泳ぎに譬え、沖に向かうか岸に沿って泳ぐかと、作家の姿勢を問う。タモリの思想の話には先がある。ハイデガーの『存在と時間』は黒い森は見渡せる急斜面に立つ家で書かれたというのだ。
    ジャズは演奏者の自己主張が12音節に集約する音楽だ。俺の話を聞いてくれ。ジャズを楽しむにはその話を聞いてあげる優しさを持たないといけないとタモリは言う。演じる者が何をしてくれるのではなく、聴く者が演じる者に対して何をするか、タモリの生き方そのものだ。坂道こそジャズ、つい穿った見方になる。表現者の意思を受けて雑誌もまたジャズでありたい。

    (SWITCH編集長 新井敏記)



    ▼SWITCH Vol.33 No.5 ジャズタモリ
    【WEB特典】タモリ表紙A2ポスタープレゼント!
    http://www.switch-store.net/SHOP/SW3305.html



    Posted on 2015/4/30

    特集プロローグ (Coyote No.55 旅する二人 キャパとゲルダ 沢木耕太郎ー追走)

    ロバート・キャパと
    ゲルダ・タローは旅する人だった。
    彼らにとって旅とは何だったのか。
    かつて私は、旅を「余儀ない旅」と「夢見た旅」に二分したことがある。
    強いられて余儀なくする旅と自らが望んでする旅との二つがあると。
    だが、それはひとりの人物が常にどちらかの旅をしているということではなく、
    あるときは「余儀ない旅」をし、
    あるときは「夢見た旅」をするということであった。
    人はその人生の中で、「余儀ない旅」を続けながら、
    時として「夢見た旅」をするのだ、と。
    キャパとゲルダの旅する人生の中でも、
    それらは交互に現れたり、ない混ぜになったりしている。
    二人は旅から旅を続け、旅の果てに死んだ。
    死んだのは、どちらも戦場という「旅先」だった。

    沢木耕太郎

    【好評発売中】
    Coyote No.55 
    特集 旅する二人 キャパとゲルダ 沢木耕太郎ー追走
    http://www.switch-store.net/SHOP/CO0055.html


    Posted on 2015/03/19

    セバスチャン・サルガド「蒼氓」(SWITCH Vol.33 No.3より)


     写真家セバスチャン・サルガドは、40年もの長い間世界を伝える秀れたドキュメンタリー作品を発表し続けている。見事な構図、様々な表情を湛えた人々、悠久の大地、劇的な瞬間と、そのジャーナリストとしての真摯な姿勢は特筆される。
     スイッチがサルガドのインタビューをしたのは1992年の事だった。圧倒的に美しく堅牢な南アメリカの辺境を記録した写真とともに誌面を飾った。それから四半世紀の時を経てサルガドは新しく“Genesis”というプロジェクトを展開、ソウルで写真展を開催していた。2004年から始まった“Genesis”は、地球上の最も美しい悠久の場所を求め、ガラパゴス、アラスカ、サハラなど120カ国余りで撮影された。熱気球から撮ったカリブーや水牛の群れ、遊牧民のネネツ族のシベリア横断、サンドウィッチ諸島での“ペンギンの楽園”など、まさに移動をテーマにサルガドの自然に対する思いを具体的にしていた。そのプロジェクトを追った息子ジュリアーノはヴィム・ヴェンダースと共同でドキュメンタリー映画“The Salt of the Earth”を完成させていた。
     その強い意思を現すように顎が張り、髭をたくわえ眼光鋭く、かつての筋骨隆々とした風貌は影をひそめ、まるで思慮深い哲学者のようなスリムな姿でサルガドは眼の前に現れた。エチオピアの難民キャンプを取材した際、水もなく不衛生な中で撮影をしたことで疫病にかかり、寄生虫対策からスキンヘッドにしたと言いながら頭を掻くそぶりが印象的だった。
     サルガドはかつて自身の作品のスタイルをこう語ってくれた。
    「決定的な瞬間には興味がない。私にとって興味は曲線状に発展していくもの、変わっていくもの。そこに自分自身も変わっていくことだ。それは作品に広がりと深さを与える」
     時を経て、風貌の変化も誇り高き作品となると思った。

    続きは本誌でご覧ください

    ▼SWITCH Vol.33 No.3 COMME des GARÇONS 好評発売中
    【WEB特典】コム・デ・ギャルソン2015年DM or A2ポスタープレゼント!
    http://www.switch-store.net/SHOP/SW3303.html



    Posted on 2015/2/25

    【好評発売中】SWITCH 30th Anniversary JEAN DIADEM × STAG WATCH


    SWITCHの創刊30周年を記念してコラボウォッチを作ろうと思った時、まず最初に頭に浮かんだのが俳優・浅野忠信だった。この30年の中で幾度となく表紙を飾った男。ある時はウォン・カーウァイ監督によるショートムービーのワンシーンで、ある時は返還に沸く香港の地下鉄駅で、ある時はバンコクのホテルのバスタブの中で……。SWITCHと共に時代を歩んで来たといっても過言ではないだろう。
    彼はまた、ファッション・アイコンとしても強い個性を持ち、ファッション・ブランドJEAN DIADEMを展開している。
    そこで、今回はSWITCH、JEAN DIADEM、そして腕時計ブランドのSTAGによる3者コラボということでスタートした。
    浅野に打診するとすぐに快諾。時計に関する思い入れが強いこともわかった。

    INTERVIEW ASANO TADANOBU
    PHOTOGRAPHY:ISOBE AKIKO TEXT:SWITCH

     時計に関しては、ずっと探していたんです。昔観たある写真集に男性が写っていて、何てことない白のシャツに黒のズボンを穿いてアトリエみたいなところに立っている写真なんですけど、その人がとてもシンプルな時計を着けていたんですよ。これはカッコいいなと思いました。そんな時計が欲しくて、いろいろ探したんですけど、見つけられませんでした。最近の時計ってサイズが大きいんです。小さいサイズの男物ってあまりなくて、さんざん探して似ているものを買ったのですが、それでも似ているだけで、僕の理想とは違いました。


    俳優らしいファッションとは?


     JEAN DIADEMを立ち上げた時はジーパンを作りたかったんです。母が古着屋をやっていたことが影響していると思うのですが、自分が欲しいジーパンを作ったのが始まりでした。
     その後、俳優らしいファッションって何だろうとずっと考えていた時期がありました。そこで頭に浮かんだのが映画『理由なき反抗』。ジェームズ・ディーンが赤いドリズラージャケットにジーパンを穿いている。高倉健さんもスイングトップにジーパンを穿いていた。それでこの組み合わせって俳優っぽいのかなって勝手に思うようになって、じゃあ俳優らしい時計とはどういうものだろうって。
     そうやって考えた時計がこれです。このモデルならオールマイティに行ける。スーツにもカジュアルにも似合うし、その日の服に合わせて文字盤の色を選べるように黒と白を作りました。まさに理想的です。
     作っている途中に「やっぱり流行っているような時計を作った方がいいんじゃないか」と思ったこともありましたが、「いや、俳優のファッション。だから時計はこれ」というところに立ち返って完成させました。


    エイジングを受け入れる


     時計バンドは革製にしました。ジーパンって穿いて行くと味が出て来るじゃないですか。一年間穿いて洗ってみたらこうなった、っていう。それと同じようにこの時計のバンドもどうやって成長していくのかなって、とても気になっています。アンチじゃなくてアグリーエイジングですね。
     考えを重ねて行き着いたモデルなので、飽きないものになったと思います。長く着けてもらえたら嬉しいですね。



    SWITCH 30th Anniversary JEAN DIADEM × STAG WATCH
    ステンレスケース。日本製3針ムーブメント。カウチレザーバンド。
    5気圧防水。サイズ:ケース35mm/バンド20mm。
    各色26,000円(税別)
    SWITCH WEB(http://www.switch-store.net/SHOP/124876/list.html)で発売中。




    Posted on 2015/3/20

    猿のあいさつ(MONKEY Vol.5 死者の歌ーイギリス・アイルランドの物語)

     今回は、イギリスとアイルランドの小説の特集です。
     アメリカ文学をいちおう専門とする人間にとって、イギリスとアイルランドの文学は、実に魅力的な「隣の庭」です。猿得意の「ものすごく乱暴な」一般論をふりかざせば、アメリカ文学が自分が〈いま・ここ〉にいることに苛立ち、憤りがちであるのに対し、ブリティッシュ=アイリッシュ文学は〈いま・ここ〉と折りあおう、歩み寄ろうとする傾向がある。人生の限界を拒むか、受け容れるかの違いと言ってもいいかもしれません。
     もちろん、受け容れると言っても、そこには苦い諦念が混じっていることもあるし(この特集ではジョイスの「死者たち」――アイルランド文学には特にその傾向があると思う)、受け容れる人間に辛辣な目を向けていたりもする(たとえばサキ)。離れて見ている限りでは、素敵な隣の庭、で片付けてしまいますが、いざ庭に入ってみると、一画一画、それぞれ趣は違います。
     そもそも、英文学、と我々はまとめてしまいがちですが、グレートブリテン島には連合王国の中心として一時期世界をリードしたイングランドがあり、そのイングランドと実に複雑な歴史的関係を持つスコットランドがあり、同じく独自の言語と文化を持つウェールズがあり、お隣アイルランド島の上五分の一は連合王国の一部で宗教的にはプロテスタント中心の北アイルランド、あと五分の四はカトリック中心でこれまたイングランドとの凄絶な歴史があるアイルランド共和国。例によって個人的に愛好する作家・作品を選んで訳した(プラス、池澤夏樹さんには旅するイギリス作家ブルース・チャトウィンを「演じて」いただいた)この特集は、これだけ多様な氷山の、ほんの一角の先端のそのまた表層を示したにすぎません。氷山の大きさ、凄さをなんとなく感じてもらえれば嬉しいです。
     それにしても、猿の力不足で、ウェールズの小説を入れられなかったことが悔しい。悔しいので、ここで、あるウェールズの詩人の詩を訳します――

    幽霊見たなんて言う奴は
     噓つき 酒吞み 意気地なし
    でももし幽霊に 会ったなら
     こう訊こうと 思ってる
    「この世の先には 何がある?」

    ある夜(よる)夢で 会ったぜ幽霊
     知りたいことを 訊いたらば
      「ははは、そう来ると 思ったぜ、
     俺だっていま 訊きたいさ、
    『この世の先には 何がある!』」
    (W. H. Davies, “Q is for the Question,” A Poet’s Alphabet [1925])
                                  猿


    <好評発売中>
    MONKEY Vol.5 死者の歌―イギリス・アイルランドの物語


    Posted on 2015/02/15

    SWITCH Vol.33 No.3 COMME des GARCONS 未来への意思を繋ぐもの


     2015年コム・デ・ギャルソン春夏コレクションは、「薔薇と血」がテーマだった。薔薇は幸せなイメージではなく、政治、戦争、宗教に登場したもの、血を伴う鮮烈なイメージの薔薇だった。グロテスクなイメージだけではなく、素材やフォルム、その色彩と相まって、見る者を豊かな冒険へと誘った。想像力豊かな川久保玲のデザインにデュシャンの作品を重ねる。常識的な服の概念に疑問を投げかけた寵児として登場した川久保玲は、同時に日常の在り方を人々に問いつづけている。「薔薇と血」は、原始的な本性によって衝き動かされ荒々しい生を緊迫したフォルムの中に描く。
     40年以上にわたってコム・デ・ギャルソンを続けてきた川久保玲の意思、たえず新しいデザインに挑戦する勇気、クリエイティブとビジネス、その二つを時代を牽引する滑車として重ね合わせた醍醐味。コム・デ・ギャルソンこそ、人の心を動かすブランドだった。
     川久保玲のデザインはファッションの世界に留まらず一つの生き方として未来を指し示している。
     川久保玲に創作の秘密を訊ねた。
    「何か新しいものを探すのに終わりはありません。普通の生活をする中で考えるだけです」
     山や野の仕事に従事する人と同じで、森の生活で聴かれる風の言葉のように感じられた。

    ▼SWITCH Vol.33 No.3 COMME des GARÇONS
    【WEB特典】コム・デ・ギャルソン2015年DM or A2ポスタープレゼント!
    http://www.switch-store.net/SHOP/SW3303.html



    Posted on 2015/2/16

    SWITCH SPECIAL ISSUE 『Red Bull Music Academy Tokyo 2014』 刊行記念パーティー開催!


