10 days 行商日記 in New York #day3


10 days 行商日記 in New York

今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします

------------------------------------------------------

#3日目
大型書店を視察。

時差ボケで6時に目覚めてしまった。ブルックリンからマンハッタンへ、地下鉄Lラインで移動。今日は週末でお店も忙しいだろうということで、書店営業はやめて、売り込みリストに入れていない大型書店をリサーチすることに。





最初に訪れたのはMoMAのブックストア。ミュージアムショップに併設された1階のブックコーナーと、本だけを扱う2階のブックストアとがあり、物量はさすが。日本の美術館にあるブックコーナーの何倍もの量があった。ほしい画集が決まっているなら、効率よく探せそう。ここはさらっと見学するにとどめて、次の書店へ。





続いてRizzoliのブックストアへ。ニューヨークの大手出版社というだけあって、店内はクラシックで貫禄あり。日本の出版社の本もちらほら。平野太呂さんの『POOL』(リトルモア刊)は中央の平台に置かれていた。でも、全体の印象としては日本の本は少なめ。もっとあるかと思っていた けれど……。




海外への本の流通については知識がゼロなので、そこから勉強し直す必要があると再認識。そのままダウンタウン方面に下って、次は一度行ってみたかったSTRAND BOOKSTOREへ向かった。





STRAND BOOKSTOREといえば、この1ドルワゴン! 雑誌やウェブでこの様子を見過ぎていて、STRAND BOOKSTORE=カジュアルな街の大型書店というイメージが出来上がってしまっていたが、来てみてこのお店がどうして注目されるのか、よく分かった気がする。とにかく密度と熱量がすごいのだ。




例えば2階のアートフロアの写真集コーナーはこんな感じ。こんな棚が1ジャンルにつき数ライン続いている。ABC順で検索性もよし。あぁ、時間が足りない……。





美術書コーナーに行くと、店内にも5$ワゴン。展覧会の図録やギャラリーのカタログがどっさり。レコードを掘る感覚で、端からすべてチェックしている人の姿も。いいなぁ。




さり気なく飾られていた、歴代スペシャルゲストの写真。

ニューヨークに住む友人曰く、STRAND BOOKSTOREのスタッフはとてつもなく本に詳しいそう。確かに店内の至るところで、お客さんが店員さんに話しかけて、本探しを手伝ってもらっていた。
この後、BOOKMARCのニューヨーク店に立ち寄るも、既に閉店。窓越しに見た感じでは、表参道店とラインナップはほぼ同じよう。そのままハドソン川まで歩いて、この日は終了。いよいよ明日から書店営業……と思うと、改めて自分の英語が不安になってきた。


つづく。

◁◁ #day 2 へ   ・    #day 4 へ ▷▷



《 INTERVIEW 》
-- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
Baci 内田有佳さん

インタビューはこちら

《プロフィール》
内田有佳  うちだ・ゆか
1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
http://bacibooks.com/




安西水丸
『ON THE TABLE』
2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
詳細はこちら


《関連イベント》
『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント

<出演>
前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
山杉夫(イラストレーター)
内田有佳(編集者・Baci代表)

ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山杉夫さん。この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品についてじっくりと語っていただきます。

<日程>
2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
<会場>
Rainy Day Bookstore & Cafe
東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F

イベント詳細はこちら