Coyote No.88 版画家・大谷一良の遺した山々 -山のディヴェルティメント-

3月15日発売の『Coyote』は木版画家・⼤⾕⼀良(おおたに・かずよし)を特集します。
大谷一良は、哲学者・随筆家の串⽥孫⼀や版画家の畦地梅太郎の薫陶を受け、1958年創刊の⼭の⽂芸誌『アルプ』をはじめ、数多くの⼭岳書の表紙や挿画を手がけるなど、日本の「山の表現」を支えてきました。近年ではその作品が、北海道の⼈気スイーツブランドのパッケージに採⽤され、若い世代にも再評価が広がっています。
本号では、大谷が愛したディヴェルティメント(嬉遊曲)になぞらえながら、創作の原点から晩年に至るまでの表現の変遷を多角的にひもときます。「思索としての登⼭」「⼭の創作」という文化にあらためて光をあてる、山と表現、そして思索のかたちを一人の表現者の軌跡から探究する一冊です。

スイッチオンラインストア特典
大谷一良オリジナルステッカー



ISBN:9784884186944
2026年3月15日刊行

Coyote No.88 版画家・大谷一良の遺した山々 -山のディヴェルティメント-

価格:

1,320円 (うち税 120円)

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【CONTENTS】

■第1楽章 Allegro 心象の山々

 
山の幻想組曲
大谷は長年にわたって「夜の山」をモチーフとした作品を描き続けました。本号ではその中から厳選した作品を、1980年代に「アルプ」で発表された連作「山の幻想組曲」とともに掲載します。


心を映して山は踊る
—— 山の表現の変遷

独自のスタイルを確立し、発展させていく過程を、年代ごとの作品の変遷とともにご紹介します。


■第2楽章 Adagio 思索の山々

 
緑の風が吹く場所へ
復元された二つのアトリエ

北海道斜里町の「北のアルプ美術館」内に移設・復元された大谷のアトリエ。その背景にある、大谷と初代館長の山崎猛、そして串田孫一をめぐる一つの物語。


版画の設計図・下絵と見比べてみよう
緻密かつ繊細な大谷の木版画はいったいどのように制作されていたのでしょうか。版画の設計図とも言える下絵や、色ごとに作られる版木と実際の作品を見比べ、その制作過程を辿ります。


■第3楽章 Menuetto 若き日の山々

 
Essay
絵具箱

描くこと、そして木版画との出会いを綴ったエッセイを収録。


串田孫一と交わした手紙
大谷と串田の双方のもとには、互いに送り交わした手紙やハガキが何十年にもわたって大切に保管されていました。その一部をひもとくと、二人が単なる師弟関係を超えた、深い信頼で結ばれていたことが見えてきます。


■第4楽章 Alledro 手の中の山々

 
本造りの原点
大谷にとって本とは「出す」ものではなく「造る」ものでした。その本造りの原点とも言える一冊のスケッチブックをご紹介。


山の気を宿した限定本
収録する作品にとどまらず、その造本にまで徹底的にこだわった大谷の画文集。ここではその中から厳選した作品集を、制作背景やこだわりとともにひもときながら、大谷の本造りに込めた思いに迫ります。


■特別挟み込み冊子『ミューレンの夏』

アルプスの山々を望むミューレンの村でのひとときを、旅行記とエッセイでまとめた大谷晩年の作品集『ミューレンの夏』(鹿鳴荘刊、2011年)。その第1章を綴じ込み冊子として収録します。
<そのほかの特集コンテンツ>
●凍れる日

●道

●Column
山の版画の系譜
畦地梅太郎に私淑して

●Essay
あの頃のこと——『アルプ』をめぐる

●版木と見比べてみよう

●Interview
井出裕太 心象の山を彫る現代の作家
文と写真=奥田祐也

●Column
表紙を飾った蔵書票

●Column
遊び心に満ちた串田孫一の手紙

●往復書簡
山と音楽について

●串田孫一「山の輪舞」

●最初の山のかけら

●Column
本棚は人生を映す鏡
   

■特集外コンテンツ

 
Dialogue
森山大道+石川直樹
やっぱり写真は記録でしかないでしょうと、森山大道は言う。

森山大道と石川直樹、二人の写真家による約5年ぶりの対談が実現。森山が幼少期を過ごした島根県・宅野を旅した石川が、その体験を手がかりに、森山の半生と写真への思いをひもときます。
<そのほかのコンテンツ>
●Travelogue
人が織りなす和紙の里を訪ねて
写真=朝岡英輔

●The Way to Lake District
湖水地方を旅する
文と写真=新井菜津

●Foxfire True to nature Vol.22
八百板浩司

●最初の一歩 第88回
大崎清夏
絵=米澤真子

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Coyote No.63 特集:串田孫一のABC

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すべてのモノや心の周辺には多くの言葉があり、山をめぐる言葉も星のようにあり、それぞれ違った色調を放っている。串田孫一の提案した自然への誘い、「山のパンセ」はそれぞれの星の微笑みのようでもある。今、改めて自然を考える。それは自分の生まれた時代を物語ることに等しい。

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