【SWITCH Vol.34 No.2 特集:藤原新也 新東京漂流】 編集後記


『SWITCH』1月20日発売号
「特集:藤原新也 新東京漂流」編集後記


2016年の「東京漂流」

SWITCHが初めて写真家・藤原新也さんの特集を組んだのは1990年。
それから25年――2010年代の折り返しとなる2016年に再び藤原さんの特集を組むことになりました。1970年代から常に「時代」と「人間」を見つめながら創作活動をしてきた表現者の目に映る“今”を記録したいと考えたのです。
1983年、藤原さんは当時の東京、日本の様々な側面を写真と言葉によって浮き彫りにする著書『東京漂流』を発表しました。今回の特集はその『東京漂流』の2016年版とも言える内容となっています。
東日本大震災の被災地、沖縄辺野古、時代の寵児となったアイドルの素顔、国会議事堂前でデモをする若者、ハロウィンの狂騒……。
藤原さんは2010年代の東京、そして日本という国の現状と、そこに生きる私たちのリアルな姿を30ページに及ぶフォトストーリーで紡いでいきました。 タイトルは「新東京漂流」。
2016年、私たちは何処に向かっていくのか。そのヒントがこの特集には隠されていると思います。

また、「新東京漂流」のひとつのテーマとしてあったのが、“若者のすべて”というキーワードであり、今回の特集の制作過程で藤原さんは様々な若者たちと出会いました。今号の表紙を飾った指原莉乃さんもそのひとりです。
毎日のようにテレビ番組に出演し、HKT48やAKB48のメンバーとして何万人もの観客を前に笑顔で歌い踊る彼女ですが、藤原さんが撮り下ろした表紙写真に写る指原さんの表情は私たちが知っている彼女の顔とは違います。
撮影時間はたったの20分でした。その限られた時間の中で藤原さんはどうしてこのような写真を撮ることができたのか。
その秘密も誌面では解き明かされていますので、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

(SWITCH 編集部)



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