    12月18日(木)19:00〜21:30
    dublab.jp (http://dublab.jp)にて ON AIR!



    12月20日に発売される『Red Bull Music Academy Tokyo 2014』の刊行を記念したパーティーの開催が決定。Red Bull Musica Academy Tokyoのアートワークを担当した伊藤ガビン、受講生としてレクチャーに参加した日本人アーティストAlbino Sound、Haiokaらが集結し、トークショー、さらにはDJプレイを披露してくれます。このスペシャルなパーティーの様子を、様々な音楽、アート、カルチャーを世界に発信する「dublab」にてリアルタイムで配信します。

    【タイムスケジュール】
    19:00 Open(dublab.jp DJ)
    19:30 Talk(原雅明 × Albino Sound × Haioka × 伊藤ガビン)
    20:00 Albino Sound & Haioka DJ
    21:00 dublab.jp DJ
    21:00 Close




    SWITCH SPECIAL ISSUE(Red Bull Music Academy Tokyo 2014)
    2014年12月20日発売 864円(税込)




    Posted on 2014/12/16

    AKG × SWITCH コラボレーション企画特別プレゼント 入山杏奈サイン入りヘッドフォンを4名様に!


    現在発売中のSWITCH12月号に掲載の
    AKG presents
    入山杏奈(AKB48)[AIRY GIRL WITH NEW SOUND]
    にて入山杏奈さんが着用しているAKGヘッドフォン「Y50」に、
    入山さんの直筆サインを入れて4名様にプレゼントいたします。

    ご応募は官製ハガキもしくはSWITCH12月号に封入されている読者アンケートハガキに、
    住所、氏名、年齢、職業、連絡先(メールアドレス可)および、
    「ご希望のプレゼント番号」に”AKGヘッドフォン”と明記の上、
    SWITCH編集部までお送りください。

    宛先
    東京都港区西麻布2-21-28
    株式会社スイッチ・パブリッシング
    スイッチ編集部「AKGヘッドフォンプレゼント」係
    (Y50のカラーリング指定は不可となります)
    なお、当選者の発表はは商品の発送をもってかえさせていただきます。

    締切:2015年1月20日(当日消印有効)


    AKG「Y50」についての詳細は下記をご参照ください。
    AKG
    http://akgsound.jp



    Posted on 2014/11/20

    ジョン・クラッセン・インタビュー「読者を信頼する職人」聞き手 柴田元幸

    10月25日、絵本「木に持ちあげられた家」が刊行。挿画を担当しているジョン・クラッセンは柴田元幸責任編集の文芸誌「MONKEY」第二号目の表紙を描いて下さっています。

    絵本「木に持ちあげられた家」の刊行を記念して、全二回にわたりジョン・クラッセンのインタビューを特別公開。

    ジョン・クラッセン・インタビュー(第二回/全二回)  
    インタビュー=柴田元幸

    「語らない」ことの手本たち

    柴田 影響ということについて聞かせてください。絵本作家だけでなく、小説家や映画監督などで、影響を受けた人はいますか。

    クラッセン むしろ絵本作家以外から影響を受けていますね。絵本でない方が、学ぶところがあったら応用もしやすいし。たとえばウィリアム・クリステンベリーという七〇〜八〇年代に活動した写真家がいて、もっぱらアラバマの建物を撮っていました。同じ建物を、二十年くらいにわたって、何度も何度も撮る。凝った撮り方もせず、シンプルなカメラで。でも、その写真を通して、建物の劣化、成長、変化を見ていくと、すごく感情を刺激されるんです。

    柴田 人も撮るんですか?

    クラッセン 人は絶対撮りません。いつも建物だけ。でも彼が、それらの建物と心を通わせていることがわかるんです。だから、その建物が取り壊されてしまったのを見たりすると、とてもショッキングです。
     小説家で一番好きなのはコーマック・マッカーシー(現代では稀な叙事詩的スケールで、しばしば暴力的な世界を描く、現代アメリカを代表する作家の一人)。彼の会話には、引用符がありません。誰が喋っているのか、きちんと考えながら読まないといけない。それに、「……と彼は哀しそうに言った」なんて書き方もしません。「……と彼は言った」だけ。その人がどう感じているか、文脈から考えるしかありません。その言葉少なさ、潔さが素晴らしい。表現にはすごく凝る人だけど、感情をいちいち説明したりはしません。彼もやっぱり、読者を信用していますね。
     映画ではスタンリー・キューブリックがそう。遠くから撮って、感情を間近から映したりはしないから、何がどうなっているのか、観ている人間が決めないといけない。すごくミステリアスです。絵本でもそういうことをやりたいけど、子どもにそこまで根気があるかどうか(笑)。

    柴田 そういうふうに、顔も描かない、感情も直接伝えたくない、という哲学でやっていると、絵本を出すのに苦労しないですか?

    クラッセン 最初は苦労しましたね! でもあるとき、出版社が『木に持ちあげられた家』の物語を送ってきて、絵本にしないかと誘ってくれた。これなら僕も描けるかもしれないと思いました。家と木と空地の話なら僕にもできるかなと。で、だんだん物語を練り上げていくうちに、キャラクターも描かないといけない段階まで来た。でも人物同士が動き回っておたがい見つめあう、みたいな本はやりたくない。どうしたらいいかと思っていると、コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』が出て、これに大いに触発されました。すごくクリーンな本で、すごくグラフィックだった。シンプルでグラフィックな本では感情は伝わらないとか言うけど、そんなことはなかった。シンプルであるにもかかわらず感情が伝わってくるんじゃなくて、シンプルさ自体に感情がこもっているんです。ものすごく読者を信頼している。読みながら、本当に泣けてきます。シンプルさを通して感情を伝えることは可能なんだと教えられました。これが大きかった。それまでは……描くのが好きなのは椅子とかだけど、椅子じゃ絵本にならない(笑)。

    柴田 絵を描くことは自然にできることじゃないとおっしゃるし、そもそもどうして絵本作家になったんですか(笑)。

    クラッセン 描くのはいまだに苦労します。いまだに何も学んでない気がする(笑)。でも、好きではあったんです。すごく小さいときはそうじゃなかった。一年生のときに、リンゴを描きなさいとか言われても、何も描かなかった。でも、こういうおはなしを絵にしてごらん、と言われて初めて描く気になりました。いまだって展覧会のために絵を描く、とかいうのは全然惹かれない。皆さん、僕はリンゴをこんなに美しく描けるんですよ、とかね。物語と絵を組みあわせるのが楽しいんです。

    ちょっとcreepy

    柴田 カナダ人であるということで、違いはありますか? アメリカ人とは。

    クラッセン あると思いたいです(笑)。アメリカに住むようになって八、九年経つけど、離れていればいるほど、自分はカナダ人なんだという思いが強くなってきます。『木に持ちあげられた家』にしても、物語を書いたテッド・クーザーは、たしかネブラスカに住んでいて、近所の家をモデルにしたんだけど、読んでいて僕は、オンタリオでよく見る、戦後すぐくらいに政府が建てた四角い家を思い浮かべました。まわりに林があって……やっぱりカナダで育ったことは影響しているでしょうね。カナダを愛しています。

    柴田 日本の芸術はどうですか? 興味は?

    クラッセン もちろん。まず版画。浮世絵とか、すごい技巧ですよね。山のてっぺんの白い雪とか、目を惹くけど、実はそこにインクは使ってない。それが効果的になるように、ものすごく丹念に、辛抱強く計画しているんですよね。
     日本文化全体、アニメ、デザイン、イラスト、みんなすごく……クリーンです。宮崎駿の映画なども、顔は明快に描いてあって、感情もはっきりわかるんだけど、描き方が一種仮面のようというか、アメリカのアニメみたいに、怒った人はいかにも怒った表情、楽しそうな人はさも楽しそう、というふうにはやらない。やっぱりここでも、観る人を信頼していて、こっちの方がずっと効果的ですよね。

    柴田 いろいろ伺っていると、あなたは読者を信頼する、アーティスト(芸術家)というよりアーティザン(職人)という気がします。ワークマンシップ(技量、熟練)を大切にしていて。

    クラッセン うん、「アーティスト」という看板には頼りたくない。たとえばアートディレクターや編集者と意見が合わなくても、「アーティストは俺だ」みたいなことは言いたくない。「これが僕のビジョンだ。これを信じてもらわないと」とか。きちんと、論理的に説明しないといけない。だから作品を渡すときも、自分が作ったものを「アート」と呼ぶ気はしません。「品(ピース)ができました」とか「イラスト完成しました」とか言う。僕がやっていることはエンターテインメントです。届くべき読者がいて、解決すべき問題がある。それはアートとは違います。 柴田 自分の絵本のときは、絵と言葉と、どっちが先に?

    クラッセン 言葉。でもほかの人とやるときは、そうとは限りません。

    柴田 え、絵を先に描くということ?

    クラッセン たとえば、『くらやみ こわいよ』は、子どもが懐中電灯を持って、階段の下を照らしている、そういう絵がまず一枚あったんです。でも、そこからどういうストーリーにしたらいいかわからない、と編集者に言ったら、じゃあレモニー・スニケットに書いてもらおう、と。

    編集部 『木に持ちあげられた家』のカバーはどうやって決めたんですか?

    クラッセン たしか三つか四つ案があって、はじめ一番気に入っていたのは、屋根が高い木々に囲まれてほとんど埋もれたようになっている絵でした。そういうのってめったに見ない光景ですよね。でもそれは、結末で起きることだから、表紙で見せてしまうのはまずい。だけどよく考えてみると、「木に持ちあげられた家」というタイトルで、結末をすでに伝えているんですよね。本全体、何のトリックもなく、詩的な文章で、何のてらいもなく、タイトルで宣言したとおりのところへ持っていく。だから絵の方は、結末を見せるのはやめて、本のなかのどこにも属さない瞬間を描きました。ちょっとミステリアスに、ちょっとcreepy(不気味)に。出版社もそれは理解してくれて、この文章なら水彩画のキレイキレイな本に仕立てることもできるけど、ちょっとcreepyで行こう、と言ってくれた。

    柴田 ちょっとcreepy、ってあなたの大半の本に当てはまりそうですね。

    クラッセン ははは。creepyな本は子どものころから好きだったな。

    柴田 僕はエドワード・ゴーリーの翻訳者なんですが、彼なども……

    クラッセン ゴーリー! 大好きです。彼が描いた、ジョン・バキャンの『三十九階段』という小説の表紙はすごいですよね。大きな岩が、ぽっかり宙に浮かんでいて……。あるいは、ドアから脚が二本、突き出ているだけで、人が殺されていることを伝える。手を抜いてるんじゃなくて、読者の想像力に任せてるんです。
     子どもが相手だと、彼らがまだ受け容れる態勢ができていないものを見せたくはない。脚が二本、突き出ているだけなら、そこから子どもが何を読みとろうと、それはすでに子どもの頭のなかにあるものです。しかもそれが子どもを死ぬほど怯えさせる。すごいですよ。エドワード・ゴーリーは僕の英雄の一人です。

    柴田 最後に、いま取りかかってらっしゃる本。Sam and Dave Dig a Hole(サムとデイヴ、穴を掘る)というタイトルだそうですが、完成しましたか?

    クラッセン うん、ホテルから昨晩ファイルを送りました。

    柴田 おめでとうございます! 読めるのを楽しみにしています。

    (二〇一四年三月八日、Rainy Day Cafeにて)

    写真=森本菜穂子

    ジョン・クラッセン・インタビュー「読者を信頼する職人」聞き手 柴田元幸

    10月25日、絵本「木に持ちあげられた家」が刊行されます。挿画を担当しているジョン・クラッセンは柴田元幸責任編集の文芸誌「MONKEY」第二号目の表紙を描いて下さっています。

    絵本「木に持ちあげられた家」の刊行を記念して、全二回にわたりジョン・クラッセンのインタビューを特別公開。

    ジョン・クラッセン・インタビュー(第一回/全二回)  
    インタビュー=柴田元幸

    顔は描きたくない

    柴田 『Monkey』第二号の素敵な表紙の絵、ありがとうございました。

    クラッセン いえいえ、誘ってもらってこちらこそありがとうございます。

    柴田 みんながこの猿の背中、撫でたいって言ってます(笑)。

    クラッセン ははは。

    柴田 先日の講演(三月五日、長谷川義史とのカナダ大使館での講演「『どうかいてんねん?』ジョン・クラッセンと長谷川義史の絵本の世界」)ではコンピュータを使ってらっしゃいましたが、この絵は……

    クラッセン これは手描きです。すべて色鉛筆。でも一枚の絵じゃなくて、猿全体を一枚の紙に描いて、黒い線は別の紙、下の柵も別、と三枚描いて写真に撮って、コンピュータ上で合成しています。

    柴田 クラッセンさんは、コンピュータをとても人間的に使われるという印象があります。

    クラッセン コンピュータを使うなら、とにかくソフトに見えないと。どうしてもシャープになってしまいがちなので。

    柴田 この猿はどこから?

    クラッセン 特にモデルはいませんね。こっちを見てないキャラクターを描くのが好きなんです。顔を描かなくていいから(笑)。でもそれだけじゃなくて、顔が描いてない方が、神秘がある。この猿はこっちを見てもいないし、誰と一緒にもいません。何を考えてるのかな、と考えさせます。顔を描くのって、どうも抵抗を感じてしまうんです。顔を描かない限り、キャラクターにはある種の威厳がある。この猿は僕が作った操り人形じゃないと思えるんです。この本(『木に持ちあげられた家』を手にとって)でも、顔を見せないことで、人物たちが尊厳のようなものを保っている。

     同じように考える人に会ったことはないので、考えすぎかもしれないけど……僕としては、キャラクターになにがしかのプライバシーを与えたいと思うんです。

    柴田 たとえば『どこいったん』(クマが赤い帽子をなくして、みんなに「ぼくのぼうし どこいったん?」と訊いて回る話。長谷川義史訳、クレヨンハウス。原書、二〇一一年刊)、対話はあるんだけど、あんまりアイコンタクトがなくて、キャラクターたちが何を考えているのか、はっきりしません。こっちの『くらやみ こわいよ』(少年が家にひそむ闇に声をかけて、だんだん地下の、闇の核まで降りていき、闇とある種の和解を遂げる話。蜂飼耳訳、岩崎書店。二〇一二年刊だが、描いたのは数年前だそう)でも、何しろ相手が闇だから、アイコンタクトのとりようがないし……

    クラッセン うん、それにその子は表情もぜんぜん変えなくて、感情を見せません。絵本というと、子どもが怖がるとなると、ギャーギャーわめいたり駆けまわったりするけれど、一人でいて、本当に怖かったら、どんな顔をしているか。実は外からは、怖いかどうかもわからないんじゃないかな。

    柴田 『木に持ちあげられた家』では、人の顔は見えないし、「売家」の看板の字も……

    クラッセン うん、それはもう少し現実的な理由で、翻訳される可能性を考えると、字は少ない方がいいかなと(笑)。

     老人が一人で住んでいる、その気持ちは僕にはわからない。目を描くことも鼻を描くこともできるけど、そうしたらマンガになってしまうかもしれない。描いてない方が、僕にとってはこの人が……よりリアルなんです。

    柴田 なるほど。

    クラッセン それに、描かない方が楽だし(笑)。



    子どもが物語を作ってくれる

    柴田 あなたの絵本は、いろんな意味でルール破りですよね。顔は描かないし、『ちがうねん』(大きな魚が寝ているすきに小さな魚がその帽子を盗んで、逃げおおせると思ったけれど……という話。長谷川義史訳、クレヨンハウス。二〇一二年刊)では、絵と言葉が全然違っていたりする。“And he probably won’t wake up for a long time”とか言ってるのに、絵の魚はばっちり目が覚めてる(笑)。

    クラッセン 絵を描くことは、僕にとって、自然にできることじゃないんです。だから、人の目を惹くために、絵の上手さには頼れない。何かアイデアが必要なんです。

     その意味で、『ちがうねん』はいままでやった本のなかで一番難しかったですね。物語からは、どんな絵を描いたらいいか、決まらないから。これが、『くらやみ こわいよ』だったら、とにかく闇がある。それでグラフィック的にスタイルも決まってくる。でも、『ちがうねん』は、言葉がひとつの物語を語り、絵は別の物語を語ります。どっちかが噓をついている。面白さもそこにあります。僕は帽子を持っています、と言葉が言っていて、誰かが帽子をかぶっている絵があったってつまらない。言葉では、小さな魚は帽子を盗んだ、と言ってるだけだけど、絵を見れば、彼が疚しい思いでいることが子どもにはわかる。子どもが作者に代わって物語を作ってくれるんです。

    柴田 その「疚しさ」も興味深いですね。ふつう、絵本の主人公って、子どもが自分を重ねても安全な、正しいことをするキャラクターじゃないですか。でもこの本とか、『どこいったん』だと、倫理的にやや疑わしいというか……

    クラッセン うーん、でも、僕のキャラクターも最終的には、いい人たちなんだと思いたいです。『どこいったん』でも、クマはウサギを食べてしまうわけだけど、この最後のページで、クマは自分がやったことについて考えている。自分のしたことは本当によかったんだろうか、そう思いをめぐらせている。このページで、僕らはクマの心のなかに入ります。子どもはこの本を読んで、帽子を盗まれたら盗んだ奴を殺していいんだ、という教訓を感じとりはしないと思う。

    柴田 つまり、読み手を信頼しているということですね。

    クラッセン うん、もちろん。ひとつのピースは意味をなさない。もうひとつのピースも意味をなさない。でもそれを子どもが組みあわせて、意味を作ってくれる。そういうことに関しては、僕は楽観的ですね。

    写真=森本菜穂子

    第二回に続く

    旅する雑誌「Coyote」がラジオ番組に! 「Coyote Traveling」InterFMにて9/27、夜10時よりオンエア

     9月27日 22:00~23:00、Coyote 編集長・新井敏記 が番組ホストを務める「Coyote Traveling」がオンエア されます。現在発売中の Coyote 最新号「アラスカ 星野道夫の暮らし」と連動したスペシャル・プログラムです。 特集で星野道夫の暮らしをめぐって旅をした作家・松家 仁之さんと新井敏記によるアラスカ・星野道夫をめぐる トークや、坂本美雨さんによる星野直子さん書き下ろし エッセイの朗読。カナダ・アラスカを流れる旅人の川、ユー コンをめぐる、写真家・佐藤秀明さんと新井敏記のトーク など。どうぞお聞きください!
    (インターネットの radikoでもお聞きいただけます)

    ▼好評発売中
    Coyote No.53(アラスカ 星野道夫の暮らし)
    ▼定期購読キャンペーン中
    Coyote定期購読のお申し込みはこちらから


    Posted on 2014/09/10

    Coyote No.53 for Readers『私の生きるここ』

     Coyoteは今号で創刊10年を迎えた。2004年9月の第1号、森山大道から今号の星野道夫まで、途中1年半のお休みを挟んで通巻54号を数える。10周年を記念して、Coyoteにゆかりのある詩人や画家、作家、写真家の方々にコメントをいただいた。詩人の谷川俊太郎さんはこうだ。

    「いろいろな10年があります。0歳から10歳までと、70歳から80歳の間の10年は意味が違う。Coyoteはよちよち歩きの赤ん坊からようやく小学生の4年生になった。あっという間だったでしょう。でも10歳から20歳の10年が一番大事です。そこで何をするか、何ができるか、20歳になったらまたいらっしゃい。そうしたら20歳から30歳までが一番大事だと言ってあげる。でもその時には僕が生きていないね」

     そう言うと谷川さんはけらけらと笑った。
     創刊号で谷川さんに「コヨーテ」という詩を書き下ろしていただいた。そして2010年1月号ではアラスカに誘った。谷川さんから、アラスカという場所に住む人たちに訊いてほしいことがあった。古老のインディアン、ストーリーテラーの先住民はもちろん、新しく移住して来た白人にも会ってほしかった。人生の畏れ、喜び、悲しみ、この土地で暮らすことを、谷川さんのみずみずしい感性を通して、もっと理解したいと思ったのだ。アラスカで詩人は詩を4編書き、本を読んだ。一度だけ会ったことがあるという星野道夫のことを訊いた。

     よく覚えていない、と、谷川さんは笑った。正直な言葉に少し戸惑った。 一本の木によらず 一羽の鳥によらず 一語によって私は人(「旅」谷川俊太郎より)
     詩人はゆっくりとアラスカの風景の中にいた。

     Coyoteは旅を続ける。もし道に迷うことがあればーー当然のように今日にも迷うことは明白だがーーいつもこう思うのだ、谷川さんならどうするだろうと。谷川さんの言葉を胸に抱いて、詩人の軌跡を追えばいい、轍を踏んで先に進むことだ。後10年、いつも私の生きるここを求めてその路地を右へ。

                           Coyote編集長新井敏記

    <好評発売中>
    Coyote 10th Anniversary(アラスカ 星野道夫の暮らし)


    Posted on 2014/09/18

    ーCoyote10周年記念ー100人からのメッセージ動画

     トラベルカルチャーマガジン「Coyote」は、2004年の 創刊から今年で10年を迎えます。10周年を記念して、10年の間にCoyoteの誌面を飾った 写真家や作家やアーティスト、また常日頃からCoyoteを応援してくださっている方々、100 人からのメッセージをいただきました。
    その動画を日々特設ページにて公開していきます。
    荒木経惟、 谷川俊太郎、伊藤比呂美、柴田元幸、藤代冥砂、首藤康之、角田光代、操上和美、山嬰 ......普段見ることのできない雑誌の作り手たちの動く姿をお見逃しなく!
    http://www.coyoteclub.net/10th/index.htmlにて毎日1人ずつ公開します。
    




    Posted on 2014/09/18

    佐藤秀明インタビュー 「ユーコン、旅人の川を語る」 聞き手 新井敏記

    佐藤秀明さんの写真集『Yukon』が9月15日に刊行になります。
    佐藤さんは世界の辺境を旅して自然とそこで暮らす人々の営みを撮り続けてきました。

    今回旅したユーコン川は、カナダからアラスカを経てベーリグ海へ注ぐ全長3200kmの大河。悠久の自然を流れる雄大な川です。佐藤さんはカナダのホワイトホースからドーソンまで約650kmを、筏とカヌーで旅をしました。

    ユーコンは先住民の言葉で「大河」を意味します。
    佐藤さんの冒険は一万年前に大地が氷河で覆われたころの物語を、僕たちに見せてくれています。

    佐藤さんへのインタビューを、今回WEB限定で全三回に分けて掲載致します。

    インタビュー=新井敏記



    第三回

    ユーコンの始まりと終わり

    ──写真集『Yukon』の話に戻ります。この一冊を見ると、旅の始まりと終わりでは、川の風景が変わり、心の在り様も違うからか、写真の密度が変わっていく。うすくなっていく感じです。一本の川が古代から現代を旅するように現れていく。上流が古代で、下流が現代です。佐藤さんがシャッターを切ることも少なくなっているように感じます。街に入ると自然が痛めつけられて悲しく思う佐藤さんがいましたか?

    佐藤 むしろユーコンの自然が荒らされていたのは、過去なんです。ゴールドラッシュの19世紀の初頭。人が一攫千金を夢見て自然の中に入ってどんどん荒らしていった。山は蒸気船の燃料として伐採されて、ほとんど禿げ山になっていたそうです。今は人が消えて、自然が復活しようとしている。蘇って、それ以前の姿が再現されているように思いました。

    ──自然の復元力ってすごいです。

    佐藤 障害物が何もなく、空を360度見渡せる場所はそうそうあるものじゃない。ユーコン川の上には満面の空が広がっています。テントに入って珈琲を呑みながら顔を覗かせると、空にオーロラが広がっている。その下で遠くに焚火をしている仲間を眺めるのは、幸福な時間です。

    ──立ち止まる、ここが宇宙のど真ん中、誰かの川柳です。そんな感じがします。

    佐藤 キャンプすると、ここが中心だと思います。珈琲に美味さを初めて味わいました。


    好きな場所

    ──3000キロの流れで佐藤さんが一番好きなところはどこですか?

    佐藤 ホワイトホースからドーソンまでです。あそこは本当に旅人ためにあるような川です。

    ──アメリカ流域とカナダ流域の違いはなんですか?

    佐藤 カナダ北部はトウヒなど松の針葉樹林で覆われ、「ボレアルフォレスト」と呼ばれているんです。熱帯雨林同様、多くの野生動物の棲息地となり、トウヒは「永久凍土」という根を地中に伸ばせない過酷な土壌でも、枝を地面に延ばし子孫を増やしている。アラスカは湿地帯が多く蚊がはんぱなく多い。

    ──旅の終わりを徐々に意識しはじめる?

    佐藤 ユーコンはアラスカのランゲル山地を源流とするホワイトリバーと合流する。川幅は広いが、泥砂で真っ白に濁っている。ジャックロンドンが越冬したスチュアート島とドーソンの間には、いまだに夢を捨てきれずに金を探しながら暮らしている人達のキャビンが川辺の森のそこここに見えてくる。旅のゴールも近いことを察知するようになる。川面を吹いて行く風は冬の前触れのように冷たく感じられるのです。

    ──佐藤さんは多くの共感を炭坑夫に寄せていますね。

    佐藤 峡谷を命がけで越える男たちの金への欲はすごいです。挫折して違う生き方を見い出す男もいる。そこで定住していく。例えばインディアンの女と出会って所帯を持つ。旅の通過地点で旅人のための宿を営むような男もいる。そういう面影がドーソンの街には残っているのです。

    ──死に対する畏れですか? 移動をすることをやめて定住を選ばせる。

    佐藤 北というのは人を試すようなところがある。北の大地で自分を見つけていく。ドーソンという街は金で潤ったけれど、いったん金が出なくなると急激に寂れていく。でもそこに留まる男たちがいる。何かを決断している。寒い冬を越すことをあえて選ぶ。ドーソンに住む一人ひとりに理由がある。こんどゆっくりと訊いてみたいと思う。

    ──「なぜここに住んでいるのですか?」というのは、星野道夫さんが北で暮らす人に必ず訊ねた質問でした。

    佐藤 僕は、「なぜここに来たのか?」という質問をしたいね。ユーコンがアラスカの北極圏に入ると、小さな村には必ず一軒のゼネラルストアがあるんです。あるストアはロシアからの移住者が営んでいました。話を聞くと、ロシアから亡命してきたんだと言う。アメリカの国内を転々として、結婚も3回失敗していた。失敗する度に北へ向かうというんです。逃避行です。よく聞くと、男はシベリアに抑留されていたと知った。どんどんそっちに近づいていく。「ここであと数年稼いで、シベリアに帰る」と男は言っていました。

    ──物語がありますね。

    佐藤 ある村には「ラストチャンス」というバーがありました。これ以上北へ行くと飲み屋がないという意味で店主が名付けたそうです。

    ―――店主には物語がありそうですね。

    佐藤 みな物語を背負っている。物語がないと彼らは生きていけないような気がする。

    ──逃避行をするとしたら佐藤さんは北か南かどちらに?

    佐藤 わからない。本当に挫折したらどうするだろう。北かな。でも北極圏じゃない。人生やり直すのは新潟でしょう。棚田の広がる美しい農村に住みたいです。

    ──旅の終わりは寂しいですか?

    佐藤 そうですね。やっと帰れるという想いと終わるという感傷があります。

    ──再訪したい場所は?

    佐藤 カシミールとニューヨークです。ニューヨークは住んでいたから。あの頃は一番写真が上手く撮れたような気がします。

    ──最初の外国は?

    佐藤 アメリカです。何がなんでも写真をものにしたいと思った。ロスへ飛んでグレイハウンドバスでニューヨークに向かった。

    ──最初の一人旅は?

    佐藤 中学生の時です。西宮に転校していじめにあった。初日、先生の関西弁にびっくりしていたら「関西をなめたらいかん」と往復ビンタをくらった。それから登校拒否になって、学校に行かず裏山でずっと過ごしていました。最初の山ですね。その後、親父が持っていたカメラを内緒でぶらさげて須磨まで電車に乗って、海岸で写真を撮った。

    ──なぜ写真を撮っていたのでしょう?

    佐藤 わからない。ただカメラがあったから……。絵を描くことは昔から好きだった。何かしないと辛いんです。さぼっているから。

    ──紙焼きで残っていますか?

    佐藤 残っていない。海岸をミャンミャンと撮っていたかもしれないね。

    ──ミャンミャンと撮る。佐藤さんのスタイルですね。

    佐藤 いい音ですね。

    ──若い人に贈ることばをください。

    佐藤 旅をしてほしいです。カヌーに乗って、点と点ではなく、繋げるような旅をしてほしい。ユーコンを好きな人はカヌーに乗って好きになる。不思議な浮遊感がいい。

    佐藤秀明
    1943年新潟県生まれ。日本写真家協会会員。日本大学芸術学部写真学科卒業後、フリーのカメラマンになる。世界中の辺境を旅し、自然と人間、文化を独特の視野で撮り続け、多くの作品を発表している。写真集に『カイマナヒラ』『『新 日本の路地裏』『鎮魂・世界貿易センタービル』など多数。

    第一回
    第二回
    第三回

    佐藤秀明写真集『Yukon』


    Posted on 2014/09/16

    佐藤秀明インタビュー 「ユーコン、旅人の川を語る」 聞き手 新井敏記

    佐藤秀明さんの写真集『Yukon』が9月15日に刊行になります。
    佐藤さんは世界の辺境を旅して自然とそこで暮らす人々の営みを撮り続けてきました。

    今回旅したユーコン川は、カナダからアラスカを経てベーリグ海へ注ぐ全長3200kmの大河。悠久の自然を流れる雄大な川です。佐藤さんはカナダのホワイトホースからドーソンまで約650kmを、筏とカヌーで旅をしました。

    ユーコンは先住民の言葉で「大河」を意味します。
    佐藤さんの冒険は一万年前に大地が氷河で覆われたころの物語を、僕たちに見せてくれています。

    佐藤さんへのインタビューを、今回WEB限定で全三回に分けて掲載致します。

    インタビュー=新井敏記



    第二回

    それぞれの川

    ──佐藤さんはこれまでアマゾンやパタゴニアなどでいくつもの川を下っていらっしゃいますが、それでもユーコンが一番ですか?

    佐藤 ユーコンは違うんです。水量からいっても一級品です。

    ──写真集を見ると、女性を撮るようにユーコンの美しいフォルムをおさめるためにブッシュに分け入るなど、たいへんな想いもされていますよね。

    佐藤 そんなことないですよ。毎日テントを張ってキャンプをするのが愉しくてしょうがない。そして周りを見る。苔むした森がテントの後ろには広がっている。前を見ると川はとうとつと流れている。

    ──テントを張るのは夕方ですか?

    佐藤 夏なので昼すぎです。夜の11時頃まで暗くならいので、いつまでも夜が終わらないんです。対岸には原生林が広がっていて時々オオカミの鳴き声が聴こえてくる。そうした生活がものすごく面白いんです。

    ──どういう生活なんですか?

    佐藤 日本でキャンプというと、人が大勢いるところしかない。川も海も山も。ユーコンでは誰かがキャンプをしていたらそこは避けるという不文律があるのです。

    ──不文律ですか。そんなぜいたくな。

    佐藤 嫌でしょう。自分たちだけでキャンプしたい。そういうところを見つける愉しさもあるんです。

    ──欲張りになりますね。

    佐藤 大丈夫、いいところには誰かがキャンプした跡があって、石が積まれていて、すぐにカマドになる。誰もいない森の中に入れば、ふかふかの苔の絨毯がある。テントをそこで張ると自然のベッドです。

    ──岸辺の世界やキャンプで火を熾しているところなど。 佐藤さんの写真にもありますね。

    佐藤 水が岸辺を擦って行く音がミャンミャンミャンミャン聴こえているのです。

    ──ミャンミャンミャンミャンですか? 不思議な音ですね。

    佐藤 擦って流れて行く音です。珈琲を淹れ、その音を聴いていると対岸でじっとオオカミが僕たちを見ているんです。

    ──人間はちっぽけですね。

    佐藤 そういう暮らしを一カ月できるというのが、本当に幸せでした。針葉樹の流域には、白頭鷲やハヤブサなど猛禽類をはじめ、アビ、カモ、カナダガンなど多くの水鳥がいて、渡りの時期にはカナダヅルやナキハクチョウなどがカヌーからよく観察できる。また、ビーバーや、ヘラジカ、クロクマ、オオカミやヤマネコなど、カナダを代表する哺乳類も多く観察できます。自然の懐の深さとスケールの大きさが実感できますよ。

    ──自分が試されているような気がします。そういう生活に退屈しないか、倦むことはないか。

    佐藤 そう、あるある。そこで写真を撮る自分がいることが嬉しい。今までは風景に飲み込まれているようにただただそこにいる。一歩先に歩めた気がします。写真家の義務を果たせてなかったんです。


    写真家の義務感

    ──写真家の義務ってなんですか?

    佐藤 常にカメラとともに生きているということ。写真家は撮ってなんぼの世界です。撮らないと、その瞬間を撮らなかったという後悔が残る。

    ──違う言い方をすれば、以前のユーコンの旅は、撮らなくてもよかったという、夢見たような旅ですね。

    佐藤 でも帰ってくるとそれが宿題になる。

    ──佐藤さんにとって宿題になっているところは、他にどこがありますか?

    佐藤 シルクロード。シルクロードは人を撮ってみたい。もう行けなくなったけれど、ペシャールなんてもう一回訪れたいところです。

    ──人がいるということは時代や状況によって入れなくなることもあるし、自然と違って時間のサイクルも短い。今日行かないと明日はわからない、と。

    佐藤 そうですね。ペシャールを最初に訪れたのは今から40年も前のこと。人が少なく、馬車が街中を走っている風情あるいい街だった。自転車をチンチン鳴らして人々が暮らしていた。5年ほど前に行った時にはアフガニスタンの難民で溢れていて、地球が変わったと思いました。

    第一回
    第二回
    第三回

    佐藤秀明写真集『Yukon』


    Posted on 2014/09/16

    SWITCH 30th Anniversary 新しくジャーナリズム宣言。Magazine for The New-Journalism

     カルチャー&インタビューマガジン「SWITCH」〈スイッチ〉は2015年創刊30年を迎えます。「根源」や「変化」というふたつの相反する意味を含んだSWITCH、その言葉に導かれ、私たちはさまざまなジャンルの表現者を雑誌で特集してきました。
     今どこで何が、私たちの関心は音楽、映画の表現者はもとよりその表現を支える最先端テクノロジーにまで及んでいます。表現者は、今がどんな時代か、これからどこに向かうのか、時の軌跡として作品を心に刻んでいきます。
     雑誌は今こそ多様な表現手段ととともに生きて、新しい波を受けジャーナリズムの姿勢を持って泳ぎ続けることだと思います。SWITCHの考えるジャーナリズムとは、同時代の生きる人々の姿勢を広く世界に知らしめる役割を担うもの。雑誌は新しい出会いを提供し、まさに今からはじまる物語を伝えること。時代を作る鮮やかな個人を追いかけた創刊時のテーマは今もなお変わらぬ姿勢です。
     私たちは紙でしかできないことをこれからも形にしていこうと思っています。
    SWITCHが大事にするのは、アクション、クオリティ、シンプリシティ、この三要素です。
     雑誌は表現者のたんなる受け手ではない。共伴するもの。ともに創り出すもの。より質の高い生活を目指すために、それこそがSWITCH、「根源」と「変化」を自らに求める旗手であろうとする想いです。
    新しいSWITCH始まります。

                           SWITCH編集長新井敏記

    SWITCH Vol.32 No.10(FASHION ISSUE ANREALAGE)


    Posted on 2014/09/12

    【Coyote10周年記念キャンペーン】 BAGGU×Coyote オリジナルバッグ

    9月からCoyoteの定期購読をお申し込みの方にオリジナルバッグをプレゼント!
    カリフォルニア生まれのバッグブランドBAGGU(バグゥ)と黒田征太郎さんによるコヨーテのコラボレーションバッグ。丈夫で防水性もあるので日々の生活はもちろん、水辺などでのアクティビティにも活躍間違いなし。限定非売品。
    (素材: リップストップナイロン/size: 本体=幅394×縦648×マチ152mm、付属ポケット=127×127mm /Color: ネオンピンク・スカイ・ネオン・スモーク・アクア・ブルー・ブラック※お好きな色をお選びください。)
    ※数に限りがあるため、ご希望の色に添えない際は他の色で代替させていただく場合がありますのであらかじめご了承ください。

    Coyote定期購読のお申し込みはこちらから
    Coyote No.53(アラスカ 星野道夫の暮らし)


    Posted on 2014/09/10

    佐藤秀明インタビュー 「ユーコン、旅人の川を語る」 聞き手 新井敏記

    佐藤秀明さんの写真集『Yukon』が9月15日に刊行になります。
    佐藤さんは世界の辺境を旅して自然とそこで暮らす人々の営みを撮り続けてきました。

    今回旅したユーコン川は、カナダからアラスカを経てベーリグ海へ注ぐ全長3200kmの大河。悠久の自然を流れる雄大な川です。佐藤さんはカナダのホワイトホースからドーソンまで約650kmを、筏とカヌーで旅をしました。

    ユーコンは先住民の言葉で「大河」を意味します。
    佐藤さんの冒険は一万年前に大地が氷河で覆われたころの物語を、僕たちに見せてくれています。

    佐藤さんへのインタビューを、今回WEB限定で全三回に分けて掲載致します。

    インタビュー=新井敏記



    第一回

    岸辺の光景

    ──佐藤さんの『Yukon』を見て、改めて風景写真っていいなと思いました。佐藤さんは一枚一枚を愛おしく撮っています。

    佐藤 ユーコン川を下ったのはこれで3回目になります。過去2回はあまり写真を撮ろうという想いにはいたらなかった。ただいるだけで幸せだったんです。岸辺で川向こうの風景を見ているだけで幸せで、気持ちよかったから。

    ──カヌーイストの野田知佑さんは、佐藤さんの写真集の解説でユーコン川をこう記しています。

    「ユーコンは多分、世界でも最も上質な荒野を流れる川だ。ぼくは友人や犬を連れて、十数回この川の本流や支流を下った。が、いつも最高のアウトドアを楽しめた。この人の少ない荒野には、キリスト生誕の頃の自然が未だに残っていて、現代生活に疲れた人々を癒してくれる。こういう川がまだあるということに感謝したい。日本の川のような浅瀬や急流がないから、初心者でも漕いでいける。つまらない開発などせず、2000年前の自然の面影を留めた自然がいつまでも楽しめることを祈る」

    佐藤 野田さんは川そのものが好き。僕は川の周辺の風景が好きなんです。カヌーに浮かんでいると風景がどんどん流れていく。僕はカヌーの上に乗ってじっとしている。

    ──漕ぐわけではなくただ川の流れに身を任せている。ある意味自然に一番近い乗り物でしょう。

    佐藤 そうです。時速10ノット。水面に一番近い。立っている高さと座って乗っている高さ、水との距離が近い。そうすると動いている風景も違うんです。不思議な感覚です。

    ──その不思議さがカヌーの魅力ですね。川を下るって何が違うのか、もっと教えてください。森の中を歩く、山登りをする。岩を登る。氷河を渡る。それと何がいったい違うのでしょう。

    佐藤 カヌーで川を下っていると、まるでシネマスコープの世界の中を進んでいるような感覚になります。どんどん画面が動いているんです。飛行機で見る風景、バイクで流れる風景、それとは全部違う。静かで音のない世界なんです。

    ──自然との一体感ですか?

    佐藤 自然と自分の間に違和感がまったくなく、一体化しているんです。無理して自然に入るのではなく、周りが受け入れてくれる。過去のユーコンの旅はアウトドアを楽しむという目的がありました。釣りを楽しみ、動物を見て楽しみ、キャンプを楽しむ。

    ──今回の旅は写真を撮るという目的があったのですね。

    佐藤 前回までは、ここも撮っておけばよかった。あそこも撮っておけばよかったという後悔が旅から帰ってきてあったので、よし今回はそのリベンジ、という目的がありました。帰ってくると、いろいろな風景が走馬灯のように過るんです。

    ──宿題が山積みになっていたということでしょうか。自然って変わるから早くしないと、という切迫感はありましたか。

    佐藤 ないです。変わらないんです、ユーコンは。

    ──それはユーコンの魅力ですね。ユーコンでなければならないという。

    佐藤 野田さんが書いていらっしゃったように、上質の荒野を流れる川なんです。安全できれい。手つかずの自然が残っている。流域に町は少なく、汚水もそんなに入らない。そのままの勢いで流れている。岸辺に立つと目が回る程の速さで流れているのがわかる。音もなく。

    ──つい引き込まれそうになる?

    佐藤 そう。ものすごい水量がある。

    第一回
    第二回
    第三回

    写真展「ユーコン」 佐藤秀明+新井敏記 トークイベント 2014.9.15@リコーイメージングスクエア新宿

    佐藤秀明写真集『Yukon』


    Posted on 2014/09/05

    Switch vol.32 no.9 from editors その空気が物語るもの

    その空気が物語るもの

     今回の「食の本」特集の取材を通し、様々なクリエイターの方々とお会いした。料理人はもちろん、俳優、漫画家、映画監督、料理研究家、ミュージシャン、写真家、アートディレクター、書店員……。特集の内容や構成にもよるが、ひとつのテーマを軸にした特集で、これほど多岐に渡るジャンル(職種)がひとつに集まることは、そう多くない。
     食に関する本を特集の軸にすると決めた時、当初考えていたのは「MY COOKING BIBLE」というワードだった。ただそれでは、料理のバイブル=レシピ本という限定されたイメージがどうしても浮かんでしまう。当然のことながら、「食」を楽しんでいるのは、料理を作る側の人だけではない。料理をする人も、しない人も、食に興味を持つすべての人に向けたブックガイドとすべく、タイトルを「MY FOOD BIBLE」とあらためた。
     あなたにとっての食に対する考え方やスタイルに、大きな影響を与えた本を挙げてください――この特集で彼らに訊いたのは、基本的にはただそれだけである。そしてその問いかけに対して、誰もが皆笑顔で饒舌に、何より楽しそうに答えを返してくれたことが印象的だった。「この本はこんなに素敵なんだ」そんな素直な思いが、彼らの表情や身振りにも表れていた。取材全体を通して感じられたその幸福な空気は、たとえば他のカルチャー(音楽、映画、ファッションetc)で同じことをやったとしても、決して生まれない種類のもののように思う。その空気を、この特集を通じて少しでも感じてもらえたら嬉しい。

    SWITCH Vol.32 No.9 My Food Bible 100 -あなたのフードスタイルを変える100冊-


    Posted on 2014/08/20

    ワークショップ「春風亭一之輔 × テイ・トウワ 落語と音楽の新しい世界を体験せよ」レポート

    2014年4月、東京・青山の「INTERSECT BY LEXUS」にて、ワークショップ「春風亭一之輔 × テイ・トウワ 落語と音楽の新しい世界を体験せよ」が行われた。日本の落語会においていま最も注目される気鋭の落語家 春風亭一之輔と、DJ・音楽家として世界的に活躍するトップクリエイター、テイ・トウワのコラボレーション・イベント。

    今回のワークショップでは、それぞれ独自のクリエーティビティによって注目を集め続ける両氏が、落語と音楽を融合させた新たなライブパフォーマンスに挑戦。先日、「SWITCH」誌上で対談を果たした際に語り合った落語と音楽の共通項を、さらに深く掘り下げる催しがここに実現した。当日のイベントは、演芸場の寄席とラウンジでのチルアウトを融合させたような、ユニークな試みとなった。テイ・トウワのDJパフォーマンスと春風亭一之輔の噺が交互に2回行われ、出囃子「さつまさ」のスクラッチや春風亭一之輔のドライブ感のある噺に会場が沸いた。

    パフォーマンス後、お二人と、ミュージシャンの坂本美雨をゲストに迎えた鼎談を実施した。
    ――おそらく世界初であろう、落語とDJの融合はいかがでしたか?
    テイ:クラブとも違う場所だし、踊ることが目的ではないので気を遣ったというか。一之輔さんのお囃子を間違えないように出すのも緊張しました(笑)。
    一之輔:最初は会場の空気が硬いので、硬いところを二人でほぐした感じです。
    ――選曲のテーマはどのような?
    テイ:僕はここ(INTERSECT BY LEXUS)の音楽監修をしていて、普段はレクサスに抱くイメージ、つまりラグジュアリーのLというテーマでBGMを選曲しているんです。今日のイベントではちょっと違って、僕の音楽のライブラリから「なごみ」とか「ラウンジ」っていうタグを付けた楽曲を持ってきました。そこからスーパーフリーにセレクトしたという。
    ――一之輔さんの演目は結婚したばかりの美雨さんに捧げる「粗忽の釘」でしたね。
    美雨:ものすごく面白かったです。古典落語だけどほんとうに自由で。
    一之輔:犬の「ペロ」は、古典では出てこないんです。昔、くすぐり(アドリブ)でやったらすごく受けたので残してるんですよ。お客さんに乗せてもらって引き出してもらうのがいいんですよね。
    テイ:一人だとやらないからね(笑)。
    美雨:キャラクターの演じ分けはどうされてるんですか?
    一之輔:お芝居と違って役作りはないんです。どちらかというと、冷静な自分がもう一人いて、後頭部からロボットを動かしている感じ。そいつが「いま急ぎ過ぎてない?お客さんついてきてないよ」なんて言ってくる(笑)。テンションが上がってくると自分でも止まらないことがありますからね。
    美雨:どれくらいの演目を覚えているんですか?
    一之輔:覚えてかけたことがあるのは一七〇ぐらいそのうちいまも出来るのは四◯程度ですね。演目はその場で選びます。噺に入った瞬間に「違うな」ってこともありますよ。でも変えられないから、ペースやテンポを変えて調整するんです。
    ――「間」ですよね。落語に付き物の「間」はどうやって取るんでしょうか?
    一之輔:「間」を取るコツは、根拠のない自信でしょうね。偉そうって言われる人は間を取るのがうまいですから。黙っているのが怖い人よりも、黙っていても大丈夫な人のほうが間に強い。
    美雨:目には見えないけど、「間」っていうものがここ(目の前の空間を指さして)にありますからね。それを信じられるかどうかじゃないかな。ラジオだと、リスナーの顔が見えないので一方的に喋ってしまうこともあるんです。たしかに怖いものでもあるけど、人と人が出会ったら自然に生まれる距離と同じことだから、それを大事にすればいいのかな。
    一之輔:対象が聞いてくれていると信じるのが大事ですね。あとは図々しさ!
    ――歌のライブも同じですか?
    テイ:美雨ちゃんは自分の体が楽器だから、音の大きさから明るさや暗さといったダイナミクスを自在に変えるんだよね。
    美雨:そうですね、それに加えて言葉自体の強さも変えていく。
    一之輔:緩急ですよね。
    美雨:一之輔さんの落語はまさに緩急でした。それに引き込まれるんです。
    テイ:音楽も落語も、緩急が大事だということですね。コーラのビンの流線型のように、美はそこから生まれるのかも?

    ジャンルは違えど、共通項をお互いに感じた3人が、更なるコラボを生み出す事を期待したい。









    INTERSECT BY LEXUSは、「都市とつながり、人と人、人とクルマが交わる」をテーマとし、デザインやアート、ファッション、カルチャーなどを通じて、LEXUSが考えるライフスタイルを体験できる。(http://www.lexus-int.com/jp/intersect/tokyo/


    Posted on 2014/06/02

    週末のふたつのスタジアム

     桜はとうに散ったものの、日が落ちるとまだまだ寒さを感じる4月後半の週末。土曜、日曜と2日間続けてスタジアムを訪れた。4月19日、東京・味の素スタジアム。約4万人の大観衆で埋め尽くされた広大な観客席の光景は壮観で、ピッチでプレーする選手たちの一挙手一投足に合わせて歓声とため息が観客席で交差していく様は、試合それ自体にも負けず見ごたえのあるものだった。
    「あの選手のプレーが観たい」「このチームが勝つところを観たい」「どんな試合になるのか面白そう」「ゴール裏でみんなで一緒に応援したい」それぞれ思いは違えども、「サッカーを楽しむため」に4万の老若男女が週末にスタジアムに向かう。サッカーが好きなら、その事実だけで少し幸せな気持ちになるだろう。
     翌4月20日、神奈川・相模原ギオンスタジアム。試合開始2時間半前のスタジアム周辺はまだ人もまばらで、熱心なサポーターがゲート近くで談笑している程度。アウェーのサポーターとホームのサポーターが互いのチーム状況を話し合っていたりと、どこか牧歌的な雰囲気が漂う。試合時間が近づいてきても、その空気は変わらない。屋台の焼きそばに並ぶ家族連れ、その横では4、5人の小学生のグループがサッカーボールを蹴り合っている。パスの練習をする父子の後ろで、若いカップルがピザを頬張る。この日の観客は約3,200人。スタンドにもまだ余裕がある。
     見方によってはそれは対照的な2日間だが、帰りの電車に揺られながら抱いた充実感は、どちらも少しも変わらないものだった。

    PHOTOGRAPHY:OKUYAMA YOSHIYUKI
    TEXT:SUGAWARA GO

    「SWITCH」Vol.32 No.6(フットボール・ピープルたちのコミュニケーション術)


    Posted on 2014/05/20

    ヒーローを待っているのは誰か?

     江の島での対談取材中、松本大洋と湯浅政明は『ピンポン』という作品の根幹をなしている「才能」について話していた。
    「風間(ドラゴン)が言うように、才能って欲しい人にはなかなかなかったりするものだなって。西見君(西見祥示郎。『鉄コン筋クリート』の映画版でキャラクターデザイン・総作画監督などを務めた)は僕と同郷ですけど、高校時代から絵がすごく上手かった。僕も彼のようになれないだろうかと思っていたけど、才能があるやつは才能にこだわらないんだなと。自分にあの才能があったら、あれもこれもできるのになって思ってましたね」(湯浅) 「僕の場合は土田世紀っていう人がいて、この間亡くなっちゃったんですけどね。僕は土田さんを目指したし、彼と自分との差みたいなものはずっと感じていて。そういうのは、この作品の中に入っていると思うんですよね」(松本)
     それを聞いて、漫画とアニメーション、それぞれの分野で天才と目されている2人ですら、そんなふうに思うのかと、意外な気がした。
     今回の特集では、登場した人々に「ヒーローの条件」について訊いた。それぞれ個性的な回答が返ってきたのだが、特集がまとまってくるにつれ、「これは、その人自身の価値観そのものなのかもしれない」と思うようになった。
     当り前といえば当り前のことだが、ヒーローとは人間が思い描く理想像に他ならない。憧れても届かないからこそ、ヒーローという存在を架空に作り出す。もし「ヒーローなんて存在しない」と嘯く人がいるとしたら、その人は紛れもなくヒーローであるに違いない。

    「SWITCH」Vol.32 No.5(HEROES ヒーローを待ちながら)


    Posted on 2014/04/20

    今こそ、パタゴニア。編集後記 「旅からはじまる」

     イヴォン・シュイナードが独学でクロムモリブデン製のピトンを作ったのは1957年のことだ。再利用可能で頑丈なピトンはヨセミテのクライマーの間で瞬く間に評判を呼んだ。次にイヴォンが作ったのはクラッグハンマーだった。使い勝手の良さに次々にオーダーが舞い込んだ。

     クライミングの道具を製造販売する会社シュイナード・イクイップメントを立ち上げたのは1966年のことだった。イヴォン手作りのピトンやカラピナは抜群の強度を誇り、クライマーの間では“シュイナード・スタンダード”という言葉も生まれた。カリフォルニア州のベンチュラにブリキ小屋を改造して直営店を開いた。中央には工作機械が配置され、天井の明かり窓からはわずかに日が差していた。

     鍛冶用の機械と製品が一緒にある雑然とした中から、スタンダードは次々に生まれていった。数人のスタッフはみな屋根裏に寝泊まりしていた。鉄をたたく男たちは油と汗にまみれていた。水浴をかねて近くの海へサーフィンをしに出かけるのが日課だった。製品は増え、クライミングの道具やラグビーシャツ、スタンドアップ・ショーツなどが置かれていた。スコットランドでイヴォンがクライミングのための頑丈な衣類を探していた時に見つけたラグビーシャツを輸入し、販売を始めたのだ。その機械性と耐久性からイヴォンのシャツを仲間が欲しがったという。旅から知ることは実用だった。

     イヴォンはクライミングの魅力をこう語る。

    「苦しみもがき、限界ギリギリのところに到達する瞬間に、私は生き甲斐を感じる。しかしその一線を越えてはいけない。人は自分に誠実であるということを学ばなければいけないのだ」

     死と隣り合わせのアクティビティ、それ故に道具は堅牢であること。経験が叡智となって生きる。過剰を排し、シンプルさに立ち返ること。それは後退ではない。人間の尊厳を取り戻し、大地と繋がる方法なのだ。その叡智はイヴォンの企業理念となり、1973年のパタゴニア設立に結実していった。

     粗末な一軒のブリキ小屋はかつて、毎年5月から9月の間は旅に出るために閉じられていたという。パタゴニアはその5カ月の旅の軌跡から始まる物語なのだ。
     その5カ月、イヴォンはたえず路上にいた。

    Photography:Sato Hideaki Text:Arai Toshinori

    COYOTE No.49 特集 今こそ、パタゴニア
    予約受付中

    Posted on 2013/08/30

    福山雅治 俳優の流儀:編集後記「負けたことのない奴」

     この仕事を通してこれまで多くの俳優に話を聞いてきた。取材の場でこちらの質問に対する反応は人それぞれで、考えが上手くまとまらず、もどかしそうに言葉を探しながら話す人もいれば、あまり自分の思いを語りたがらず、ごくシンプルな「回答」で話を終わらせようとするような人もいる。

     では福山雅治はどうか。これまでにも何度か彼に話を聞いてきたが、取材中に長い沈黙が訪れたことはただの一度もない。どんな質問に対しても、長年のラジオパーソナリティーの経験で培われたであろう反射神経とサービス精神、そして頭の回転の速さですぐさま答えを返し、そこからさらに話を膨らませていく。今回、是枝裕和監督との対談で、是枝監督は役者としての福山を「キャッチャータイプ」だと評していたが、それは役者としてだけでなく、彼自身の持った資質なのだと思う。それも、どんな悪球も見事にキャッチして華麗に捌く名捕手だと。

     その一方で、ラジオにせよインタビューにせよ、能弁に自らの思いや考えを語れば語るほど、受け手が抱く「福山雅治」というパーソナリティーのイメージは強固なものとなっていく。福山自身今回の取材で、良くも悪くも自分たちが感じている以上に「福山雅治」という名前で作品への先入観を持たれてしまうことへの懸念を控えめに話していた。近年福山が演じた二つの大きな役、『ガリレオ』の湯川教授と『龍馬伝』の坂本龍馬は、そうしたこちら側の先入観を上回る強い個性を持ったものであり、だからこそ見事にマッチしたということもあるだろう。作り手にとってそれは「俳優・福山雅治」を作品に落とし込むためのひとつの定石といえるのかもしれない。しかし今回、是枝監督はそうではない新たな手で福山雅治という俳優の魅力を引き出してみせた。

     劇中、子どもの問題を金で解決しようとする野々宮(福山)に対し、リリー・フランキー演じる斎木は「負けたことのない奴っていうのは、人の気持ちがわからないんだな」という痛烈な言葉を浴びせるが、その「負けたことのない奴」というワードは、どこか「福山雅治」という名前に重なる部分がないだろうか。その後の野々宮は手痛い逆襲を受け、その過程の中で彼は「父性」を獲得していくが、福山自身もまた、これまで体験したことのない是枝監督の現場で当初戸惑いや不安を覚えながら、彼にとっての新たな「役者性」を見つけていった――取材後あらためて本作を観返して、そんなことを思った。

    Photography:Arai Shunya Text:Sugawara Go

    SWITCH Vol.31 No.10 特集 福山雅治 俳優の流儀
    予約受付中


    Posted on 2013/09/17

    柴田元幸 「猿のごあいさつ」 MONKEY Vol.1

    『モンキー』という雑誌をはじめます。
     二年前まで、ヴィレッジブックスから『モンキービジネス』という文芸誌を出していました。今回は「ビジネス」が外れて、「モンキー」だけだし、出版社もスイッチ・パブリッシングに変わったので、「復刊」「復活」というのとはちょっと違うのですが、しょせん同じ猿のやること、そうは変わらないかもしれません。
     とはいえ、一人を除いて作る仲間も変わったので、まあやっぱりそれなりに違うものになるかなあ……  まあ要するに「やってみないとわからない」のですが、とにもかくにも、日本あり外国あり現代あり古典ありで、自分たちが読んで面白いものを好き勝手に取り上げていこうと思います。
     スイッチからはすでに『コヨーテ』という楽しい雑誌が出ていて、あちらは旅・自然中心なので、こちらは文学・文化中心ということで、双方補いあって、なぜか犬と猿が仲良くやっているという感じで行ければと思っています。どうぞよろしくご贔屓のほどをーーきい。

     「MONKEY」編集長 柴田元幸

    MONKEY Vol.1 特集 青春のポール・オースター
    好評発売中

    Posted on 2013/11/01

    責任編集:川上量生「スタジオジブリという物語」SWITCH Vol.31 No.12

    『夢と狂気の王国』11/16より全国公開 ©2013 dwango

     僕は2011年からスタジオジブリさんにお世話になっています。
     鈴木敏夫さんのラジオ番組に出演した際、勢いで弟子入りを志願してしまってから、もうすぐ3年です。その間、プロデューサー見習いとして、ジブリの映画作りを間近で見てきました。
     つくづく思うのです。ジブリの人たち、特に高畑勲監督、宮崎駿監督、鈴木敏夫さんという3人が織り成す人間ドラマは、その作品と同じくらい面白いのではないかと。
     そこで改めていろいろな人に話を聞きました。
    『かぐや姫の物語』のプロデューサー・西村義明さんに高畑監督の話を、鈴木敏夫さんに宮崎監督の話を、ジブリとずっと仕事をしてきた糸井重里さんに鈴木さんの話を。ジブリファンの川村元気さんとはジブリの未来の話をしました。
     現時点での、ジブリのひとつのドキュメントになったと思います。

    川上量生

    〈プロフィール〉
    川上量生
    1968年生まれ。株式会社ドワンゴ代表取締役会長。スタジオジブリ・プロデューサー見習い。株式会社カラー取締役。株式会社KADOKAWA取締役。京都大学工学部を卒業後、コンピューター・ソフトウェア専門商社を経て、97年ドワンゴを設立。携帯ゲームや着メロのサービスを次々とヒットさせ、06年には子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」をスタートさせる。2010年末にラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に出演した際、その場で鈴木敏夫に弟子入りを志願し、11年1月にスタジオジブリ入社。ジブリ初のスマートフォン向け公式ウェブサイト「ジブリの森」を手掛ける。映画『夢と狂気の王国』プロデューサー。『週刊文春』で「ジブリ見習い日記 ときどきニコ動」を連載中。著書に『ルールを変える思考法』がある


    SWITCH Vol.31 No.12 特集 スタジオジブリという物語
    予約受付中


    Posted on 2013/11/13

    古川日出男による私的創作論 『小説のデーモンたち』 待望の単行本化!

    1998年『13』で作家デビューして以来、旺盛な執筆活動をつづけている古川日出男。12月2日に発売される『小説のデーモンたち』は、2年半にわたって「SWITCH」誌上に連載された私的創作論。

    小説家はどんな日常を過ごしているのか? 五感を研ぎ澄まして執筆に向かうとき、小説家の心に浮かぶものは何か? 思うように進まない作品を抱える苦悩と、創作の昂揚感。そして何よりも、現実世界の衝撃をどのように表現するのか――。連載開始直後に起きた東日本大震災、それを語る「有効な言葉」を求めて試行錯誤する過程が、作家自身の言葉で赤裸々に綴られていきます。

    創作にとり憑かれている小説家の内部に巣食う「デーモン」たちとの対話から見えてくる、作品生成の秘密。作家生活15周年を迎えた古川日出男の、集大成となる一冊です。

    〈プロフィール〉
    古川日出男
    1966年福島県生まれ。98年に『13』で小説家デビュー。2006年『LOVE』で三島由紀夫賞受賞。多作家としても知られ、これまでに発表した小説作品の総原稿枚数は1万3500枚を超えるという。原稿用紙2000枚におよぶメガノベル『聖家族』他、代表作は『ベルカ、吠えないのか?』『馬たちよ、それでも光は無垢で』『ドッグマザー』『南無ロックンロール二十一部経』など。


    古川日出男『小説のデーモンたち』


    Posted on 2013/11/25

    for Readers 旅を続ける

    Coyote No.50 編集後記

     新しい冒険譚を求め、「Coyote」を創刊したのは2004年、最初の特集は森山大道でした。路上を徘徊するような写真、彼の取材は常に移動でした。以来僕たちは星野道夫、沢木耕太郎、池澤夏樹、ダライ・ラマ、ジェリー・ロペス、そして谷川俊太郎といった人々と、さまざまな国々を越えて、見知らぬ風景を見て、物語を繋いできました。アラスカ、ニュージーランド、チベットのような辺境もあれば、ポートランドやサンフランシスコのような都市もあり、ハワイの峡谷へ足を延ばしたこともありました。
     イヴォン・シュイナードに「なぜ山に登るのか」と訊いたことがあります。彼は「なぜ、ではない、いかに山に登るのか、それが大事なんだ」と答え、山登りの真の在り方はたった一人で何ができるかを考えることだと諭すように教えてくれました。
    「ゆっくりと時間を感じること。結果ではなく過ごしたかけがえのない時間こそが大切なこと」
     同じ言葉を星野道夫から聞いたことがあります。イヴォンにとっても星野にとっても、生きるとは自然を理解することに他ならないのです。
     ジェリー・ロペスはサーフィンの上達する方法はたった一つだと言います。
    「いい波が来たら乗ること、何回も乗ること」
     全てプロセスが大切だということを僕たちは理解しようと、雑誌を作り続けてきました。山で暮らす人を追いかけては野菜を摘み、荒野で草を刈って自然を学んでいきました。
     知りたい思いはたった一つしかないのです。
     賢者の旅を通して、成長の軌跡を地図に刻むこと。しかし途中長い休みを僕たちは余儀なくされました。なぜ間違ったのか考える時間です。再び旅を開始した理由は、世界は知らないものばかり、わからないことばかり、まだまだ不思議に満ちあふれているということ、その表現として雑誌が大好きなのです。
     50号を迎えた今号の特集はジョン・カサヴェテスです。人生そのものが映画のようなその軌跡。たった一度の人生をよりよく生きたい、そのために彼の映画は地の果てを生きる男と女が主人公となる。口をついた言葉は時に愛しさとは裏腹で切ないけれど、夢見た世界を願う美しさに溢れています。

    Coyote No.50 カサヴェテスへの旅


    Posted on 2013/12/09

    お詫びと訂正

    「Coyote」No.50(特集:カサヴェテスへの旅)におきまして、掲載に誤りがございました。正しくは以下の通りです。

    p. 80
    [誤]感情の点と点の隙間
    [正]ここには「本当」が映っている

    p.104
    [誤]渡辺真紀子
    [正]渡辺真起子

    [誤]渡辺琢磨
    [正]渡邊琢磨

    関係者の皆様、読者の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫びし、訂正させていただきます。

    Coyote No.50 カサヴェテスへの旅
    Posted on 2013/xx/xx

    ジョン・カサヴェテス作品上映 ご招待券プレゼント

    「Coyote」No.50(特集:カサヴェテスへの旅)の刊行を記念して、オーディトリウム渋谷にて1月4日から、ジョン・カサヴェテスの作品が上映されます。

    2014年に死後25年を迎える孤高の映画作家カサヴェテス。アメリカ・インディペンデント映画の父と呼ばれ、今なお世界中の監督や俳優に影響を与え続ける彼の監督作品6本と出演作『マイキー&ニッキー』に、5組10名様をご招待します。ご希望の作品と日時をご明記の上、下記アドレス宛にご応募ください。

    また、「Coyote」No.50をご持参いただいた方や劇場でご購入された方への割引特典もございます。

    上映期間中の1月10日には、本特集でジーナ・ローランズをはじめカサヴェテス関係者に取材をした映画プロデューサー・松田広子と放送作家・町山広美によるトークショー、秘蔵映像のスペシャル上映会も開催。ご応募お待ちしております。

    詳細:特集:ジョン・カサヴェテス、ふたたび|オーディトリウム渋谷

    Coyote No.50 特集:カサヴェテスへの旅

    応募概要
    会場 オーディトリウム渋谷
    東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F
    応募方法 タイトルを「【カサヴェテス映画招待】」とし、本文に氏名・年齢・ご住所・ご連絡先・ご希望の日時と作品をご明記の上、下記アドレス宛にご応募ください。当選者の発表は招待券の発送をもって代えさせていただきます。
    rainyday@coyoteclub.net
    応募締切 2014年12月26日

    上映スケジュール
    01月04日(土) 15:20 ラヴ・ストリームス
    18:00 こわれゆく女
    20:45 アメリカの影(22:10終映)
    01月05日(日) 15:20 フェイシズ
    18:00 こわれゆく女
    20:45 ラヴ・ストリームス(23:10終映)
    01月06日(月) 15:20 オープニング・ナイト
    18:00 こわれゆく女
    20:45 チャイニーズ・ブッキーを殺した男(23:00終映)
    01月07日(火) 15:20 ラヴ・ストリームス
    18:00 こわれゆく女
    20:45 フェイシズ(23:00終映)
    01月08日(水) 15:20 アメリカの影
    18:00 こわれゆく女
    20:45 オープニング・ナイト(23:10終映)
    01月09日(木) 15:20 チャイニーズ・ブッキーを殺した男
    18:00 マイキー&ニッキー
    20:45 こわれゆく女(23:15終映)
    01月10日(金) 15:20 フェイシズ
    18:00 ラヴ・ストリームス
    20:45 アメリカの影
        *終映後、トークイベント+特別上映会
    01月11日(土) 15:45 こわれゆく女
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)
    01月12日(日) 15:45 マイキー&ニッキー
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)
    01月13日(月) 15:45 オープニング・ナイト
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)
    01月14日(火) 15:45 アメリカの影
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)
    01月15日(水) 15:45 チャイニーズ・ブッキーを殺した男
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)
    01月16日(木) 15:45 フェイシズ
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)
    01月17日(金) 15:45 こわれゆく女
    18:30 ラヴ・ストリームス(20:55終映)

    割引特典
    通常料金 一般:1,300円
    学生:1,200円

    *Coyote No.50のご提示、
     または劇場窓口でのご購入で1,100円
    *3回券:3,000円もございます。


    Posted on 2013/12/20

    ジョン・カサヴェテス監督『こわれゆく女』無料上映

    2014.2.1(土)〜@グッチ銀座シネマルーム

    グッチ銀座にあるシネマルーム「シネマ・ヴィジョナリーズ」で、2月1日からジョン・カサヴェテス監督による映画『こわれゆく女』が無料上映される。

    Coyote No.50(カサヴェテスへの旅)

    ジョン・カサヴェテスから大きな影響を受けて、映画監督の道を進んだマーティン・スコセッシが1990年に立ち上げた非営利団体がある。劣化の危機に瀕したフィルムを修復し、保存する活動を進める「ザ・フィルム・ファンデーション」(TFF)だ。歴史的な映画の保護と保存を目的とし、米国内のフィルムの復元・保存プロジェクトをサポートするTFFには、ウディ・アレンやコッポラ、スピルバーグ、ウェス・アンダーソンらが名を連ね、毎年数多くの映画を修復してきた。これまでにその数は560以上にのぼる。

    2006年からTFFのパートナーとして、グッチは毎年1作品の修復を支援し、その映画の上映会を行ってきた。記念すべき最初の作品として修復されたのが、カサヴェテスの『こわれゆく女』だった。

    その後もグッチはTFFの活動を通して、ミケランジェロ・アントニオーニの『女ともだち』、バーバラ・ローデンの『ワンダ』、ルキノ・ヴィスコンティの『夏の嵐』と『山猫』、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』、セルジオ・レオーネの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、フランチェスコ・ロージの『黒い砂漠』を修復し、国際映画祭などで上映する活動「シネマ・ヴィジョナリーズ」を続けている。2013年には新たにニコラス・レイの『理由なき反抗』が加わり、計9作になった。

    グッチは日本だけの特別な取り組みとして、グッチ銀座の6階にシネマルームを新設。ゆったりとしたソファが置かれた贅沢な空間で映画と向き合える上映室だ。約2カ月ごとに作品を代えて、週に3回、無料上映を行なっている(完全予約制)。

    カサヴェテスの死後25年を迎える今年2月は、代表作の一つである『こわれゆく女』が再び上映されることになった。上映日時やお申込みは会場のHPをご参照ください。

    <上映情報>
    会場 グッチ銀座 6階ギャラリー
    東京都中央区銀座4-4-10
    料金 無料
    定員 1回20名(先着順/要予約)
    お問合せ グッチ ジャパン カスタマー サービス
    *Tel. 03-5469-6611
    詳細 会場のHPをご参照ください
    *上映日の2週間前から予約可


    <作品情報>
    「こわれゆく女(A WOMAN UNDER THE INFLUENCE)」
    1974年 監督:ジョン・カサヴェテス

    仕事と家庭を両立させようと頑張るニック・ロンゲッティ(ピーター・フォーク)と分裂症状が進行し、妻として母としての役割を徐々に果たせなくなっていく美しい妻のメイベル(ジーナ・ローランズ)。精神的な病に悩まされる女性をまっすぐに見据えるカサヴェテスの視線には、描き出される閉塞的な家庭生活とフェミニスト運動の影響が見られる。


    Coyote No.50(カサヴェテスへの旅)

    Posted on 2014/01/20

    柴田元幸「猿のあいさつ」MONKEY Vol.2

    『モンキー』第二号です。去年の十月に出した第一号は、おかげさまで好評で、二度も増刷することができました。ご購入いただいた読者の皆さん、応援してくださった書店やメディアの皆さんにあつくお礼申し上げます。ありがとうございました!
     –―と、自分で使ってしまいましたが、最近どうも、「!」をつけないと本気で感謝していないみたいに思えてしまう、いわば「!」インフレが起きていて、よくないですね。
     なので、
     ――ありがとうございました。(「!」ないけど本気)
     さて、第二号は、日・米・英発の新しい小説の特集です。題して「猿の一ダース」。
     「パン屋の一ダース」(a baker’s dozen)という有名なフレーズがあります。十三世紀のイギリスで、パン屋がパンの重さをごまかして売っているという噂が立ったため、罰せられるのを避けようとしたパン屋が、一ダースのパンを買ってくれたお客に、一個おまけして一ダース=十三個としたのが起源です。名短篇集『ナボコフの一ダース』も、これにならって十三篇入っています。
     これとは逆に、フランスでは、猿はずる賢いので、猿にバナナを数えさせると十二個あると一個をちょろまかしてしまうので、十一個のことを「猿の一ダース」(la douzaine du singe)といいます。
     ――噓です。すいません。
     なんにせよ、今回の新しい小説群、(詩やショートショートもあるので作品数はそれより多いけれど)作者は十一人しかいないのです。いないのですが、猿は見栄っ張りなので、「猿の一ダース」という名前をどうしても使いたかったのです。ただその、英語で書いている七人の作家の作品は、すべて猿が訳しているので、それに免じて勘弁してやってください。
     これは決して、「現代小説の最先端」紹介をめざした特集ではありません。もちろん、そういうレッテルにふさわしい人もたくさん入っていますけど、それとともに、もう何十年も前からコツコツ書いている作家も入れています。例によって例のごとく、いま僕が(連載してもらっている川上さん・古川さん・岸本さんに加えて)いちばん読みたい、訳したいと思う作家を並べた、ということに尽きます。気に入っていただけますように。きぃ。

    <プロフィール>
    柴田元幸(しばたもとゆき)
    1954年、東京に生まれる。東京大学教授、翻訳家。著書に『アメリカン・ナルシス』『翻訳教室』『ケンブリッジ・サーカス』など。最近の訳書にポール・オースター『写字室の旅』、ブライアン・エヴンソン『遁走状態』がある。


    「MONKEY」vol.2(特集*猿の一ダース)
    「MONKEY」vol.1(特集*青春のポール・オースター)

    Posted on 2014/02/14

    落語はライブ。だから「いま」観ないと後悔します!

     落語って敷居が高い? 退屈? 年配の娯楽? いやいや、一度その中に入ってみると、落語の中には驚くべきめくるめく世界が広がっています。体験したことのない江戸情緒溢れる下町にタイムスリップし、今、薄れゆく人と人との関わり合いに心打たれた、酔っぱらいのバカバカしいやりとりに人生の有り様を見、新しく作られ続ける新作落語の中から今の時代の空気を感じ取る――。特に、日常のほんの小さな一角で起こった出来事に目を向けながら、時にシニカルに、時に愛情深く、違う視点を与えてみると、日常がこれほどに豊かな感情のやりとりに満ち、これほどに様々な繋がりや縁によって成り立っているのだということを知るのです。しかも落語家によってその視点や表情は違います。落語家は、それぞれ一人ひとりが、プロデューサーであり、脚本家であり、役者であり、しかも毎回違う観客の空気によって変えていく即興演奏者でもある。そしてそうでありながら、脈々と伝わってきた「落語」を受け継ぐ伝承者でもある。古いのに新しく、新しいのに普通。これほどに興味深い表現があるだろうかと思いました。

     現在、落語会には八百人ほどの落語家がいるそうです。今回、取り上げたのはそのほんの一握りでしかありません。しかし彼らが語る「落語」は面白いほどに違いました。そして面白いほど共通していました。それは、みな、一生をかけて「落語とは何か」というその答えを追求し続けていること、そして、「今、見てよかった」と思われる「今の芸」を見せていこうという想い。

     私たちはもう、ライブで志ん朝も枝雀も談志も観ることができません。もちろん音源は聴ける。しかし、今、ここで、一緒に空気を作り上げていく喜びを、変わっていく噺の過程を直に感じる興奮を体験することはできません。でもいいんです。私たちは、今、同世代に、彼らに出会った。彼らの落語に間に合った。

     この特集は、それを証明するための、落語家十二人の「今」の記憶です。

    「SWITCH」Vol.32 No.3(特集*進化する落語)
    Posted on 2014/02/19

    音楽が終わったら

     今回の特集「クラウド世代のためのミュージック・スタンダード」では、登場するミュージシャンたちそれぞれにとっての、いわば<音楽の原体験>としてのポピュラーミュージックとの出会いについて話を聞いていった。そこで感じたのは、誰もが皆、自分が意識して音楽を聴き始めそれに夢中になっていく過程について、そして自分にとっての特別な存在となったアーティストについて、心から楽しそうに語っていたということだった。中には、自身の作品について語るよりもはるかに饒舌に、活き活きと話しているのではないかと思える程のミュージシャンも少なくない。そんな彩りに溢れた、音楽との出会いの話を聞くのは、幸せな時間だった。

     音楽を聴くという行為は、インターネットとそれにまつわる様々なサービスの普及、進歩により、ますます手軽に、カジュアルなものとなってきている。何か気になる曲や聴きたい曲があれば、大抵のものはネットで検索すれば即座に、簡単に、しかも時には無料でそれを聴くことができる。ひと昔前と比べれば、音楽好きにとってそれは夢のような時代と呼べるだろう。

     けれどその一方であるミュージシャンもインタビューで指摘するように、音楽が消費されるスピードが年々加速していく傾向にあるのも確かだ。日々膨大な数の音楽が生まれ、そしてその多くはあっという間に消費され、過去のものとなる。誰もが手軽に新しい音楽にアクセスし、その手軽さゆえにその行為は日常化し、かつては特別な<体験>だったそれは、ごくありふれた日々の暮らしの中に埋もれていく――。だからこそ音楽の作り手たちは皆、それでもリスナーにとってその音楽との出会いが特別な体験となり得るよう、自らの作品を精魂込めて作り上げていく。

     初めて自分自身で手に入れたレコードやCDを、胸を高ぶらせながらもどかしい気持ちでパッケージを開き、プレーヤーにセットする。最初の一音が鳴り始めるその瞬間の高揚感。たとえ音楽がパッケージメディアでなくなったとしても、その感覚はやはり変わらないだろう。ターンテーブルの上のレコードに針を下ろすこと、CDプレーヤーの再生ボタンを押すこと、PCのマウスをクリックすること、スマートフォンのディスプレイにタッチすること。違いはその動作だけだ。そしてその音楽が終わった時、心に何かが残される。きっと特別な何かが。

    「SWITCH」Vol.32 No.4(福山雅治 今を生きる、今を歌う)


    Posted on 2014/03/20

    春風亭一之輔 × テイ・トウワ 落語と音楽の新しい世界を体験せよ

    2014.4.22(火)@ INTERSECT BY LEXUS-TOKYO 2F/Lounge

    『SWITCH(VOL.32 NO.3)ー進化する落語ー』でお送りした、今、落語会において最も注目されている落語家 春風亭一之輔とトップクリエイターとして世界的に活躍する音楽家 /  DJテイ・トウワの対談。その対談では、ライブパフォーマンスとしての落語とDJの共通点が明らかになった。そこで、今回、この異色の二人が共演するワークショップが実現します。日本の伝統芸能・落語とDJという一見離れているようにみえる両者が、一体どんなコラボレーションを生み出すのか。さらにトークにはスペシャルゲストとしてミュージシャンの坂本美雨が登場。ご期待下さい。

    詳細
    開催日時 2014年4月22日(火)19:00 開場 19:15スタート
    出演者 音楽/DJ テイ・トウワ
    落語家 春風亭一之輔 
    場所 INTERSECT BY LEXUS-TOKYO 2F/Lounge
    応募期間 2014年4月7日(月)まで
    お問い合わせ INTERSECT BY LEXUS事務局
    0800-080-0830 平日9:00〜20:00まで

    応募方法やイベントの詳細は、下記WEBサイトをご確認下さい。 http://www.lexus-int.com/

    Posted on 2014/03/24

    ゴールデンウィーク期間中の営業停止につきまして


    SWITCH PUBLISHING オンラインストアをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
    ゴールデンウィーク期間中の営業停止のお知らせをいたします。

    〈ゴールデンウィーク休暇〉
    5月2日(土)〜5月6日(水)

    *上記期間は発送業務・お問い合わせ対応をお休みさせていただきます。
    *ご注文は可能です。
    *5月1日(金)の10時までのご注文は当日に発送いたします。それ以降のご注文分は、5月7日(木)以降の発送とさせていただきます。



    Posted on 2015/5/1
     

    【1/20発売!】Suchmos × 写ルンです|メンバー撮影のセルフポートレイトを最新号にて掲載


    Suchmos × 写ルンです
    メンバー撮影のセルフポートレイトを最新号にて掲載


     SWITCH Vol.35 No.2 Suchmos「THE KIDS are Alright」特集内では、メンバー自らが、アルバム『THE KIDS』のリード曲「A.G.I.T.」のMVメイキング風景を「写ルンです」を使用して撮影している。ぜひ本誌でチェックしてほしい。


    <写ルンですについて>


             PHOTOGRAPHY:OGURA YUJI



    おひさしぶりの人も、はじめましての人も、
    昨年で誕生30周年の「写ルンです」をポケットに忍ばせて

     1986年に世界初の“レンズ付きフィルム”として誕生し、未来技術遺産にも登録されているロングセラー商品「写ルンです」。昨年で誕生から30周年を迎えた今シリーズは、フィルムにレンズとシャッターを取り付けただけという至極シンプルで画期的なつくりはそのままに、世代を超えてたくさんの人たちの思い出に寄り添ってきた。
     シリーズの売上はこれまでに世界で累計17億本以上にものぼり、歴代の機種数はなんと100種類以上。開発時の「いつでも、どこでも、誰でも簡単に撮れるカメラ」というコンセプトを大切にしながら様々な撮影ニーズに応え続けてきた「写ルンです」は、デジタル時代の今、最も手軽にフィルム写真を楽しめるツールとしてその存在感を一層増している。


       

    (左から)1986年 初代写ルンです/1991年 写ルンです防水/2017年 写ルンです シンプルエース


     ポケットの中から片手で取り出し、ジリジリとフィルムを巻き上げる。大きなファインダーを覗きながら、パチリとシャッターを押してみる。デジタルカメラやスマートフォンとは違う、撮りたいものにグッと近付けるような感覚がそこにはあって、撮れた写真の確認も撮り直しもできないある意味不自由なアナログ感が、かえってその瞬間を深く胸に刻み込む。誕生から30年以上もの間、そうやってたくさんの人の特別な瞬間をフィルムに焼き付けながら時代とともに歩んできた唯一の存在として、「写ルンです」はこれからも一度きりのシャッターを切る楽しさを「いつでも、どこでも、誰にでも」、きっとやさしく教えてくれる。


    写ルンですLife(公式サイト)
    http://fujifilm.jp/lf30

    Suchmos × 「写ルンです」のコラボレーションを掲載している
    SWITCH(1月20日発売号)詳細はこちら